Last Updated on 2024-06-08 11:20 by 門倉 朋宏
2023年6月から、過去12ヶ月間の各月が記録を更新し、史上最も暑い年となった。この記録的な連続は、欧州連合の地球監視サービスCopernicusによって発表された。この期間の平均気温は、産業革命前の1850年から1900年の平均気温よりも1.63度セルシウス高かった。これは、多くの国が本世紀末までに産業革命前の気温から1.5度セルシウスを超えないようにするという目標を掲げている中で注目される。しかし、新たな記録は、気温がこの目標を恒常的に超えるまでに残された時間が非常に限られていることを示唆している。
この温暖化の原因については、科学者の間でまだ合意に至っていない。しかし、国際船舶の汚染規制の変更による硫黄排出の削減や、ハンガトンガ噴火による水蒸気の大気上層への放出などが部分的な要因と考えられている。これらの変化は、地球の温暖化に寄与している可能性がある。
【ニュース解説】
2023年6月から始まった過去12ヶ月間、各月がそれぞれの月としては史上最も暑い月となり、記録を更新し続けています。この異常な連続は、地球の気温が産業革命前の水準から1.63度セルシウス上昇していることを示しており、多くの国が掲げる本世紀末までに1.5度セルシウスの上昇を超えないという目標を早期に超える可能性があることを示唆しています。
この記録的な気温上昇は、地球全体に多大な影響を及ぼしています。例えば、農業においては作物の生育期間が変化し、水資源の枯渇や異常気象の頻発が予想されます。また、自然界においては生態系の変化が加速し、絶滅の危機に瀕している種の生存がさらに困難になる可能性があります。
この温暖化の原因については、科学者たちも完全には解明できていませんが、国際船舶からの硫黄排出の削減やハンガトンガ噴火による水蒸気の放出などが部分的な要因として挙げられています。これらの要因は、地球のアルベド(太陽光の反射率)に影響を与え、地球の温暖化を加速させる可能性があります。
このような状況は、気候変動に対する国際的な取り組みにも影響を与えます。1.5度セルシウスの目標を超える可能性が高まることで、各国はより積極的な温室効果ガス削減策や、炭素吸収技術の開発・導入に向けた投資を迫られることになります。しかし、これらの技術はまだ大規模に実用化されておらず、その実現には多大なコストと時間が必要です。
長期的な視点では、この連続記録は、気候変動が予想以上に早く進行していることを示しており、地球環境や人類社会に対する深刻な警鐘となっています。今後、気候変動対策の強化や、持続可能な社会への移行がより一層重要になってくるでしょう。ポジティブな側面としては、このような危機が新たな技術革新や国際協力を促進する契機となる可能性もあります。しかし、そのためには、全世界の政府、企業、市民が一丸となって行動を起こす必要があります。