Last Updated on 2024-05-14 16:23 by TaTsu
Quest 2とQuest 3は、飛行機内での使用に向けた「実験的」なトラベルモードを新たに搭載した。このモードは、設定の実験セクション内のトグルを通じてヘッドセットのクイック設定に追加できる。Metaによると、この機能を利用するには、安定版のシステムソフトウェアv65にアップデートし、ヘッドセットを再起動する必要がある。ただし、Quest Proはサポートされていない。
トラベルモードを有効にすると、移動中の飛行機内でも位置追跡が機能するようになる。現時点では、電車など他の交通手段では公式にはサポートされていないが、将来的にはサポートされる予定である。以前は、飛行機内でQuestヘッドセットを使用しようとすると、航空機の高度、速度、または方向が変わるたびに、仮想オブジェクトやインターフェースが反対方向に飛んでいくなどの問題が発生していた。
特定の航空会社では、ヘッドセットが自動的に飛行機内にいることを検出し、トラベルモードの有効化を推奨するが、どの航空会社かは明らかにされていない。トラベルモードが必要な理由は、マーカーレスの内部追跡システムがカメラだけでなく、加速度計とジャイロスコープを含む慣性測定ユニット(IMU)にも依存しているためである。飛行機などの移動する乗り物内では、IMUが乗り物自体の加速を検出し、ヘッドセットが移動していると誤認することがある。Apple Vision Proは発売時からトラベルモードを搭載しているが、Metaは窓の外を見てもトラベルモードが機能すると主張している。
【編集者追記】用語解説
- Oculus Quest 2とQuest 3:Meta社が開発したスタンドアロン型のVRヘッドセット。外部のPCやスマートフォンを必要とせず、単体で動作する。
- Meta社:旧Facebook社であり、Facebook、Instagram、WhatsAppなどのソーシャルメディアプラットフォームを運営する企業。
【参考リンク】
Meta オフィシャルサイト(Oculus Quest)(外部)
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【ニュース解説】
Quest 2とQuest 3のヘッドセットが、飛行機内での使用に適した新機能「トラベルモード」を実験的に導入しました。このモードは、ヘッドセットの設定内の実験セクションから簡単に追加でき、安定版のシステムソフトウェアv65を搭載している必要があります。しかし、この機能はQuest Proでは利用できません。
トラベルモードを有効にすることで、飛行機が移動している状態でも位置追跡が可能になります。これまで飛行機内でQuestヘッドセットを使用する際には、航空機の動きによって仮想オブジェクトが不安定になるなどの問題がありましたが、トラベルモードによってこれらの問題が解決されます。
この機能の必要性は、ヘッドセットの追跡システムがカメラだけでなく、加速度計とジャイロスコープを含む慣性測定ユニット(IMU)にも依存しているためです。飛行機などの移動する乗り物内では、IMUが乗り物自体の加速を検出し、それをヘッドセットの動きと誤認してしまうことがあります。この問題を解決するために、トラベルモードが開発されました。
この技術の導入により、飛行機内でのVR体験が大きく改善されることが期待されます。しかし、この技術が他の交通手段にも適用されるか、またどのような影響を与えるかは今後の展開次第です。また、特定の航空会社で自動的にトラベルモードが推奨される機能も興味深い点ですが、どの航空会社が対象かはまだ公開されていません。
この新機能は、飛行機内でのVR利用の際に直面する問題を解決するだけでなく、将来的には他の移動手段でもVR体験の質を向上させる可能性を秘めています。しかし、全ての交通手段での完全な対応や、外部環境の変化にどの程度柔軟に対応できるかなど、まだ解決すべき課題も残されています。この技術の発展と普及が、VR体験の新たな可能性を広げることに期待が集まります。
from Quest 2 & Quest 3 Get Experimental Travel Mode To Make Positional Tracking Work On Airplanes.