1月15日、元Stability AIのエンジニアによって設立されたドイツのAIスタートアップBlack Forest Labsが、オープンソースAI画像生成モデルFLUX.2 [klein]をリリースした。
Nvidia GB200上で1秒未満の画像生成が可能で、40億パラメータ(4B)と90億パラメータ(9B)の2バージョンを提供する。
4BバージョンはApache 2.0ライセンスで商用利用が無償で可能だ。
最新ハードウェアで0.5秒未満、RTX 3090や4070などのコンシューマーGPUでもVRAM約13GB以内で動作する。
蒸留技術により4ステップで画像生成を実現し、テキストから画像、単一参照編集、複数参照合成を統合アーキテクチャでサポートする。
ComfyUI向けワークフローテンプレートも同時公開され、16進数カラーコード指定やJSON形式の構造化プロンプトにも対応している。
From:
Black Forest Labs launches open source Flux.2 [klein] to generate AI images in less than a second
【編集部解説】
Black Forest Labsが公開したFLUX.2 [klein]は、FLUX.2ファミリーの中でも「軽さと応答性」に明確に軸足を置いたモデルです。従来のFLUX.2系が品質や汎用性を重視してきたのに対し、[klein]は試行錯誤を高速に回すことを前提に設計されている点が大きな違いといえます。
特徴的なのは、蒸留によって4ステップ推論を前提とした点です。これにより、画像生成は1秒以下で完結し、待ち時間を意識せずにプロンプトを調整できます。単に生成が速いというだけでなく、反応の速さを前提にした使い方が想定されていることが重要です。生成結果を確認し、すぐに修正するという短いループが成立します。
ハードウェア要件も現実的です。4BモデルはVRAM約13GB程度で動作し、RTX 3090やRTX 4070といったコンシューマーGPUで実行できます。9Bモデルはより高い表現力を持つ一方で、必要VRAMは約24GBが目安とされています。用途や環境に応じてモデルを選択できる点が、今回の構成の特徴です。
今回のリリースで特に注目したいのは、生成の速さに加えて、指定方法が実務寄りに拡張されている点です。16進数カラーコードによる色指定に対応したことで、ブランドカラーやUI配色を意識した生成が行いやすくなりました。さらに、JSON形式の構造化プロンプトに対応し、要素や制約を明示的に指定できます。自然言語だけに頼らない指定方法は、ツール連携や制作フローへの組み込みを意識した設計といえるでしょう。
生成と編集の扱いも整理されています。FLUX.2 [klein]では、テキストから画像を生成する用途と、参照画像を用いた編集を同じ設計思想の中で扱います。参照画像を使った合成や編集は最大4枚までとされており、軽量モデルとしての一貫性が保たれています。多くの参照を前提とする構成ではなく、速度と操作性を優先した設計です。
ライセンス面では、4BモデルがApache 2.0で提供され、商用利用を含めて自由度が高くなっています。一方で、9Bモデルは非商用ライセンスとなっており、用途に応じた選択が必要です。FLUX.2 [klein]は、単一のモデルですべてを賄うというよりも、実務での使いやすさを考慮して条件を切り分けた構成になっています。
FLUX.2 [klein]は、FLUX.2ファミリーの流れをそのまま縮小したモデルではありません。高速応答を前提とした推論設計、コンシューマーGPUで扱えるサイズ感、カラーコード指定や構造化プロンプトといった新しい指定方法が組み合わさり、「調整しながら使う」ことに特化したモデルとして位置づけられます。今回のリリースは、画像生成の性能そのものではなく、どのような操作単位で使われることを想定しているのかという設計思想の変化を示しています。
【用語解説】
蒸留(Distillation)
大規模なAIモデルの知識を小型モデルに転移させる技術。教師モデルが生徒モデルに「教える」ことで、パラメータ数を大幅に削減しながらも性能を維持できる。
Apache 2.0ライセンス
商用利用、修正、再配布が自由にできる寛容なオープンソースライセンス。ロイヤリティ不要で企業が安心して利用できる。
【参考リンク】
Black Forest Labs公式サイト(外部)
FLUX.2モデルファミリーの開発元。プレイグラウンドでのテスト利用やAPI統合が可能。
Black Forest Labs GitHub – FLUX.2リポジトリ(外部)
FLUX.2のオフィシャルコードとドキュメント。インストール方法や使用例を提供。
Hugging Face – Black Forest Labs(外部)
FLUX.2 [klein]の4Bおよび9Bモデルウェイトをダウンロード可能。量子化版も提供。
ComfyUI公式サイト(外部)
ノードベースのAI画像生成インターフェース。FLUX.2 [klein]の公式ワークフローをサポート。
【参考記事】
GitHub – black-forest-labs/flux2: Official inference repo for FLUX.2 models(外部)
FLUX.2 [klein]の技術仕様と実装方法を詳述。サブ秒生成、統合アーキテクチャ、ライセンス情報を提供。
Black Forest Labs Releases FLUX.2 [klein]: Compact Flow Models for Interactive Visual Intelligence – MarkTechPost(外部)
FLUX.2 [klein]の技術アーキテクチャとパフォーマンス分析。4Bと9Bモデルの違い、量子化版の詳細を解説。
Flux 2 [klein] User Guide | fal(外部)
Rectified Flowアーキテクチャの技術的背景とFLUX.2 [klein]の実装ガイド。APIパターンと最適化手法を提供。
The Best Open-Source Image Generation Models in 2026(外部)
FLUX.2、Stable Diffusion、HiDream-I1など主要なオープンソース画像生成モデルの比較と特徴を解説。
Black Forest Labs: Europe’s most-hyped — and elusive — startup? | Sifted(外部)
Black Forest Labsの創業背景、主要人物、資金調達状況、将来展望を詳述。ヨーロッパ発のAIスタートアップとしての位置づけを分析。
【編集部後記】
AI画像生成がついにリアルタイムの域に到達しつつあります。1秒未満で高品質な画像を生成できるFLUX.2 [klein]は、クリエイティブワークフローそのものを変革する可能性を秘めています。特に、Apache 2.0ライセンスで商用利用が完全に自由な点は、個人クリエイターやスタートアップにとって大きなチャンスです。皆さんのプロジェクトでは、このようなローカル実行可能な高速モデルをどう活用できるでしょうか。innovaTopia編集部も、オープンソースAIの民主化が創造性の新たな地平を開く様子を、皆さんと共に見守っていきたいと思います。
【関連記事】



































