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わずか10gのスマートディスプレイGUIDE01、クラファン支援総額1,500万円突破で大阪ベンチャーが躍進

[更新]2026年1月23日

大阪のITベンチャーが開発したわずか10gのスマートディスプレイGUIDE01が、クラウドファンディングで目標の50倍となる1,500万円の支援を集めた。MetaやAppleの参入が迫るスマートグラス市場で、日本の小規模ベンチャーが示した「軽さ」と「プライバシー」へのこだわりが、なぜこれほどの共感を呼んだのか。


HappyLifeCreators株式会社は、クラウドファンディングプラットフォーム「GREEN FUNDING」で実施中の世界最小・最軽量級スマートディスプレイ「GUIDE01」の支援総額が1,500万円を突破したと2026年1月23日に発表した。

当初の目標金額30万円に対し達成率5,000%超、支援者数501名を記録している。

GUIDE01は重量わずか10gでメガネに装着でき、Bluetoothでスマートフォンと連携してAI翻訳、AI文字起こし、AIチャット、ナビゲーション、通知表示などの機能を提供する。

二子玉川の蔦屋家電で2025年12月3日から2026年1月31日まで展示中で、2026年1月29日には大阪でウェアラブルデバイス関連イベントにも登壇予定だ。

クラウドファンディングは2026年1月31日に終了する。

From: 文献リンク世界最小・最軽量級スマートディスプレイ「GUIDE01」クラウドファンディング支援総額1,500万円突破・ストレッチゴール達成

【編集部解説】

わずか10gという世界最軽量級を実現したGUIDE01のクラウドファンディングが、目標金額30万円の50倍を超える1,500万円を達成しました。これは単なる製品の成功ではなく、スマートグラス市場が大きな転換点を迎えていることを示しています。

2025年上半期、世界のスマートグラス市場は前年比110%増という驚異的な成長を記録しました。特にAI機能を搭載したスマートグラスが市場の78%を占め、前年同期の46%から大幅に増加しています。Metaが73%の圧倒的なシェアを握る中、XiaomiやTCL-RayNeoといった新規参入企業も相次いで製品を投入し、市場は急速に拡大しています。

GUIDE01の最大の特徴は、その設計思想にあります。一般的なスマートグラスが一体型デバイスとして設計されるのに対し、GUIDE01は「すべてのメガネをスマートグラスに変える」というコンセプトを採用しました。ユーザーが愛用する度付きメガネ、サングラス、老眼鏡、さらには安全ゴーグルにも装着可能な後付け型ディスプレイとして設計されています。

重量10gという数字は、Meta Ray-Ban Displayの69g、Even G2の36gと比較しても圧倒的な軽さです。フルカラーOLED、624×405ピクセルの解像度、IP65の防水性能を搭載しながらこの重量を実現したことは、技術的な挑戦といえます。バッテリー駆動時間は90分と短めですが、10分でフル充電可能な急速充電に対応しています。

もう一つ注目すべきは、GUIDE01があえてカメラを搭載していないことです。これはプライバシーへの配慮から来る戦略的な選択です。スマートグラスに対する最大の懸念の一つが、カメラによる無断撮影やプライバシー侵害への不安です。欧州データ保護監督機関も、カメラ搭載スマートグラスのデータ管理やプライバシー保護措置の不十分さを指摘しています。

GUIDE01と同様にカメラ非搭載を選択したEven G2は、「使う人も、周りの人も、不安にならないこと」をコンセプトに掲げ、オフィスや公共の場での使用への心理的ハードルを下げることに成功しています。GUIDE01も同じ思想に基づいており、職場や日常生活での受容性を高めています。

機能面では、AI翻訳、AI文字起こし、AIチャット、ナビゲーション、通知表示、プロンプターなど、Bluetoothでスマートフォンと連携して実用的な機能を提供します。特にプロンプター機能は、プレゼンテーションや公の場でのスピーチで、聴衆と目を合わせながら原稿を確認できる点で有用です。

HappyLifeCreators株式会社は2019年設立、社員数20人弱のITベンチャーです。代表の牧長心氏はウェアラブルデバイス黎明期からスマートグラス開発に携わってきた経験を持ち、「ソフトとハードの二刀流」として自社デバイスの開発に踏み切りました。大企業が主導する市場に、日本の小規模ベンチャーが挑戦する姿は、技術立国としての日本の可能性を感じさせます。

価格戦略も注目に値します。一般販売予定価格39,800円に対し、クラウドファンディングでは32,800円からという価格設定は、Meta Ray-Ban Display(約120,000円)、Even G2(約10万円)と比較して競争力があります。2029年には世界のスマートグラス市場が4,000万台に達すると予測される中、価格と機能のバランスが取れた製品として市場に受け入れられる可能性があります。

課題も存在します。90分というバッテリー駆動時間は、終日使用を想定するユーザーには短いと感じられるでしょう。また、カメラやスピーカーを搭載しないことで、拡張現実体験の幅が制限される側面もあります。さらに、後付け型という特性上、メガネとの相性や装着時の見た目への配慮も必要です。

しかし、これらの制約は裏を返せば、明確なターゲット設定の表れでもあります。GUIDE01は、カメラによる記録や音楽再生ではなく、情報のディスプレイとAI支援に特化することで、「日常的に使える情報ツール」としてのポジションを確立しようとしています。

2026年は、AppleやGoogle、Samsungといった巨大テック企業のスマートグラス市場への本格参入が予想されています。その前夜に、日本の小規模ベンチャーが達成率5,000%という結果を出したことは、市場のニーズを的確に捉えた証といえるでしょう。クラウドファンディングは1月31日まで継続しており、最終的な支援総額がどこまで伸びるかも注目されます。

【用語解説】

クラウドファンディング
インターネットを通じて不特定多数の人々から資金を募る仕組み。製品開発やプロジェクトの実現に必要な資金を、支援者から事前に集める。支援者は製品やサービスを割引価格で入手できることが多い。

ストレッチゴール
クラウドファンディングで当初の目標金額を達成した後に設定される追加目標。達成することで製品の品質向上や機能追加などが実現される。

スマートグラス
メガネ型のウェアラブルデバイス。視界に情報を表示したり、カメラで撮影したり、音声アシスタント機能を利用できる。拡張現実(AR)技術を活用し、現実世界にデジタル情報を重ね合わせて表示する。

Bluetooth
近距離無線通信規格の一つ。スマートフォンやパソコンなどの機器同士を無線で接続し、データ通信を行う。消費電力が少なく、ウェアラブルデバイスに広く採用されている。

プロンプター
スピーチやプレゼンテーションの際に原稿やキーワードを表示する装置。テレビのニュース番組でアナウンサーが使用することで知られる。GUIDE01では視界に原稿を表示し、聴衆と目を合わせながら話せる。

IP65
防塵・防水性能を示す規格。IP65は完全な防塵性能と、あらゆる方向からの噴流水に対する保護性能を持つことを意味する。日常使用での雨や水しぶきに耐えられる。

OLED(有機ELディスプレイ)
有機化合物を発光材料として使用するディスプレイ技術。液晶と異なりバックライトが不要で、薄型化・軽量化が可能。高コントラストで鮮やかな色表現ができる。

【参考リンク】

GREEN FUNDING – GUIDE01プロジェクトページ(外部)
GUIDE01のクラウドファンディングページ。製品の詳細仕様、支援プラン、活動報告を確認できる

GUIDE01公式サイト(外部)
製品情報、機能紹介、技術仕様などを掲載。GUIDEシリーズの開発コンセプトも紹介されている

HappyLifeCreators株式会社(外部)
開発元企業の公式サイト。WebシステムやVR/ARソリューション事業を展開する大阪のITベンチャー

蔦屋家電+(二子玉川)(外部)
GUIDE01の実機を体験できる展示場所。最新テクノロジー製品を実際に触って試せるショールーム

【参考記事】

わずか10グラム。メガネに後付けするスマートディスプレイ「GUIDE01」 – Gizmodo Japan(外部)
GUIDE01の製品レビュー。624×405ピクセルのフルカラーOLED搭載、Meta Ray-Ban Displayとの比較を紹介

メガネを「スマート化」する超小型ディスプレイ、クラファンで4,800%達成 – PC Watch(外部)
カメラ非搭載による周囲への配慮、プライバシー重視の設計思想、普段使いのメガネに後付けできる利点を解説

2025年上半期の世界スマートグラス出荷台数は前年比110%増 – Counterpoint(外部)
世界市場の成長率110%増、Metaが73%のシェア獲得、AIスマートグラスが78%を占める市場トレンドを解説

世界のスマートグラス市場、4000万台へ拡大予測 – 36Kr Japan(外部)
IDCによる2029年4,000万台突破予測、光学モジュールが本体コストの4割以上を占める技術課題を分析

カメラのないスマートグラス「Even G2」レビュー – Gizmodo Japan(外部)
GUIDE01と同様にカメラ非搭載を選択したEven G2のレビュー。重量36g、バッテリー1〜2日持続を評価

【編集部後記】

スマートグラスという新しいデバイスが、私たちの日常に溶け込む日はもうすぐそこまで来ています。GUIDE01のような製品が示しているのは、技術が「特別なもの」から「当たり前のツール」へと変わっていく瞬間です。わずか10gという軽さ、カメラ非搭載によるプライバシーへの配慮、そして手持ちのメガネをそのまま活用できる柔軟性。これらは、テクノロジーが人間の生活に寄り添う形を模索する試みといえるでしょう。2026年には大手企業の参入も予想される中、日本の小さなベンチャーが達成率5,000%という結果を出したことの意味を、皆さんはどう捉えますか。みなさんがスマートグラスに求める機能や、日常でどう使いたいか、ぜひ考えてみてください。

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Satsuki
テクノロジーと民主主義、自由、人権の交差点で記事を執筆しています。 データドリブンな分析が信条。具体的な数字と事実で、技術の影響を可視化します。 しかし、データだけでは語りません。技術開発者の倫理的ジレンマ、被害者の痛み、政策決定者の責任——それぞれの立場への想像力を持ちながら、常に「人間の尊厳」を軸に据えて執筆しています。 日々勉強中です。謙虚に学び続けながら、皆さんと一緒に、テクノロジーと人間の共進化の道を探っていきたいと思います。

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