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Honor Robot Phone、MWC 2026で3月1日発表|ポップアップ式ジンバルカメラ搭載の革新的スマートフォン

Honorは、ポップアップ式AIカメラアシスタントを搭載した「Robot Phone」を2026年3月1日にバルセロナで開催されるMWC 2026で世界初公開すると発表した。

この端末の最大の特徴は、背面カメラに組み込まれた物理的に上昇し動くカメラモジュールである。

Honorは2025年10月にこのコンセプトを初めて公開し、回転モーター付きのジンバルスタイルモジュールを披露していた。

同社はこのシステムを「AIブレイン」とロボットの可動性を組み合わせたものと表現し、服装に合う靴の提案や犬の品種識別といった日常的な用途を示唆している。

ただし、カメラモジュールの可動範囲、反応速度、具体的なカメラモード、耐久性、防水性能への影響といった詳細は明らかにされていない。

価格、発売地域、発売時期も未公開である。

From: 文献リンクA phone with a pop-up robot camera is launching soon

【編集部解説】

Honorがスマートフォン市場に投じる「ロボットフォン」は、業界が長年追求してきたソフトウェアによる画像最適化とは異なる道を切り拓く試みです。DJI Osmo Pocketのような独立したジンバルカメラの技術を、スマートフォン本体に統合するという発想は、ハードウェアイノベーションが限界を迎えつつあるとされる現在において、極めて挑戦的な選択と言えます。

スマートフォンカメラは2025年に200MPセンサーの普及、着脱式テレコンバーターの登場、AI編集機能の高度化という3つの大きな進化を遂げました。しかし、これらはいずれも「固定されたハードウェアをソフトウェアで最大限に活用する」という方向性です。センサーサイズは物理的な制約から1/1.3インチ前後が最適とされ、それ以上大きくすると超広角になりすぎたり、カメラバンプが巨大化したりする問題に直面します。

Honorのロボットフォンは、この状況に対して「カメラ自体を動かす」という解決策を提示しています。ジンバルスタイルの可動式カメラモジュールは、歩行中の被写体追跡、動画撮影時の手ブレ補正、自動フレーミングといった機能を、ソフトウェアの補間ではなく、物理的な動きで実現します。これはDJI Osmo Mobileのような外付けジンバルが提供してきた価値を、スマートフォン単体で実現しようとする野心的な試みです。

背面カメラ部分から物理的にポップアップするジンバル機構は、使用時以外は筐体内に格納され、物理シャッターで保護される設計になっています。カラーバリエーションはブラック、ホワイト、ゴールドの3色が確認されており、背面デザインはiPhone 17 Proに類似した水平方向の大型カメラモジュールを採用しています。

ただし、このアプローチには明確なトレードオフが存在します。可動部品の耐久性、防水性能への影響、筐体の厚みや重量の増加、そして製造コストの上昇です。Honorはまだカメラモジュールの可動範囲、反応速度、具体的な撮影モード、センサーの解像度やサイズといった技術仕様を公開していません。背面に確認できる多数の通気孔は、可動機構による発熱対策の必要性を示唆しています。

AIとの統合も重要な要素です。Honorは「AIブレイン」と「ロボットの可動性」を組み合わせたシステムと説明し、服装に合った靴の提案や犬の品種識別といった日常的な用途を示唆しています。つまり、単なるジンバルではなく、視覚認識AIと連動して自律的に動作するカメラシステムを目指していることが分かります。

2026年上半期に量産開始予定とのリーク情報もあり、単なるコンセプトモデルではなく、実際に市場投入される製品である可能性が高まっています。3月1日のMWC 2026での発表は、価格、発売地域、詳細なスペックが明らかになる重要な節目となるでしょう。

スマートフォンカメラ市場は米国で購入決定要因の80%以上をカメラ性能が占めるまでに成熟しています。しかし同時に、ソフトウェア最適化の限界も見え始めています。Honorのロボットフォンは、この成熟市場に「物理的な可動性」という新たな軸を持ち込む試みです。成功すれば、スマートフォンカメラの進化に新たな方向性を示すことになります。失敗すれば、なぜ業界がソフトウェアアプローチを選択してきたのかを再確認することになるでしょう。

いずれにせよ、この挑戦的な製品が市場にどのように受け入れられるかは、スマートフォンイノベーションの今後を占う上で極めて重要な試金石となります。

【用語解説】

MWC(Mobile World Congress)
世界最大級のモバイル関連展示会。毎年スペイン・バルセロナで開催され、スマートフォンメーカー、通信事業者、半導体メーカーなどが最新技術や製品を発表する。業界関係者やメディアが世界中から集まる重要なイベントである。

ジンバル
カメラを安定して保持するための回転式の台座装置。3軸ジンバルは、パン(左右回転)、チルト(上下回転)、ロール(傾き回転)の3方向で動きを制御し、手ブレを物理的に補正する。DJIのOsmo Mobileシリーズが代表的な製品である。

マルチモーダルインテリジェンス
複数の入力形式(視覚、音声、テキストなど)を統合的に処理するAI技術。スマートフォンでは、カメラ映像を解析しながら音声指示を理解し、適切な動作を実行するといった応用が可能になる。

3軸スタビライゼーション
カメラの3つの回転軸(パン、チルト、ロール)を電子制御またはジンバル機構で安定化させる技術。動画撮影時の手ブレを大幅に軽減し、プロフェッショナルな映像品質を実現する。

ペリスコープレンズ
潜望鏡のように光路を屈折させることで、薄型スマートフォンでも高倍率の光学ズームを実現するレンズ構造。スマートフォンの厚みを抑えながら、従来は不可能だった5倍以上の光学ズームを可能にする。

ActiveTrack
DJIが開発した被写体自動追跡技術。AIが人物や動物、物体を認識し、動きに合わせてカメラが自動的に追従する。最新のActiveTrack 7.0では、一時的に被写体がフレームアウトしても追跡を継続できる。

【参考リンク】

HONOR Robot Phone公式ページ(外部)
Honorの公式ウェブサイトで、Robot Phoneに関する最新情報の登録やコンセプト動画の視聴が可能。

Mobile World Congress Barcelona 公式サイト(外部)
世界最大級のモバイル関連展示会の公式サイト。2026年のイベント情報、出展企業、基調講演のスケジュールなどが確認できる。

DJI Osmo Mobile公式ページ(外部)
HonorのRobot Phoneが参考にしたとされるDJIのスマートフォン用ジンバルの公式サイト。3軸スタビライゼーション技術やActiveTrack機能の詳細が確認可能。

【参考記事】

First look: Honor’s incredible gimbal camera phone in the flesh(外部)
Android AuthorityがHonor Robot Phoneの実機を取材した記事。ジンバルカメラの物理的な構造やデザインの詳細、背面の通気孔など実際の端末の様子を報告。

DJI Osmo Mobile 8 Smartphone Gimbal Launches With Apple DockKit Support and 360° Pan Rotation(外部)
DJI Osmo Mobile 8の技術解説記事。3軸スタビライゼーション技術、ActiveTrack 7.0など、Honorが参考にしたジンバル技術の詳細を記載。

The 3 camera phone trends that defined 2025 – and what might happen next in 2026(外部)
2025年のスマートフォンカメラトレンドを分析。200MPセンサー、着脱式テレコンバーター、AI編集という3つの主要トレンドと2026年の予測を解説。

Honor will start mass production of the Robot Phone in the first half of 2026(外部)
中国のリーカーSmartPikachuからの情報として、Honorが2026年上半期にRobot Phoneの量産を開始する計画を報道。

Think smartphone cameras have peaked? Here’s what’s still to come(外部)
スマートフォンカメラの将来展望を分析。センサーサイズの物理的限界、AI統合の進化、ミッドレンジ端末への技術普及など2026-2027年の技術動向を解説。

【編集部後記】

スマートフォンカメラの進化は、ソフトウェアによる画像処理が主流となって久しい中、Honorは「カメラ自体を動かす」という物理的なアプローチで挑戦状を叩きつけました。この発想は一見突飛に見えますが、私たちが日常的に使うDJIのジンバルの価値を考えれば、決して的外れではありません。皆さんは、スマートフォン単体でプロレベルの動画撮影が可能になる未来に、どのような可能性を感じますか?耐久性や価格といった課題はありますが、イノベーションとは常にリスクを伴うものです。3月1日のMWC発表を、業界の新たな転換点として一緒に注目していきましょう。

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Satsuki
テクノロジーと民主主義、自由、人権の交差点で記事を執筆しています。 データドリブンな分析が信条。具体的な数字と事実で、技術の影響を可視化します。 しかし、データだけでは語りません。技術開発者の倫理的ジレンマ、被害者の痛み、政策決定者の責任——それぞれの立場への想像力を持ちながら、常に「人間の尊厳」を軸に据えて執筆しています。 日々勉強中です。謙虚に学び続けながら、皆さんと一緒に、テクノロジーと人間の共進化の道を探っていきたいと思います。

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