2025年、音楽生成AIは訴訟から和解へと舵を切った。2026年、その技術が日本のカラオケ文化と融合する。
株式会社ワールドスケープが1月26日にリリースした「KaraGo」は、SunoやUdioで作成したAI生成曲を、16,000円の買い切り価格で全国約5,000店舗のJOYSOUNDに配信できるサービスだ。
法的環境が整備されつつある今、音楽制作の民主化は新たなフェーズへ。誰もが自分の曲をカラオケで歌える時代が幕を開けた。
株式会社ワールドスケープは2026年1月26日、音楽生成AIで作った曲や自作オリジナル曲を全国のJOYSOUNDで配信できるサービス「KaraGo」の提供を開始した。同社が運営する「カラオケ配信サービス by Frekul」で培った8,000曲以上の配信ノウハウを基に、維持費ゼロの完全買い切り型で展開する。
SunoやUdioといった音楽生成AIで作成された楽曲の登録にも対応し、Webから楽曲データを登録するだけで3週間以内に全国約5,000店舗のJOYSOUND設置店で配信が開始される。
利用料金は1曲16,000円(税込)で、月額費用や年会費、更新料は不要。著作権管理オプション(無料)を利用すれば、カラオケ利用実績に応じた印税の受け取りも可能だ。
From:
音楽生成AIで作った”自分の曲”が、全国のJOYSOUNDに。Suno/Udio対応カラオケ配信サービス『KaraGo』1/26リリース
【編集部解説】
音楽生成AIの急速な普及が、カラオケという日本独自の娯楽文化に新たな可能性をもたらしています。SunoやUdioといった音楽生成AIサービスは、専門知識がなくても数分でクオリティの高い楽曲を生成できるようになり、音楽制作の民主化を加速させてきました。KaraGoはこうした流れを受け、AI生成曲を含む個人制作の楽曲をカラオケ配信するという、これまでにない出口を提供するサービスです。
注目すべきは、音楽生成AIをめぐる法的環境が急速に整備されつつある点です。2024年6月にRIAA(全米レコード協会)がSunoとUdioを著作権侵害で提訴していましたが、2025年にはSunoがWarner Music Group、UdioがUniversal Music Groupとそれぞれライセンス契約を締結し、和解に至りました。これにより、AI生成音楽の商用利用における法的基盤が明確化されつつあります。KaraGoが商用利用ライセンスを必要とする理由は、まさにこうした著作権保護の観点から来ています。
従来、個人が制作した楽曲をカラオケに配信するには、複雑な手続きや高額な費用、継続的な維持コストが必要でした。しかしKaraGoは16,000円の買い切り価格で、3週間という短期間で全国約5,000店舗のJOYSOUNDに配信できる点が画期的です。月額費用や更新料が不要という料金体系は、個人クリエイターにとって大きな障壁を取り除くものといえるでしょう。
同社が「カラオケ配信サービス by Frekul」で蓄積した8,000曲以上の配信実績は、サービスの信頼性を裏付ける要素です。テロップの色塗りや歌いやすさの研究といった細部へのこだわりも、カラオケ配信の経験値があるからこそ実現できる品質といえます。
特筆すべきは、著作権管理オプションを通じて印税還元システムが提供される点です。AI生成曲については一定の条件があるものの、自作曲がカラオケで歌われるたびに収益を得られる仕組みは、新しい音楽経済圏の形成につながる可能性があります。ただし、音楽生成AIで作成した楽曲を利用する場合は、商用利用ライセンスが必要であり、無料プランで生成した曲は利用できない点には注意が必要です。
このサービスが広まることで、結婚式や記念日、企業イベントなどの特別な瞬間のために作られたオリジナル楽曲を、その場で歌って共有するという新しいエンターテインメントの形が生まれるかもしれません。音楽生成AIの進化と、日本のカラオケ文化が融合した、極めて日本的なイノベーションといえるでしょう。
【用語解説】
音楽生成AI
テキストプロンプトから楽曲を自動生成する人工知能技術。ユーザーが歌詞や音楽スタイルを指定すると、数分で完成度の高い楽曲を作成できる。2025年には主要な音楽会社とのライセンス契約が進み、商用利用の法的基盤が整備されつつある。
完全買い切り型
初回の登録料のみを支払えば、その後の月額費用や年会費、更新料などの継続的な支払いが不要となる料金体系。
印税還元システム
楽曲がカラオケで歌われた回数に応じて、著作権者に対価が支払われる仕組み。JASRACなどの著作権管理団体を通じて分配される。
RIAA(全米レコード協会)
アメリカのレコード産業を代表する業界団体。2024年6月にSunoとUdioを著作権侵害で提訴したが、2025年に各社が大手音楽会社とライセンス契約を締結し和解に至った。
【参考リンク】
KaraGo公式サイト(外部)
音楽生成AIや自作曲をJOYSOUNDに配信できるサービス。料金や登録方法の詳細を掲載。
Suno(外部)
テキストプロンプトから楽曲を生成できる音楽生成AIサービス。2025年11月にWarner Music Groupとライセンス契約を締結。
Udio(外部)
高品質な楽曲を生成できる音楽生成AIサービス。2025年10月にUniversal Music Groupとライセンス契約を締結。
JOYSOUND公式サイト(外部)
全国約5,000店舗に設置されている業務用通信カラオケシステム。KaraGoの配信先となる。
カラオケ配信サービス by Frekul(外部)
株式会社ワールドスケープが運営する既存のカラオケ配信サービス。8,000曲以上の配信実績を持つ。
【参考記事】
Suno Previews 2026 Changes Under Warner Music Deal(外部)
SunoがWarner Music Groupと和解し、2026年に実装予定の変更内容を予告。商用利用権の詳細やライセンスモデルの変更について報じている。
Udio AI Music Generator: 2026 Review, Tutorial & Legal Update(外部)
UdioとUniversal Music Groupのライセンス契約締結と、2026年第2四半期に予定されている新プラットフォームの詳細。著作権問題の解決経緯を解説。
Suno AI launches v4 with major improvements to music generation quality(外部)
音楽生成AI「Suno」の最新バージョンv4のリリースを報じる記事。音質や歌詞の明瞭性が大幅に向上した技術的進化について詳述。
【2026年版】自分の曲を全国のカラオケに配信する7つの方法(外部)
カラオケ配信の具体的な方法を7つに分類して解説。FrekulやTuneCoreなど各サービスの特徴や料金体系を比較している。
【編集部後記】
音楽生成AIとカラオケという、一見異なる二つのテクノロジーとカルチャーが融合した瞬間を、私たちは目撃しています。あなた自身が作った曲、あるいはAIと一緒に創り上げた楽曲が、全国のカラオケボックスで歌えるようになる——これは単なる技術革新ではなく、音楽との新しい関わり方の提案ではないでしょうか。結婚式のサプライズソングや、仲間との思い出を刻む一曲を、実際にカラオケで歌える未来。音楽生成AIの法的環境も整備されつつある今、こうした体験がどのような感動や可能性を生み出すのか、私たちも大変興味を持っています。






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