Meta Platformsが、Instagram、Facebook、WhatsAppで新しいプレミアムサブスクリプションプランを今後数カ月以内にテストすることが、TechCrunchの報道で明らかになった。有料ユーザーには、より多くの機能と拡張されたAI機能へのアクセスが提供される。
サブスクリプションには、Metaが2025年12月に20億ドルで買収したシンガポール拠点のAIエージェント開発企業Manus傘下の汎用AIエージェント群も含まれる。また、AIを活用したショート動画作成機能Vibesへの完全アクセスも有料プランの一部として提供される可能性がある。
Vibesは2025年のローンチ以来無料だったが、新モデルでは基本版は無料で、追加機能は有料となる。このサブスクリプションは、2023年に展開された認証サービスMeta Verifiedとは別の製品となる。
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Meta to test premium subscription plans for Instagram, Facebook and WhatsApp
【編集部解説】
Metaのこの動きは、同社のビジネスモデルにおける大きな転換点を示しています。これまで広告収益に依存してきた同社が、サブスクリプションという新たな収益源の確立に本格的に乗り出したことを意味します。
特に注目すべきは、20億ドルという巨額で買収したManusのAIエージェント技術を、サブスクリプションの中核に据えている点です。Manusはシンガポールをベースにしながらも中国で設立された企業であり、この買収は米中間の技術競争が激化する中で行われました。Metaはこの技術を活用することで、ユーザーの生産性や創造性を高めるAIツールを提供し、差別化を図ろうとしています。
この戦略の背景には、Metaの膨大なAI投資があります。同社は大規模言語モデルLlamaをオープンソースとして公開してきましたが、これは直接的な収益にはつながっていません。一方、OpenAI、Google、Anthropicといった競合は有料サブスクリプションモデルで成功を収めています。Metaは今回、オープンソースのLlamaとは別に、プレミアム機能を有料化することで、AI投資からのリターンを得ようとしているのです。
AI生成動画作成ツールVibesの扱いも興味深い点です。基本機能は無料のまま提供し、高度な機能のみを有料化するフリーミアムモデルを採用することで、ユーザーベースを維持しながら収益化を図る戦略が見えます。
既存のMeta Verifiedとの差別化も重要なポイントです。Meta Verifiedは主に認証バッジやサポートといった「ステータス」を提供するサービスでしたが、新しいサブスクリプションは「実用的な機能」に焦点を当てています。これにより、異なるニーズを持つユーザー層をそれぞれターゲットにできます。
この展開は、ソーシャルメディア業界全体に影響を与える可能性があります。他のプラットフォームも、広告収益だけに頼らない多様な収益モデルを模索せざるを得なくなるでしょう。ユーザーにとっては、より高度な機能にアクセスできる一方で、無料で利用できる範囲が今後どのように変化するかが注視すべき点となります。
【用語解説】
Manus
シンガポールを拠点とし、中国で設立されたAIエージェント開発企業。Meta Platformsが2025年12月に約20億ドルで買収した。汎用AIエージェント技術を開発しており、MetaのサブスクリプションサービスにおけるAI機能の中核を担う予定である。
Llama
Metaが開発するオープンソースの大規模言語モデルシリーズ。誰でも無料でアクセス・利用できるため、OpenAIやGoogleの有料モデルとは異なるアプローチを取っている。
Vibes
Metaが2025年にローンチしたAIを活用したショート動画作成・編集ツール。ユーザーがAI生成動画を作成したり、既存動画をリミックスしたりできる機能を提供する。
フリーミアムモデル
基本機能を無料で提供し、高度な機能やサービスを有料化するビジネスモデル。ユーザーベースを拡大しながら、一部のユーザーから収益を得る戦略。
【参考リンク】
Meta Platforms(外部)
Instagram、Facebook、WhatsAppを運営する企業の公式サイト。企業情報や製品情報を確認できる。
Meta Verified(外部)
2023年に開始されたMetaの認証サービス。認証バッジや24時間サポートを提供する既存の有料サービス。
Llama – Meta AI(外部)
Metaが開発・公開しているオープンソースの大規模言語モデル。技術仕様や活用事例の情報を提供。
【参考記事】
Meta just bought Manus, an AI startup everyone has been talking about(外部)
TechCrunchによるManus買収の詳細レポート。20億ドルという買収額の背景を分析している。
Meta acquires intelligent agent firm Manus, capping year of aggressive AI moves(外部)
CNBCによるManus買収に関する包括的な報道。企業の収益状況や今後の展開について詳述。
Meta launches ‘Vibes,’ a short-form video feed of AI slop(外部)
TechCrunchによるVibesローンチ時の報道。AI動画作成機能の詳細とユーザー反応を紹介。
Introducing Vibes: A New Way to Discover and Create AI Videos(外部)
Meta公式によるVibes発表記事。機能の詳細や今後の展開について説明している。
Meta to test premium subscriptions on Instagram, Facebook, and WhatsApp(外部)
Yahoo Financeによる今回のサブスクリプション計画の報道。各アプリでの具体的な機能例を紹介。
【編集部後記】
私たちがこれまで「無料」で当たり前のように使ってきたソーシャルメディアが、新しいフェーズに入ろうとしています。Metaのこの動きは、単なる課金モデルの追加ではなく、AI時代におけるプラットフォームの在り方そのものを問い直す試みかもしれません。皆さんは、より高度なAI機能のためにお金を払う価値があると感じるでしょうか。それとも、無料の範囲で十分だと考えるでしょうか。このサブスクリプション展開がどのような形で実現し、私たちのデジタルライフがどう変わっていくのか、私たちも皆さんと一緒に注目していきたいと思います。






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