フォルダブルスマートフォン市場の年平均成長率15.9%——その果実を、Appleがついに刈り取りに来る。2026年3月初め、バークレイズのAppleアナリスト、ティム・ロング氏のリサーチノートによれば、iPhone Foldの出荷開始は2026年12月の見込みだ。IDCはAppleが参入初年度にフォルダブル市場の価値ベースシェア34%を獲得すると試算しており、SamsungやGoogleが築いてきた市場の勢力図が、一気に塗り替わる可能性がある。
バークレイズのAppleアナリスト、ティム・ロング氏は2026年3月初めのリサーチノートで、フォルダブルiPhoneの出荷が2026年12月に開始される見込みだと述べた。iPhone 18 ProおよびiPhone 18 Pro Maxは例年通り2026年9月に発売される見通しであり、フォルダブルiPhoneはその数ヶ月後の出荷となる。
また、iPhone 18ベースモデル、廉価版のiPhone 18e、iPhone 18 PlusまたはiPhone Air 2が、2027年3月に発売される可能性があるとした。iPhone 18 Plusについては、これまで他のアナリストや情報筋から噂が出たことはない。AppleはこれまでiPhone 14 Plus、iPhone 15 Plus、iPhone 16 Plusを発売してきたが、2025年はiPhone 17 Plusの代わりにiPhone Airを発売した。
From:
Analyst: Foldable iPhone Likely to Ship in December, iPhone 18 Plus is Possible Next Year
【編集部解説】
今回の情報源は、投資銀行バークレイズのアナリスト、ティム・ロング氏が今月初めに執筆したリサーチノートです。ただし、MacRumors自身も「これらの情報を耳にしたのは今回が初めて」と明記しており、情報の信憑性はまだ限定的であることを念頭に置いておく必要があります。
iPhone Foldの発売時期については、アナリスト間で見解が割れています。ロング氏は「12月出荷開始」と述べていますが、Bloomberg記者のマーク・ガーマン氏をはじめとする多くの情報筋は「2026年秋、iPhone 18 Proシリーズと同時期」という見方を示しています。郭明錤(ミンチー・クオ)氏も2026年後半のデビューを予測しており、9月に発表して出荷は後ずれするというシナリオも成立し得ます。
ただし12月という具体的な時期はロング氏のサプライチェーン情報に基づく独自の見立てであり、他の情報源による裏付けは現時点でありません。
価格については複数のメディアが$2,000〜$2,400と報じており、Samsung Galaxy Z Fold 7($1,999)と同水準か若干上回る帯域です。ただしUBSは製造コスト分析から$1,800〜$2,000での投入もあり得るとしており、幅をもって見ておく必要があります。
初期出荷台数について、郭氏は2025年9月時点で800万〜1,000万台と見込んでいます。IDCが2026年のフォルダブル市場全体を約2,700万台と予測していることを踏まえると、Appleが初年度から市場の約30〜37%を狙う計算になり、市場インパクトは決して小さくありません。
iPhone 18ベースモデルの「2027年3月発売」という分割ローンチ戦略は、単なる発売遅延として片付けられるものではありません。Nikkei Asiaの報道によると、背景には世界的なメモリチップ不足とサプライチェーンの制約があり、TSMCの先端ノードをAI企業と奪い合う構造的な問題も影響しています。Appleが高利益率の上位モデルを優先するという戦略的判断も重なっており、複合的な要因が絡み合っています。
iPhone 18 Plusについては、現時点では慎重に見る必要があります。AppleはiPhone 17シリーズでPlusモデルを廃止してiPhone Airを投入しており、2026年3月にはiPhone 17eもすでに発売されています。廉価ラインと薄型ラインという方向性がある程度固まりつつある中で、Plusが復活するというシナリオは現時点では他の情報筋からの裏付けがなく、MacRumors自身もロング氏の言及がサプライチェーン由来の情報なのか思いつきなのか判然としないと指摘しています。
より大きな視点で捉えると、今回の一連の情報はAppleのiPhone戦略が転換点を迎えつつあることを示唆しています。毎年9月に全モデルを一斉発売するというサイクルが崩れ、製品ラインの多層化が進むことは、Androidメーカーがすでに歩んできた道です。フォルダブル市場はSamsungが開拓し、Huaweiが急追してきたカテゴリーであり、AppleはここにiPhone固有のエコシステムと垂直統合の強みを持ち込もうとしています。フォルダブルという新しいフォームファクターの投入が、停滞感の漂うスマートフォン市場に再び活気をもたらすきっかけになるかどうか。2026年後半から2027年にかけてのAppleの動向は、業界全体の方向性を占う重要な試金石となりそうです。
【用語解説】
リサーチノート(Research Note)
証券会社や投資銀行のアナリストが、特定の企業や業界の動向を分析し、投資家向けに発行する調査レポートのこと。市場予測やサプライチェーン情報をもとに作成されるため、製品の発売時期・販売台数・価格などの見通しが記されることが多い。公式発表ではなく、あくまで分析・予測であることに注意が必要だ。
サプライチェーン(Supply Chain)
原材料の調達から製造・物流・販売に至る一連の流れのこと。Apple製品の場合、部品メーカー・受託製造業者(FoxconnやPegatronなど)・物流会社など多数の企業が連携している。アナリストがサプライチェーン情報をもとに予測を立てるのは、製品の量産開始時期や仕様変更が部品発注の段階で判明することが多いためだ。
分割ローンチ(Split Launch)
通常は同時期に発売される製品群を、意図的に複数の時期に分けて発売する戦略のこと。今回の文脈では、iPhone 18 ProシリーズとiPhone Foldを2026年秋に、iPhone 18ベースモデル・iPhone 18e・iPhone 18 Plus(またはAir 2)を2027年春に発売するという構成を指す。
フォームファクター(Form Factor)
機器の物理的な形状・大きさ・デザイン上の構造を指す用語。スマートフォンにおけるフォームファクターの例として、スラブ型(一般的な板状)・折りたたみ型(フォルダブル)・クラムシェル型(縦折り)などがある。
CAGR(年平均成長率 / Compound Annual Growth Rate)
複数年にわたる成長率を、1年あたりの平均値として表した指標のこと。例えば「2024〜2030年のCAGR 13.5%」は、この期間を通じて毎年平均13.5%ずつ成長することを意味する。市場規模の予測によく用いられる。
【参考リンク】
MacRumors(外部)
Apple製品専門の米国老舗テックメディア。リーク・アナリスト予測・公式発表を幅広くカバーし、Apple関連の一次情報源として世界中で参照されている。
Barclays(バークレイズ)(外部)
英国ロンドン本拠の国際金融グループ。投資銀行部門がテクノロジーセクターのリサーチノートを発行。ティム・ロング氏がApple担当アナリストとして知られる。
Apple(アップル)(外部)
iPhoneをはじめハードウェア・ソフトウェア・サービスを展開する米国テクノロジー企業。製品ラインアップの詳細や公式スペックを確認できる。
Mashable(マッシャブル)(外部)
米国のデジタルメディア。iPhone Foldの価格予測・スペック・リーク情報を継続的に取り上げ、今回の解説でも複数の参考記事を提供している。
Engadget(エンガジェット)(外部)
テックメディアの老舗。iPhone Foldのルーマーまとめ記事など、信頼性の高い情報を継続的に発信している。
TrendForce(トレンドフォース)(外部)
台湾拠点の市場調査会社。半導体・スマートフォン市場データを専門に分析し、フォルダブル出荷台数予測などで頻繁に引用される。
【参考記事】
iPhone Fold: What we know about specs, price, release date(Mashable)(外部)
iPhone Foldの価格を約$2,399と予測。IDCはAppleが2026年にフォルダブル市場のユニットシェア22%超、市場価値の34%を獲得すると見込む。
iPhone Fold rumors: Everything we know right now(Engadget)(外部)
発売は2026年秋が有力。ガーマン氏は「少なくとも$2,000」と予測。他アナリストは$2,100〜$2,300の範囲を示している。
The iPhone Fold could be cheaper than we expected(Mashable)(外部)
UBSアナリストは$1,800〜$2,000と予測。郭氏の初期生産台数は300万〜500万台で、Fortune報道の1,000万〜1,500万台と大きく乖離している。
Global Foldable Phone Shipments to Reach 17.7 Million in 2024(TrendForce)(外部)
2023年のフォルダブル世界出荷は1,590万台(前年比+25%)、2024年は1,770万台(+11%)と予測。成長率は鈍化傾向にある。
Worldwide Smartphone Market Forecast to Grow(IDC)(外部)
フォルダブルスマートフォンは2028年まで二桁成長を維持する見込み。5年間のCAGRは15.9%と予測されている。
No iPhone 18 this year as Apple is struggling with global memory shortage(India Today)(外部)
Nikkei Asia引用。iPhone 18遅延の背景に世界的なメモリチップ不足とサプライチェーン制約があると指摘している。
Apple may delay the base iPhone 18 until 2027(PhoneArena)(外部)
iPhone 18ベースモデルの2027年遅延を複数情報源が示唆。iPhone 17eの発売からAppleの製品戦略再編が進むと分析している。
【編集部後記】
「スマートフォンはもう進化しない」と感じていた方も多いのではないでしょうか。フォルダブルiPhoneの登場は、その認識を大きく揺さぶるかもしれません。$2,000を超えるとも言われる価格帯に、あなたはどう感じますか?毎年9月という”Apple時間”が崩れていく先に、どんな未来が待っていると思いますか?
筆者自身は現在iPhone 16eを使用しています。正直なところ、$2,000超という価格はすぐに手が届くものではありませんが、ある程度経済的な余裕ができたタイミングで、ぜひ購入を検討したいと思っています。折りたたむことで広がる画面、新しい操作体験——実際に手にしたとき、スマートフォンへの見方がどう変わるのか、いちユーザーとして純粋に楽しみにしています。皆さんはいかがでしょうか?







































