ElevenLabsがウェブコンテンツ自動ナレーション機能「Audio Native」発表！

2024年5月18日8:45

ElevenLabsが、ウェブサイトのコンテンツを自動でナレーションする「Audio Native」という新機能を発表しました。この機能は、同社のテキストから音声への変換技術を利用しており、ウェブページに埋め込むことができるオーディオプレーヤーを通じて実現します。Audio Nativeは、月額11ドルの「クリエイター」プランで提供され、聴取者の関与を追跡するためのダッシュボードも備えています。

また、ElevenLabsは「ElevenLabs Reader」という機能も同時にリリースしました。これにより、ウェブページやドキュメントのテキストを11種類の異なる声で音声化することが可能になります。同社のモデルは29言語に対応しており、長編映画のダビングや歌詞の生成も行えます。

ElevenLabsは2022年に設立され、現在の評価額は11億ドルです。創業者は、元GoogleエンジニアのPiotr Dabkowskiと元Palantir Technologiesの展開戦略家Mati Staniszewskiです。最近の資金調達ラウンドでは、8000万ドルを調達しました。

この会社は、AIによる音声クローニング市場で競争が激化する中、革新を続けています。グローバルなAI音声クローニング市場の規模は、2023年から2032年にかけて年平均成長率（CAGR）で約28%増加し、162億ドルに達すると予測されています。

ElevenLabsは、HarperCollins Publishersと提携してAI生成のオーディオブックを制作したり、ユーザーがクローン化した声を販売できるマーケットプレイスを立ち上げたりしています。しかし、音楽生成機能に関しては、著作権素材の使用について検討されているなど、一部で懸念も生じています。

【ニュース解説】

この技術の導入により、視覚障害を持つ人々や読解力に課題を持つ人々、さらには時間がなくて読むことができない人々にとって、ウェブコンテンツがよりアクセスしやすくなります。また、多言語対応により、世界中のさまざまな言語を話すユーザーに対してもコンテンツを提供できるようになります。これは、ウェブサイトのグローバルなリーチを拡大し、多様な聴衆にアプローチする大きなチャンスを提供します。

一方で、この技術の進化は、著作権やプライバシーの問題を含む新たな課題を引き起こす可能性があります。特に、音声のクローニングや合成に関しては、人々の声を無断で使用することなく、どのように倫理的に扱うかが重要な議論となります。また、AIによる音声生成技術の進歩は、偽情報の拡散や詐欺に悪用されるリスクも高めるため、技術の使用にあたっては慎重な規制とガイドラインの策定が求められます。

長期的には、ElevenLabsのような技術がさらに発展し、より自然で人間らしい音声の生成が可能になることで、オーディオコンテンツの生産性とクリエイティビティが飛躍的に向上することが期待されます。しかし、その一方で、技術の進化に伴う倫理的、法的な課題に対処するための枠組みを整備することが、この分野の持続可能な発展には不可欠です。

from TL,DR? ElevenLabs now lets you add voiceover narration to your website.