Last Updated on 2024-06-28 05:49 by admin
タイム誌は、創業101年前のアイコニックな赤枠の元週刊誌であり、印刷大手のヘンリー・ルースによって創設された。このメディアブランドは、OpenAIおよびElevenLabsとのパートナーシップを発表し、生成AI時代への積極的な参入を示している。
タイムは、ChatGPTおよびGPT-4o、DALL-E 3、Whisper、Codexなどを開発したOpenAIと提携し、タイムの現在およびアーカイブコンテンツへのアクセスをOpenAIに提供する。これにより、OpenAIはそのモデルのトレーニングにこれらのコンテンツを使用できるようになる。一方、タイムはChatGPTによるコンテンツの要約や再生産、およびタイムの記事やウェブサイトへのリンクを通じて、配信と露出を受けることになる。また、タイムはOpenAIの新しいツールやモデルにアクセスでき、ジャーナリズムやビジネス活動に利用できるようになる。
別途、タイムはAIツールの活用を進める一環として、音声クローニングとオーディオAIスタートアップのElevenLabsとも提携している。タイムは、ElevenLabsの「Audio Native」プレイヤーをウェブサイトに組み込み、AI生成音声で書かれた記事を自動ナレーションする機能を実装した。この機能は、選択された記事で公式に利用が開始され、ジョー・バイデン大統領のリーダーシップスタイルに関する記事などが含まれる。
これらのパートナーシップにより、タイムはAI技術への強い信頼を示し、ElevenLabsおよびOpenAIを通じてより多くの読者や大きな視聴者に到達する可能性を探っている。タイムが以前にNFTやメタバースを短期間採用したが、それらがタイムの収益やビジネスの健全性に大きく貢献していないことから、AI努力が類似の運命をたどるかは不明である。しかし、ElevenLabsのオーディオナレーションなど、即時の実用性を提供するAIパートナーシップは、タイムにとってより有用である可能性が高い。
【ニュース解説】
タイム誌がOpenAIおよびElevenLabsとのパートナーシップを通じて、生成AI技術の積極的な採用を発表したことは、メディア業界におけるAI技術の活用とその将来に対する大きな期待を示しています。OpenAIとの提携により、タイム誌は自社のコンテンツをChatGPTなどのAIモデルのトレーニングに利用させることで、AI技術の発展に貢献します。これは、AIがより正確で豊富な情報を提供できるようになるための重要なステップです。また、タイム誌のコンテンツがChatGPTを通じて要約や再生産されることで、新たな読者層への露出が期待されます。
ElevenLabsとの提携では、AIによる音声ナレーション技術を活用し、ウェブサイト上での記事のオーディオ化を実現しています。これにより、視覚障害がある人々や、読む時間がなくても情報を得たいと考える人々にとって、よりアクセスしやすいコンテンツを提供することができます。このような技術の活用は、情報の普及とアクセシビリティの向上に寄与すると同時に、新しいメディア体験の創出にも繋がります。
これらのパートナーシップは、AI技術がメディア業界に与える影響の範囲を示しています。AIによるコンテンツ生成や要約、オーディオ化は、情報の配信方法を変革し、より多様な形でのコンテンツ消費を可能にします。しかし、これらの技術の進化には、著作権やプライバシーの問題、AIによる情報の正確性や偏りの問題など、様々な課題も伴います。特に、AIが生成するコンテンツの品質や信頼性をどのように保証するかは、今後の大きな課題となるでしょう。
長期的には、AI技術の発展とメディア業界との融合は、情報の収集、分析、配信の方法を根本的に変える可能性を秘めています。これにより、よりパーソナライズされたニュース体験や、新しい形のジャーナリズムが生まれるかもしれません。しかし、その過程で、ジャーナリストの役割やメディアの信頼性に関する新たな議論が生じることも予想されます。AI技術の進化とともに、これらの技術を倫理的に、かつ責任を持って利用するためのガイドラインや規制の整備が求められるでしょう。
from Time Magazine partners with OpenAI and ElevenLabs.
