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ElevenLabsが「The Eleven Album」発表 – グラミー賞受賞者ら参加、権利保護型AI音楽の新モデル

ElevenLabsが「The Eleven Album」発表 - グラミー賞受賞者ら参加、権利保護型AI音楽の新モデル

2026年1月21日、ElevenLabsが発表した「The Eleven Album」が音楽業界に衝撃を与えています。ライザ・ミネリ、アート・ガーファンクルら総計10億回以上のストリーミング再生数を誇る伝説的アーティストたちがAIと共創したこのアルバムは、アーティストが全著作権を保持し、AIを創造性の拡張ツールとして活用する新しいパラダイムを提示します。


ElevenLabsは「The Eleven Album」をリリースした。これは、完全にオリジナルでスタジオ品質の楽曲を生成するモデルEleven Musicによって実現された音楽リリースである。アルバムは世界クラスのアーティストとのコラボレーションにより制作され、ラップ、ポップ、R&B、EDM、映画音楽、グローバルサウンドにまたがる。グラミー賞受賞レジェンド、チャートトップのプロデューサー、次世代クリエイターが参加している。

参加アーティストの数名は、ElevenLabs Iconic Marketplaceにも参加しており、これは象徴的な才能が自身の声、スタイル、音楽的アイデンティティをメディア、エンターテインメント、ゲーム、ブランドパートナーシップにわたる承認されたコラボレーションのためにライセンス供与できるプラットフォームである。

ElevenLabsはKobalt MusicおよびMerlinとパートナーシップを結んでおり、アーティストとソングライターがAI音楽モデルと収益源の形成に参加できるようにしている。Eleven Musicはライセンス取得済みデータでトレーニングされ、幅広い商用利用が認可されたデベロッパー向けの初のAPIである。

From: 文献リンクThe Eleven Album のご紹介:画期的な音楽リリース

【編集部解説】

ElevenLabsが2026年1月21日にリリースした「The Eleven Album」は、AI音楽生成の歴史において重要な分岐点を示しています。このプロジェクトには、EGOT(エミー賞、グラミー賞、オスカー、トニー賞)受賞者のライザ・ミネリ、8回のグラミー賞受賞者アート・ガーファンクルなど、合計10億回以上のストリーミング再生数を誇るアーティストたちが参加しました。

このアルバムが画期的なのは、単なる技術デモンストレーションではなく、アーティストの権利保護を最優先に設計されている点です。参加アーティストは制作した楽曲の完全な著作権と商業的権利を保持し、全てのストリーミング収益を受け取ります。これは、著作権者の許諾なしにAIモデルを訓練し、大手レーベルから訴訟を受けているSunoやUdioといった競合他社とは一線を画すアプローチです。

ElevenLabsは2025年8月、世界最大のインディーズ音楽出版社Kobaltと、独立系レーベルや配信会社を代表するMerlinとパートナーシップを締結しました。このオプトイン方式の契約により、アーティストやソングライターは自らの意思でAIモデルのトレーニングに参加でき、その対価としてロイヤリティを受け取る仕組みが構築されています。

技術面では、Eleven Musicは44.1kHzのスタジオ品質のオーディオを生成し、複雑で多層的なプロンプトにおいても歌詞、キー、BPMを正確に追従する能力を持っています。これにより、アーティストは作曲のアイデア出し、新ジャンルへの実験、制作プロセスの加速など、多様な用途でAIを活用できます。

2026年現在、純粋にAIが生成した音楽は米国著作権局の見解では著作権保護の対象外とされていますが、人間の実質的な創造性が加わった作品は保護される可能性があります。The Eleven Albumの各トラックは、アーティストの音楽的直感とスタイルがAIの能力と融合した完全オリジナルの作品であり、この法的グレーゾーンを慎重に対処している事例といえるでしょう。

さらに、参加アーティストの一部はElevenLabs Iconic Marketplaceにも登録しています。このプラットフォームは2025年11月にローンチされ、マヤ・アンジェロウ、アラン・チューリング、マイケル・ケインなど25以上の象徴的な声をライセンス供与しており、メディア、エンターテインメント、ゲーム業界向けに承認されたコラボレーションの場を提供しています。

このプロジェクトが示すのは、AIと人間の共創における新しいパラダイムです。テクノロジーが表現を代替するのではなく、アーティストの創造的可能性を拡張するツールとして機能する未来の姿を提示しています。

【用語解説】

Eleven Music
ElevenLabsが開発したAI音楽生成モデル。シンプルなテキストプロンプトから完全な楽曲を生成できる。ライセンス取得済みデータでトレーニングされており、44.1kHzのスタジオ品質のオーディオを出力する能力を持つ。

EGOT
エミー賞(Emmy)、グラミー賞(Grammy)、アカデミー賞(Oscar)、トニー賞(Tony)の4大エンターテインメント賞すべてを受賞した人物を指す称号。ライザ・ミネリはこの4冠を達成した数少ないアーティストの一人である。

オプトイン方式
ユーザーや権利者が自らの意思で参加を選択する方式。ElevenLabsはアーティストが自発的にAIモデルのトレーニングへの参加を選べる仕組みを採用しており、参加者にはロイヤリティが支払われる。

API(Application Programming Interface)
異なるソフトウェアやサービス間でデータをやり取りするための仕組み。Eleven MusicのAPIを利用することで、開発者は自身のアプリケーションにAI音楽生成機能を組み込むことができる。

44.1kHz
音楽業界の標準サンプリングレート。CDと同等の音質を表し、プロフェッショナルなスタジオ制作で使用される品質基準である。

【参考リンク】

ElevenLabs公式サイト(外部)
AI音声合成とAI音楽生成を提供する企業。テキスト読み上げ、音声クローニング、音楽生成など音声関連のAIツールを開発。

Eleven Music製品ページ(外部)
AI音楽生成ツールの公式ページ。テキストプロンプトから楽曲を生成でき、スタジオ品質のオーディオ出力に対応。

Kobalt Music(外部)
世界最大級の独立系音楽出版社。ソングライターとアーティストに透明性の高い権利管理サービスを提供している。

Merlin(外部)
世界中の独立系レーベルと配給会社を代表する非営利団体。メンバー企業の音楽カタログをライセンス供与する。

【参考動画】

ElevenLabs公式チャンネルによるIconic Marketplaceの紹介動画。著名人の声をライセンス供与できるプラットフォームの仕組みを解説。

【参考記事】

ElevenLabs’ Eleven Album Features AI Songs From Liza Minnelli, Art Garfunkel(外部)
Varietyによる報道。ライザ・ミネリ、アート・ガーファンクルなど著名アーティストの参加と権利保持について強調。

ElevenLabs Just Dropped An AI Music Album Featuring Grammy Legends(外部)
Forbes誌による分析記事。グラミー賞受賞アーティストの参加とAI音楽生成における権利保護の重要性を報じる。

ElevenLabs made an AI album to plug its music generator(外部)
The Vergeによる報道。アーティストが全ストリーミング収益を受け取る仕組みとSuno、Udioとの違いを解説。

ElevenLabs Inks Deal with Industry Heavyweights to Launch AI Music(外部)
Morningstarによるプレスリリース報道。10億回以上のストリーミング再生数を持つアーティストの参加詳細を伝える。

Music and AI: 2025’s developments that will shape 2026’s disputes(外部)
Complete Music Updateによる分析記事。2025年のAI音楽動向とSuno、Udioへの訴訟など2026年の法的争点を詳述。

ElevenLabs’ New AI Music Model Has Merlin, Kobalt Licenses(外部)
Billboardによる報道。KobaltとMerlinとのライセンス契約の詳細とオプトイン方式による権利者保護の仕組みを解説。

AI Music Copyright 2026: Complete Legal Guide for Creators(外部)
AI音楽の著作権に関する包括的ガイド。2026年時点の法的状況と米国著作権局の見解について説明している。

【編集部後記】

AIが音楽を生成する時代に、「誰が創造の主体なのか」という問いは、私たち全員に突きつけられています。The Eleven Albumが示す「アーティストが権利を保持し、AIは拡張ツールである」というモデルは、ひとつの答えかもしれません。

皆さんは、AIと人間の共創において、どこまでが「人間の創造性」だと感じますか?プロンプトを書く行為、AIが生成した素材を選び編集する行為、それらすべてが創作なのでしょうか。この問いに正解はありませんが、一緒に考え続けることで、私たちが望む未来の形が見えてくるはずです。

投稿者アバター
TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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