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Apple、SiriをChatGPT型チャットボットに刷新。コードネーム「Campos」、Google Gemini活用でiOS 27に搭載へ

[更新]2026年1月22日

Bloombergのマーク・ガーマン氏によると、AppleはSiriを大規模に刷新し、iPhoneとMacに組み込まれたAIチャットボットに変える計画だ。

このアップデートは2026年後半に登場予定で、既存のSiriインターフェースを置き換える。ユーザーはタイピングと会話の両方で対話できるようになり、Google、OpenAI、Anthropicなどのチャットボットと同様の機能を持つ。

今後数カ月以内に追加されるAIパーソナライゼーション機能とは別の取り組みで、両社が2026年初めに発表した複数年のパートナーシップに基づき、カスタマイズされたGoogle Gemini AIモデルを使用する。

コードネーム「Campos」と呼ばれるこのアップデートは6月のWorldwide Developers Conferenceで発表され、9月にローンチ予定だ。

iOS 27、iPadOS、macOS 27の主要な新機能となる。

From: 文献リンクApple is turning Siri into an AI bot that’s more like ChatGPT

【編集部解説】

Appleが長年批判されてきたSiriの抜本的な刷新に動き出しました。2026年9月にリリース予定のiOS 27で、SiriはChatGPTやGeminiのような対話型AIチャットボットへと生まれ変わります。コードネーム「Campos」と呼ばれるこのプロジェクトは、同社がAI競争で巻き返しを図る重要な一手となります。

注目すべきは、この刷新が2段階で進むという点です。まず2026年春にリリースされるiOS 26.4で、現在のSiriインターフェースを維持したままAI機能が強化されます。この第1段階では、1.2兆パラメータのGoogle Geminiベースのモデル(内部名称:Apple Foundation Models version 10)が使用され、画面上のコンテンツ分析や個人データへのアクセス、ウェブ検索機能の向上などが実現します。

そして第2段階となるiOS 27では、インターフェース自体が完全に刷新されます。音声とテキストの両方で対話できるチャットボット形式となり、Google Gemini 3相当のより高度なモデル(Apple Foundation Models version 11)が採用される予定です。Bloombergの報道によると、この新しいSiriはPhotos、Mail、Messages、Music、TVなどすべてのApple純正アプリと統合され、アプリ内のコンテンツにアクセスして分析できるようになります。

技術的な背景として、AppleはこのAI機能の実現のためにGoogleと複数年契約を締結し、年間約10億ドルを支払うと報じられています。一部のアナリストは契約総額が最大50億ドルに達する可能性を指摘しています。興味深いのは、OpenAIが昨秋、Appleのカスタムモデルプロバイダーになることを意図的に辞退したという報道です。OpenAIは元Appleデザイン責任者のJony Iveと共に独自のAIデバイス開発に注力する道を選びました。

Appleがここまで外部パートナーに依存するのは異例です。同社は伝統的に垂直統合を重視し、自社でハードウェアとソフトウェアの両方を開発してきました。しかし、生成AI分野では競合に大きく遅れを取っており、実用的なAIアシスタントを迅速に提供するには外部の力を借りるしかなかったと言えます。

プライバシー面では、AppleはGeminiモデルを自社のPrivate Cloud Computeサーバー上で動作させることで、ユーザーデータの保護を図ります。ただし、iOS 27版のCamposについては、GoogleのTPU(Tensor Processing Unit)サーバー上で直接ホスティングする可能性も議論されているとのことです。これはAppleにとって大きな方針転換となり得ます。

また、ChatGPTやGeminiのような既存のチャットボットが過去の会話を広範囲に記憶できるのに対し、Appleはプライバシーを重視してSiriの記憶機能を大幅に制限する可能性があります。この判断は、利便性とプライバシーのバランスをどう取るかという難しい問題を浮き彫りにしています。

この動きは、AI業界における「モデル戦争」から「流通戦争」への転換を象徴しています。Googleは、iPhoneのデフォルトAIエンジンとなることで、ユーザー獲得の課題を一気に解決し、約15億人のiPhoneユーザーへのアクセスを獲得しました。一方、OpenAIは巨大な流通チャネルを失うことになり、同社の成長戦略に影響を与える可能性があります。

2026年は、Appleにとって「成功か失敗かを決める年」だとアナリストたちは指摘しています。同社は莫大な研究開発費を投じることなく、Googleの技術力を活用しながら、独自のプライバシー基準とハードウェア統合で差別化を図る戦略です。この賭けが成功するかどうかは、6月のWWDCでの発表と9月のローンチ後の市場の反応次第です。

【用語解説】

Siri(シリ)
Appleが開発した音声アシスタント。2011年にiPhone 4Sで初めて導入され、音声コマンドでデバイスを操作できる機能を提供してきた。しかし近年は他社のAIアシスタントと比較して機能が限定的だと批判されてきた。

生成AI(Generative AI)
テキスト、画像、音声などのコンテンツを自動生成できる人工知能技術。ChatGPTやGeminiなどの対話型AIはこの技術を基盤としている。大量のデータから学習し、人間のような自然な応答を生成する。

パラメータ(Parameter)
AIモデルの複雑さや能力を示す指標。パラメータ数が多いほど、より高度な処理や複雑なタスクに対応できる傾向がある。1.2兆パラメータは現在の大規模言語モデルとして標準的な規模である。

Private Cloud Compute
Appleが開発したクラウドベースの処理システム。ユーザーのプライバシーを保護しながら、デバイス単体では処理できない高度なAI機能をクラウド上で実行する。エンドツーエンド暗号化により、Apple自身もユーザーデータにアクセスできない設計となっている。

TPU(Tensor Processing Unit)
Googleが開発したAI処理専用のチップ。従来のCPUやGPUと比較して、機械学習タスクを高速かつ効率的に処理できる。大規模なAIモデルの実行に最適化されている。

WWDC(Worldwide Developers Conference)
Appleが毎年6月に開催する開発者向けカンファレンス。新しいOSや開発ツール、技術の発表が行われる。一般的にiOSやmacOSの次期バージョンがここで初めて公開される。

Apple Intelligence
Appleが2024年に発表したAI機能のブランド名。同社のデバイスやサービスに統合される各種AI機能の総称として使用されている。

【参考リンク】

Siri – Apple(公式サイト)(外部)
Appleの音声アシスタントSiriの公式ページ。現在の機能や使い方を紹介している

Google Gemini(外部)
GoogleのAIモデルGeminiの公式ページ。技術の詳細や能力について解説されている

Apple Newsroom(外部)
Appleの公式ニュースルーム。製品発表や企業の最新情報が掲載される

AppleとGoogleの共同声明(外部)
2026年1月に発表されたAppleとGoogleのAI分野における提携に関する公式声明

Mark Gurman – Bloomberg(外部)
Apple関連の情報に精通したBloombergのレポーター。今回の報道の情報源

【参考記事】

A Siri Chatbot is Coming in iOS 27 – MacRumors(外部)
iOS 27で提供されるSiriチャットボット「Campos」の詳細を報じる記事

Apple to Revamp Siri as a Built-In iPhone, Mac Chatbot to Fend Off OpenAI(外部)
1.2兆パラメータと上位モデルの技術仕様、年間約10億ドルの契約金額について詳述

Apple picks Google’s Gemini to run AI-powered Siri coming this year(外部)
AppleとGoogleのパートナーシップ発表時の記事。年間10億ドルの支払いを分析

Apple’s Google Gemini Deal Could Be Worth $5 Billion(外部)
アナリストによる契約総額50億ドルの試算とAppleのAIインフラ投資戦略を報告

Google wins in AI deal that highlights Apple’s own AI struggles(外部)
今回の提携がGoogle、Apple、OpenAIの3社に与える影響を分析した記事

Say Goodbye To ChatGPT – New Siri Chatbot Will Soon Take Over Your iPhone(外部)
Camposが画面上のコンテンツを認識してタスクを実行する機能について報告

Apple will pay billions for Gemini after OpenAI declined(外部)
OpenAIが意図的にAppleとの提携を辞退し独自のハードウェア開発に注力する決断を報告

【編集部後記】

Appleがついに重い腰を上げてSiriの抜本的な刷新に乗り出しました。これまで何度もアップデートが約束されながら、他社のAIアシスタントに大きく水をあけられていたSiriが、2026年9月にようやくChatGPTやGeminiのような対話型AIへと進化します。ただ、Appleらしくないのは、その中核技術を競合であるGoogleに依存するという選択です。年間10億ドルを支払ってでも外部の力を借りざるを得なかったことは、同社がAI分野でいかに遅れていたかを物語っています。一方で、プライバシーを守りながら高度なAI機能を実現するという、Appleならではの挑戦も見逃せません。6月のWWDCでどのような形で発表されるのか、そして実際に使えるようになったとき、私たちの生活がどう変わるのか。みなさんは新しいSiriに何を期待しますか?

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Satsuki
テクノロジーと民主主義、自由、人権の交差点で記事を執筆しています。 データドリブンな分析が信条。具体的な数字と事実で、技術の影響を可視化します。 しかし、データだけでは語りません。技術開発者の倫理的ジレンマ、被害者の痛み、政策決定者の責任——それぞれの立場への想像力を持ちながら、常に「人間の尊厳」を軸に据えて執筆しています。 日々勉強中です。謙虚に学び続けながら、皆さんと一緒に、テクノロジーと人間の共進化の道を探っていきたいと思います。

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