折りたたみiPhoneが注目される一方、Android側ではSamsungやGoogleがすでにフォルダブル端末を磨いてきました。Appleは後発で何を示す必要があるのか。競合との価格差や耐久性、市場予測から、参入時点の立ち位置を整理します。
2026年8月26日、TNWはIDCの予測として、Apple初の折りたたみiPhoneが2,500ドルで投入され、初年度に1,000万台超を出荷するとの見通しを報じた。IDCは2027年にAppleが世界の折りたたみ端末出荷の約40%を占めると予測している。
競合ではGalaxy Z Fold8 Ultraが米国2,099.99ドルから、Pixel 10 Pro Foldが1,799ドルから販売されており、2,500ドルが現実になればAppleは既存Androidフォルダブルより高い価格帯から参入することになる。Appleは価格や仕様を正式発表していない。
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IDC expects Apple to ship 10 million foldable iPhones in year one at $2,500
【編集部解説】
Appleの折りたたみiPhoneを考えるうえで、まず押さえておきたいのは、同社がこの市場の先駆者ではないことです。SamsungはGalaxy Z Foldシリーズを長年にわたって展開し、2026年8月にはGalaxy Z Fold8とGalaxy Z Fold8 Ultraを発売しました。GoogleもPixel 10 Pro Foldを販売しています。
つまり、Appleが参入する時点では「スマートフォンを開けば大画面になる」という体験そのものは新しくありません。Android側では、薄さや重量、ヒンジ、柔軟ディスプレイの耐久性、大画面でのマルチタスクなど、折りたたみ端末特有の課題を何世代もかけて改善してきました。
後発のAppleに問われるのは、折りたたみiPhoneを作れるかどうかではなく、先行するAndroidフォルダブルに対して何を上乗せできるかです。
TNWが伝えたIDCの予測では、Apple初の折りたたみiPhoneは2,500ドルになるとされています。これはAppleが発表した価格ではありませんが、実現すれば現在のAndroidフォルダブルの上位モデルをさらに上回ります。
米国では、Samsung Galaxy Z Fold8が1,899.99ドルから、Galaxy Z Fold8 Ultraが2,099.99ドルから、Google Pixel 10 Pro Foldが1,799ドルから販売されています。2,500ドルという予測は、Galaxy Z Fold8 Ultraより約400ドル、Pixel 10 Pro Foldより約700ドル高い水準です。
日本ではGalaxy Z Fold8が269,880円、Galaxy Z Fold8 Ultraが296,780円、Pixel 10 Pro Foldが267,500円から販売されています。折りたたみiPhoneの日本価格は発表されていないため単純比較はできませんが、既存の折りたたみ端末もすでに25万円を大きく超えるプレミアム市場を形成しています。
競合製品を見ると、Appleが最初の1台で追いつかなければならない基準も見えてきます。Galaxy Z Fold8 Ultraは、展開時4.1mm、重量215gの筐体に8インチのメインディスプレイと5,000mAhのバッテリーを搭載しています。Samsungはディスプレイ下にチタン層を使う「Flex Titanium」や新しいヒンジ構造も採用し、薄型化と耐久性の両立を訴求しています。
Pixel 10 Pro Foldも8インチの内側ディスプレイを備え、Googleは「毎日折りたたんでも10年以上使い続けられる」と耐久性を説明しています。これはメーカー自身による製品訴求であり、実使用で10年以上の寿命を保証するものではありませんが、折りたたみ機構の耐久性が販売上の重要な評価項目になっていることは分かります。
折りたたみスマートフォンは、もはや形状そのものだけで差別化する段階ではありません。薄さ、重量、バッテリー、大画面を生かすソフトウェア、そしてヒンジやディスプレイの耐久性まで含めた完成度で競う市場になっています。
興味深いのは、こうした後発参入にもかかわらずIDCがAppleの強い立ち上がりを予測している点です。TNWはIDCの見通しとして、2,500ドルでも初年度に1,000万台超を出荷すると報じています。
IDCが2026年8月26日に公開した最新予測では、世界の折りたたみスマートフォン出荷は2026年に前年比12.6%増の2,290万台、2027年には18%増の約2,700万台へ拡大するとされています。さらにAppleは2027年までに1,700万台超の折りたたみiPhoneを出荷し、世界市場の約40%を占めるとの予測です。
これはAppleが新しいカテゴリーをゼロから作るという予測ではありません。SamsungやGoogleなどが先に製品を育ててきた市場へ参入し、それでも短期間で大きなシェアを得るという見通しです。価格が競合より高くても既存のiPhoneユーザーを折りたたみ端末へ移行させられるのかが、販売面での大きな焦点になります。
高価格になればなるほど、もう一つ重要になるのが長期間使えるかどうかです。EUでは2025年6月からスマートフォンとスレートタブレット向けのエネルギーラベル制度が適用され、バッテリー持続時間、充電サイクル、繰り返し落下への耐久性、修理可能性、防塵・防水性能などが共通形式で示されています。
現行製品を見ると、iPhone 17 Pro Maxは修理可能性C、繰り返し落下耐久性B、バッテリー耐久性1,000サイクル以上です。一方、Galaxy Z Fold7は修理可能性C、繰り返し落下耐久性A、バッテリー耐久性2,000サイクルとされています。
もちろん、これらの数字から未発表の折りたたみiPhoneの耐久性を推測することはできません。ただ、AppleがEUで一般的なブック型折りたたみスマートフォンを販売する場合、競合と同じ制度の下で耐久性や修理可能性が示されます。2,500ドルという価格が現実になれば、こうした客観的な指標も価格差を判断する材料になります。
現時点でAppleは、折りたたみiPhoneの価格、仕様、発売日、耐久性能を正式発表していません。実際の製品が登場した際に見るべきなのは、「Appleも折りたたみ端末を出した」という事実だけではなく、Galaxy Z FoldやPixel Fold系が積み上げてきた改良に対し、最初の1台でどこまで追いつき、どこで違いを作れるのかでしょう。
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【編集部後記】
折りたたみiPhoneはずっと気になっていましたが、Galaxy Z FoldやPixel Foldを並べてみると、Appleは思っていた以上に後発です。Android側は薄さや耐久性、ソフトウェアまで何世代も詰めてきているので、初代iPhoneだからというだけでは驚きにくい気もします。そこに2,500ドルという予測まで乗ると、なおさら何が違うのかを期待してしまいます。Appleが後発ゆえに完成度を一気に上げてくるのか、それとも初代らしい弱点を残すのか。
個人的には、単に売れるかどうかより、Foldシリーズを使ってきた人が見ても「これは違う」と思えるものになるかが気になります。
もし本当にその水準なら、価格まで含めて納得させる一台を見てみたいです。
【参考リンク】
iPhone|Apple(外部)
Appleの現行iPhoneラインアップを掲載する公式ページ。2026年8月27日時点で折りたたみiPhoneは正式な製品ラインアップとして掲載されていない。
Galaxy Z Fold8 Ultra|Samsung(外部)
Samsungの上位ブック型フォルダブル。薄さ、重量、ディスプレイ、バッテリー、ヒンジやディスプレイ構造などの公式仕様を確認できる。
Google Pixel 10 Pro Fold|Google Store(外部)
Googleのブック型折りたたみスマートフォン。日本価格や8インチの内側ディスプレイ、耐久性に関するメーカー説明を掲載する公式ページ。
Smartphones and Tablets|European Commission(外部)
EUのスマートフォン・タブレット向けエネルギーラベルについて、バッテリー、落下耐久性、修理可能性など各評価項目を説明する欧州委員会公式ページ。
【参考記事】
Smartphone Shipments Set for Record 16.7% Drop in 2026, as the Memory Crisis Hits Full Force|IDC(外部)
2026年8月26日のIDC最新予測。折りたたみ市場の2026年・2027年成長率や、Appleが2027年に約40%を占めるとの予測を掲載。
Samsung Galaxy Z Fold8 Ultra, Fold8, and Flip8: Foldables, Perfected for Every Way of Living|Samsung Newsroom(外部)
Galaxy Z Fold8 UltraとFold8の米国価格、発売日、薄さ、重量、バッテリーなどを掲載するSamsung公式発表。
Commission Delegated Regulation (EU) 2023/1669|EUR-Lex(外部)
スマートフォンとスレートタブレットのエネルギーラベル制度を定めるEU法令。折りたたみディスプレイを持つスマートフォンも定義上想定されている。
Galaxy Z Fold7 Product Information Sheet|Samsung(外部)
Galaxy Z Fold7のEU向け製品情報。2,000充電サイクル、落下耐久性A、修理可能性Cなどの評価値を確認できる。
【用語解説】
フォルダブルスマートフォン
柔軟なディスプレイとヒンジを使って本体を折りたためるスマートフォン。Galaxy Z FoldやPixel Fold系のように、本のように横へ開いて大型画面として使うブック型などがある。
EUエネルギーラベル
EUで販売される対象スマートフォンやスレートタブレットに表示される共通ラベル。エネルギー効率だけでなく、バッテリー持続時間、充電サイクル、落下耐久性、修理可能性、防塵・防水性能などを確認できる。
繰り返し自由落下耐久性(Repeated Free Fall Reliability)
標準化された条件で端末を繰り返し落下させ、機能を維持できるかを評価する指標。EUエネルギーラベルで製品間を比較する材料の一つ。
バッテリー耐久サイクル
バッテリーの使用可能容量が新品時の定格容量の80%まで低下するまでに耐えられる充放電サイクル数。EUエネルギーラベルで表示される。
EPREL(European Product Registry for Energy Labelling)
EUのエネルギーラベル対象製品を登録するデータベース。ラベルのQRコードから製品ごとの詳細情報を確認できる。


















