iPhone FoldかUltraか|折りたたみ厚9.23mm・カメラコントロール搭載、40万円超で2026年内に登場?

[更新]2026年4月27日

折りたたみスマートフォン市場は、SamsungやHonor、Oppoなど複数のプレイヤーが技術を競い合う段階に入っています。そこへ満を持して参入しようとしているのが、Appleです。長年にわたり噂されてきた折りたたみiPhoneについて、本体の厚さを示す新たなリーク情報が浮上しました。その数値は、市場の先行製品に肉薄する水準。Appleは初のフォルダブルで、どんな一手を繰り出そうとしているのでしょうか。


韓国Naverで活動するリーカーyeux1122がNaverに投稿したレンダリング画像によると、iPhone Foldの折りたたみ時の本体厚は約9.23mmとされている。これはAppleのケース部品サプライヤーから得られたとされる情報で、以前の噂で伝えられていた約9.6mmより薄い。カメラバンプを含めた最大厚は約13mmになる見通しだ。カラーはシルバーとブラックの2色が用意される。

比較対象となるSamsung Galaxy Z Fold 7の折りたたみ時の厚さは8.9mm(展開時4.2mm)で、現時点ではSamsungが薄さで上回る。一方、次期モデルとして噂されるGalaxy Z Fold 8 Wideは折りたたみ時9.8mm、展開時4.3mmとされており、カメラバンプを除けばiPhone Foldの方が薄くなる計算だ。

ディスプレイ構成は外側5.5インチ、内側7.8インチのブックスタイル。カメラコントロールボタンの搭載も報告されている。価格は2,000ドル以上が示唆されており、発表は2026年9月が目標とされている。iPhone 18 Proモデルより出荷が遅れる可能性もある。

From: 文献リンクiPhone Fold leak predicts a foldable phone that could defy thinness expectations

【編集部解説】

「試作生産」は何を意味するのか

製品開発において、試作生産(Trial Production)は量産(Mass Production)の直前に位置する重要なマイルストーンです。設計が固まり、製造ラインの調整と品質検証を行う段階——いわば「本番のリハーサル」にあたります。

注目すべきは、iPhone 18 Proが2月に試作生産に入っていたのに対し、iPhone Foldは4月という約2カ月のタイムラグがある点です。この差が、9月の同時発表と12月前後の分離発売という構図を生んでいます。

Appleが「7年遅れ」で参入する理由

サムスンが初代Galaxy Foldを発売したのは2019年のことです。それから約7年、Appleは折りたたみ市場に一切参入しませんでした。この「沈黙」には、技術的な理由があります。

Appleが製品に求める水準を考えると、クリアすべき閾値が3つありました。折り目(クリース)については、Samsungが数世代かけて改善を重ねてきた問題で、初代から現行モデルまでの変遷が市場に対する事実上の教科書になっています。ソフトウェアの面では、iPadOSで培ったマルチタスクの蓄積が土台として活用できます。そして薄さ——Appleが最初の一手でこだわるとすれば、この三つ目の閾値こそが本丸でしょう。

iPhoneの薄さをめぐるリークの中で、ひときわ目を引く数値が「9.23mm」です。これはGalaxy Z Fold 7の折りたたみ時8.9mm(Samsung公式測定値)とわずか0.33mmしか違わない。

Bloombergのマーク・ガーマンは「iPhoneの歴史上、最も重要な刷新だ。iPhone 4、iPhone 6、iPhone Xはいずれも大きな節目だったが、これはまったく新しいデザインだ」と述べています。

「Samsungの孤独な市場」の終わり

Samsung電子は日本の折りたたみ市場で、2021年のGalaxy Z Fold3/Flip3以降、ほぼ単独でユーザー教育を担ってきました。おサイフケータイ対応や防水仕様の搭載など、日本市場固有の要件にも対応してきた先行投資の蓄積があります。Galaxy Z Fold 7は折りたたみ時8.9mm・展開時4.2mm(Samsung公式測定値。実測値は環境により若干異なる場合があります)という薄さで、日本国内向けの折りたたみとしては史上最薄・最軽量を実現しました。

iPhone Foldがリーク通り折りたたみ時9.23mmで登場するなら、薄さの絶対値ではGalaxy Z Fold 7にわずかに及びません。しかし、Apple参入の意味は薄さの数値勝負ではないところにあります。日本のiPhoneユーザーにとって、Galaxy Z Foldは「OSが違う製品」でしたが、iPhone Foldは「同じiOS上で形が違う製品」になる。この乗り換えコストの差は、決定的です。

価格の壁と日本市場の特殊性

日本のスマートフォン市場でAppleが占めるスマートフォン出荷台数シェアは51.3%(MM総研、2024年度通期)。圧倒的なiPhone王国に、これまで存在しなかった「折りたたむiPhone」が登場します。

台湾の調査会社Fubon Researchは価格を2,399ドルと予測しており、Appleの米国価格と日本の価格設定の対応関係を参照すると、日本での税込み価格は406,800円前後になるという試算があります(※米国で2,399ドルの13インチiPad Pro最上位モデルの日本価格を参照した推定値。為替換算ではありません)。

折りたたみスマートフォンに対する日本の消費者の認知度はすでに75.7%、購入意向(「購入したい」6.5%+「検討したい」23.8%)は30.3%に達しています(MM総研、2024年10月時点)。

一方、2024年の国内中古スマートフォン販売台数は321.4万台で6年連続の過去最高(MM総研、2025年)。中古市場の拡大は、高価格帯のiPhoneを「実質的な負担額を抑えながら所有する」という購買行動の定着を示しています。iPhone Foldのような高価格帯製品にとって、この中古市場・下取りプログラムとの組み合わせは重要な普及の鍵になります。

残された問いは「供給」と「価格戦略の確定」

複数の報道が一致して指摘しているのが、初期供給の限定性です。折りたたみディスプレイとヒンジの歩留まりが製造のボトルネックとなっており、2026年9月発表後も安定供給は2027年以降にずれ込む可能性があります。

価格設定も確定していません。2,000ドル超という方向性は複数のソースで一致していますが、具体的な数値はFubon Researchの2,399ドル予測をはじめ、アナリスト間でも幅があります。いずれにしても、2026年は日本のスマートフォン市場にとって、構造変化の起点となる年になりそうです。

【用語解説】

フォルダブルスマートフォン(折りたたみスマートフォン)
ディスプレイを折り曲げて携帯できるスマートフォン。折りたたんでコンパクトに持ち運べ、開くと大画面として使える。折り方の方向により「ブックスタイル」(横に開く)と「クラムシェル/フリップスタイル」(縦に折る)の2種類がある。

ブックスタイル
本を開くように横方向へ折りたたむフォルダブルの設計形式。開くと横長の大画面になり、タブレットに近い使用感を得られる。iPhone Foldもこの形式と報告されている。

カメラコントロールボタン
iPhone 16シリーズから搭載されたApple独自の物理ボタン。カメラアプリの起動、シャッター操作、ズームや露出の調整を指一本で行える。従来のサイドボタンとは別に配置されており、一眼カメラのシャッターボタンに近い操作感を実現している。

ヒンジ
折りたたみスマートフォンの「折り曲げ部分」の機構。何万回もの開閉に耐える耐久性と、薄型化・軽量化が開発上の最大の課題。ヒンジの精度がデバイス全体の薄さ・クリース(折り目)の目立ちにくさ・防塵防水性能に直結する。

歩留まり(製造歩留まり)
製造工程で正常品として完成した製品の割合。折りたたみスマートフォンは複雑な構造から初期の歩留まりが低く、それが供給不足や価格上昇の一因になりやすい。

【参考リンク】

Apple(日本公式)(外部)
Appleの製品・サービス情報。iPhone Fold(仮称)の正式発表はこちらで確認できる。

Samsung Galaxy Z Foldシリーズ(日本公式)(外部)
現行の折りたたみ市場をリードするSamsungの製品ラインナップ。iPhone Foldの比較対象として直接参照できる。

MacRumors:iPhone Fold まとめページ(外部)
リーク情報・アナリスト予測・スペック詳細を時系列で整理した英語圏最大級の情報集約ページ。続報の確認に有用。

MM総研:折りたたみスマートフォン市場規模の推移・予測(外部)
日本国内の折りたたみ市場規模・メーカーシェア・購入意向データを収録した調査レポート。

Apple Developer(日本語)(外部)
公式開発者向けドキュメント。iPhone Foldで想定されるiPadOS的マルチタスクの技術的背景を知りたい方向け。

【参考動画】

Samsung Galaxy Z Fold 7の薄さと性能アップを詳しくレビューした動画。iPhone Foldの比較対象として実機の感触を把握できる。

【参考記事】

Apple Preparing ‘Most Significant Overhaul’ in iPhone’s History(MacRumors、2026年4月22日)
マーク・ガーマンによる「iPhoneの歴史上最も重要な刷新」発言の原文記事。編集部解説の引用出典。

Fubon expects the first foldable iPhone to cost $2,399(Investing.com)
台湾Fubon Researchによる価格予測2,399ドルの出典。日本円試算の根拠となった記事。

iPhoneとAndroidの利用状況など定点調査(2025年9月)(MMD研究所、2025年9月)
日本のスマートフォンOS利用率・年代別シェアのデータ。国内iPhoneシェアの出典。

 【編集部後記】

9.23mm——折りたたんだときの数値です。閉じた状態で1cmを切るかどうかは、ポケットに無理なく収まるか、二台のスマートフォンを束ねたような違和感が出るか、という体感の境界線でもあります。Galaxy Z Fold 7の8.9mmにはわずかに届きませんが、その差は0.33mm。指先では区別できないほどの微差を、なぜメーカー各社はこれほど競い合うのでしょうか。

折りたたみ端末における薄さは、単なる見た目の数値ではありません。ヒンジ機構、内側ディスプレイ、バッテリー、放熱設計——すべての部品の小型化と最適化の総和としてしか到達できない値です。1mm削ることの背後には、十数年分のサプライチェーン技術の蓄積が必要になります。だから「9.23mm」というリークの一行は、Appleが折りたたみという領域で、ようやく自分たちの設計哲学を貫ける段階に達したというシグナルとして読めるのかもしれません。

薄さを優先することで犠牲になるものは、当然あります。バッテリー容量、カメラ性能、落下耐性。それでもAppleが最初の一手で薄さに振ってくるとしたら、それは「折りたたみだから多少の厚みは仕方ない」という前提そのものを書き換えにいく宣言とも受け取れます。リークが届けてくれた一行の数値の奥行きを、私たちはまだ測りきれていません。

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乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。