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Apple新型AirTag登場、Ultra Widebandチップで範囲50%向上・音の届く距離が2倍に

[更新]2026年1月27日

Appleが2026年1月26日、AirTagのアップデート版を発表した。2021年の初代発売以来初となる大型アップデートで、製品名は単に「AirTag」として前モデルと入れ替わる。

第2世代Ultra Widebandチップを搭載し、iPhone 17、iPhone Air、Apple Watch Ultra 3、Apple Watch Series 11と同じチップを採用している。Bluetoothチップのアップグレードと合わせ、紛失物を最大50%遠くから検出可能になった。

スピーカーも強化され、音を聞ける距離が最大2倍に拡大した。新機能としてApple Watch Series 9、Ultra 2以降でAirTagの位置特定が可能になった。

価格は前モデルと同じ単品$29、4個パック$99で、無料の刻印サービスも継続する。2024年にはAppleが航空会社と提携しAirTagの位置情報共有を開始し、航空輸送業界テクノロジー企業SITAの2025年のレポートによると、真に紛失したバッグが90%減少したという。

From: 文献リンクApple’s AirTag 2nd Generation Brings Significantly Longer Range and a Louder Speaker

【編集部解説】

Appleが2021年に発売したAirTagは、紛失物追跡デバイス市場において革新的な存在でした。今回の第2世代へのアップデートは、外観デザインこそ変更されていませんが、内部のハードウェアが大幅に強化されています。

最大の進化点は検出範囲の拡大です。第2世代Ultra Widebandチップの搭載により、従来比50%の範囲拡大を実現しました。これはiPhone 17やApple Watch Ultra 3といった最新デバイスと同じチップを採用することで達成された性能向上です。Ultra Wideband技術は超広帯域無線通信を意味し、Bluetoothよりも高精度な位置測定を可能にします。この技術により、屋内でも数センチ単位での位置特定が可能になっています。

スピーカーも大幅に改善されました。内部設計の見直しにより音量が50%増加し、その結果、音が聞こえる距離が最大2倍に拡大しました。これは実用面で大きな改善です。カバンの奥や家具の隙間に落ちたAirTagを音で探す際、従来モデルでは聞き取りにくかった場面でも確実に見つけられるようになります。

今回初めてApple Watch単体でAirTagの位置特定が可能になった点も注目です。ただし対応機種はSeries 9、Ultra 2以降に限られます。これまではiPhoneが必須でしたが、ランニングや散歩など、iPhoneを持ち歩かない場面でもAirTagの追跡が可能になりました。

Appleは製品名を「AirTag 2」とせず、単に「AirTag」としています。これは旧モデルを即座に廃止し、完全に新モデルへ置き換える戦略を示しています。価格据え置きという点も重要で、単品$29、4個パック$99という価格設定は、競合製品に対する競争力を維持しつつ、既存ユーザーの買い替えも促進する狙いがあります。

AirTagの社会的影響として特筆すべきは、航空業界における荷物追跡への貢献です。2024年にAppleが航空会社と直接提携し、乗客がAirTagの位置情報を航空会社と共有できるようになりました。航空輸送業界テクノロジー企業SITAの2024年12月の調査によれば、位置情報共有を有効にしたAirTag装着バッグでは、真に紛失したバッグが90%減少したとのことです。これは単なるガジェットの枠を超え、社会インフラの改善に寄与した事例といえます。

一方で、AirTagには以前からストーカー行為への悪用懸念が指摘されてきました。Appleは「業界をリードする」セキュリティ機能を強調していますが、具体的な新機能については今回の発表で言及されていません。プライバシー保護機能の継続的な強化は、今後も重要な課題となるでしょう。

Find Myネットワークは、世界中の数億台のAppleデバイスが匿名で位置情報を中継することで機能しています。このネットワークの密度が高まるほど、AirTagの追跡精度と有効性は向上します。今回のハードウェア強化は、このネットワークの潜在能力をさらに引き出すものといえます。

【用語解説】

Ultra Wideband(UWB)
超広帯域無線通信技術。3.1GHzから10.6GHzの広い周波数帯を使用し、BluetoothやWi-Fiよりも高精度な位置測定が可能。数センチ単位での距離測定ができるため、屋内ナビゲーションや紛失物追跡に適している。

Precision Finding
Appleが開発した高精度位置特定機能。Ultra Wideband技術を活用し、AirTagまでの距離と方向を画面上に表示する。iPhoneのカメラビューにAR表示で案内が出るため、直感的に紛失物へたどり着ける。

Find Myネットワーク
Appleデバイスが構築する紛失物追跡ネットワーク。世界中のiPhone、iPad、Macが匿名で位置情報を中継し、紛失したデバイスやAirTagの位置を特定する。個人のプライバシーは暗号化により保護される。

SITA(国際航空通信機構)
航空輸送業界向けにIT・通信サービスを提供する国際企業。400以上の航空会社、2,800以上の空港が顧客で、航空業界のデジタルインフラを支えている。

【参考リンク】

Apple AirTag公式ページ(外部)
AppleのAirTag製品ページ。仕様、価格、アクセサリーの詳細情報を掲載。購入やパーソナライズ刻印の注文が可能。

Apple Find My公式ページ(外部)
AppleのFind Myサービスの説明ページ。デバイス追跡機能やAirTagとの連携方法について詳しく解説している。

SITA公式サイト(外部)
航空輸送業界向けITソリューションを提供するSITAの公式サイト。航空業界のデジタル化やバゲージトラッキングに関する情報を提供。

【参考記事】

Apple Newsroom – AirTag発表記事(外部)
Appleの公式発表。第2世代Ultra Widebandチップ搭載、Precision Findingが50%拡大、スピーカー音量50%増加で聞こえる距離が2倍に、Apple Watch対応などの仕様詳細と価格情報を掲載。

MacRumors – Apple Unveils New AirTag With Longer Range(外部)
AirTag第2世代の詳細な技術仕様を解説。iOS 26.2.1およびwatchOS 26.2.1が必要であることや、CR2032電池継続使用などの情報を掲載。

iDrop News – Apple AirTag 2 (2026) Released(外部)
第2世代Ultra Widebandチップ(U2)の詳細と、iPhone 15から採用されている同チップの技術的背景を解説。セキュリティ機能についても言及。

SITA – Lost luggage rates reduced by 90% with Apple integration(外部)
2024年12月18日発表のSITAレポート。AirTag位置情報共有により真に紛失したバッグが90%減少、遅延バッグの回収時間が26%短縮されたことを報告。

【編集部後記】

皆さんは紛失物を探すとき、どんな方法を使っていますか? AirTagの登場から5年、このような小さなデバイスが航空業界の荷物紛失を90%も減らしたという事実には、テクノロジーが日常の課題をどう解決するかのヒントが詰まっています。今回の第2世代は検出範囲が50%拡大し、より確実に大切なものを守れるようになりました。私たちは、こうした進化が単なる便利さを超えて、社会システムをどう変えていくのか、皆さんと一緒に見つめていきたいと思います。次に無くしたくないものは何でしょうか?

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Satsuki
テクノロジーと民主主義、自由、人権の交差点で記事を執筆しています。 データドリブンな分析が信条。具体的な数字と事実で、技術の影響を可視化します。 しかし、データだけでは語りません。技術開発者の倫理的ジレンマ、被害者の痛み、政策決定者の責任——それぞれの立場への想像力を持ちながら、常に「人間の尊厳」を軸に据えて執筆しています。 日々勉強中です。謙虚に学び続けながら、皆さんと一緒に、テクノロジーと人間の共進化の道を探っていきたいと思います。

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