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ハクオウロボティクス「AutoFork」量産初号機を納入|三菱ロジスネクストとの協業で実現した物流自動化

[更新]2026年1月22日

ハクオウロボティクス「AutoFork」量産初号機を納入|三菱ロジスネクストとの協業で実現した物流自動化

スタートアップの技術が大手企業のプラットフォームと融合し、わずか1年で量産体制を構築――ハクオウロボティクスの自動フォークリフト「AutoFork」が、三菱ロジスネクストとの協業により国内製造業の現場へ初めて納入された。深刻化する労働力不足に対し、24時間365日稼働可能な「新しい労働力」として期待される本製品は、日本の物流・製造現場の自動化を加速させる重要なマイルストーンとなりそうだ。


株式会社ハクオウロボティクス(本社:東京都荒川区、代表取締役:鈴木智広)は、自社開発の自動フォークリフト「AutoFork」の量産モデルを2025年12月25日に国内製造業の工場へ納品した。本件は三菱ロジスネクスト株式会社との車体供給および製造契約を経て実現した、AutoFork量産フェーズにおける初の導入事例である。

導入先の製造工場では、自動車部品が格納されたパレットの搬送工程でAutoForkを活用し、自動倉庫の投入口や検査工程の置き場まで自動搬送することで、工程間搬送の省人化と作業の平準化を図る。AutoForkは反射ポールを活用した自己位置認識技術により、大規模な施設改修を必要とせず導入が可能で、WMSやWESとの連携にも対応している。

ハクオウロボティクスは2022年に設立され、2024年8月に物流不動産大手のプロロジスより出資を受けている。

From: 文献リンク【初】自動フォークリフト「AutoFork」量産モデル、国内製造業の工場へ初納品

株式会社ハクオウロボティクスPRTIMESより引用

【編集部解説】

このニュースは、日本の物流自動化市場において重要な転換点を示しています。ハクオウロボティクスの「AutoFork」が量産フェーズに移行し、実際の製造現場への初納入を果たしたことは、スタートアップ企業が大手企業との協業を通じて市場へ本格参入する一つのモデルケースとなるでしょう。

注目すべきは、三菱ロジスネクストという業界最大手との協業体制です。両社は2024年12月に車体供給で合意し、2025年6月に正式契約、同年8月には販売協業の業務提携を締結しています。わずか1年足らずでスタートアップの技術が大手企業のプラットフォームと統合され、量産体制が構築されたスピード感は特筆に値します。

技術的な特徴として、AutoForkは簡易なセットアップにより、最短で納入当日から自動搬送を開始できる点が挙げられます。従来のAGF(無人フォークリフト)が抱えていた「導入に時間がかかる」という課題を解決しています。また、レーザー誘導方式による走行・停止精度は±10mmと高精度で、反射ポールを使った自己位置認識技術により、大規模な施設改修なしで既存現場への導入が可能です。

市場環境を見ると、日本のフォークリフト市場は2024年の99.3億ドルから2033年に339.2億ドルへ成長すると予測され、年平均成長率は14.63%に達します。一方で、2022年時点でのAGF販売台数は年間200~300台程度と、全体の約8.3万台に対してわずか0.4%程度にすぎません。フォークリフト運転技能講習の新規修了者数は2007年度から21%減少しており、人材確保の困難さが自動化需要を後押ししています。

ハクオウロボティクスは2022年設立のスタートアップながら、2024年8月に物流不動産世界最大手のプロロジスから出資を受けています。プロロジスのネットワークを活用した製品化・マーケティング支援と、三菱ロジスネクストの車体供給・販売網という二つの強力なパートナーシップが、市場への急速な浸透を可能にしています。

今回の導入先である製造工場では、自動車部品パレットの工程間搬送に活用されています。生産完了後のパレットを自動倉庫の投入口や検査工程まで自動搬送することで、省人化と作業平準化を実現しています。こうした実用例の蓄積が、今後の横展開を加速させる鍵となるでしょう。

潜在的な課題としては、複数台運用時の交通管理や、予期せぬ障害物への対応能力、既存の有人フォークリフトとの混在運用時の安全性確保などが挙げられます。また、初期投資コストと運用コストのバランス、メンテナンス体制の整備も、普及のボトルネックとなる可能性があります。

しかし、労働力不足が構造的な課題となる中、AGFは単なる省人化ツールではなく、24時間365日稼働可能な「新しい労働力」として位置づけられます。フォークリフト運転免許を持つ人材の確保競争が激化する前に、自動化への移行を進める企業が増えることは確実でしょう。

【用語解説】

WMS(倉庫管理システム)
Warehouse Management Systemの略。倉庫内の入出荷管理、在庫管理、棚卸しなどの業務を効率化・自動化するシステムである。在庫情報をリアルタイムで管理し、バーコードやRFIDを活用して物の動きを時間単位で追跡する。

WES(倉庫運用管理システム)
Warehouse Execution Systemの略。WMSとWCS(倉庫制御システム)の中間に位置し、両者の機能を橋渡しするシステムである。WMSから提供される情報を基に作業指示や進捗管理を行い、倉庫内の機器やロボットをリアルタイムに制御する。

AGF(無人フォークリフト)
Automated Guided Forkliftの略。オペレーターなしで自動走行・荷役が可能なフォークリフトである。レーザー誘導やカメラなどのセンサーを用いて自己位置を認識し、パレットの搬送や入出庫作業を自動で実施する。

レーザー誘導方式
レーザースキャナーを用いて周囲環境を認識し、自己位置を推定しながら走行する方式である。反射ポールなどの目標物を活用することで、大規模な施設改修を必要とせず既存現場への導入が可能となる。

【参考リンク】

株式会社ハクオウロボティクス(外部)
自動フォークリフト「AutoFork」を開発・販売するスタートアップ企業。2022年設立でプロロジスから出資を受けて事業拡大中

自動フォークリフト AutoFork – 製品ページ(外部)
高精度制御(±10mm)、複数パレット一括認識、簡易セットアップなどの技術仕様や導入事例を掲載

三菱ロジスネクスト株式会社(外部)
フォークリフトやその他物流機器の総合メーカー。ハクオウロボティクスに車体プラットフォームを供給し販売協業を実施

プロロジス – ハクオウロボティクス資本業務提携プレスリリース(外部)
物流不動産世界最大手プロロジスが2024年8月に発表したハクオウロボティクスとの資本業務提携に関する詳細

ロジスネクストジャパン – ニュース一覧(外部)
三菱ロジスネクストグループの販売会社。今回の量産モデル初納入に関するプレスリリースを掲載

【参考記事】

三菱ロジスネクストとハクオウロボティクス、無人フォークリフトの車体供給契約を締結(外部)
2024年12月の基本合意から約半年で正式契約を締結。量産体制構築への重要なステップを報じる

自動フォークリフト開発スタートアップ ハクオウロボティクスと資本業務提携(外部)
プロロジスによる資本業務提携を発表。±10mmの走行精度や複数パレット認識技術などの詳細を記載

三菱ロジスネクストとハクオウロボ、ウォーキー型自動フォークの国内販売で協業開始(外部)
2025年8月の販売協業開始を報道。車体供給に続く販売面での提携により全国展開が本格化

AGV・AMR・AGFの違いとは?(外部)
AGV、AMR、AGFの技術的な違いを詳細に解説。AGFはフォーク機能でパレット搬送に特化

従来の運転免許が不要になるAGF(無人フォークリフト)の安全基準(外部)
AGF販売台数は年間200~300台で全体の0.4%。運転講習修了者は2007年度から21%減少と市場データを提示

自動化、電動フォークリフト、倉庫最適化のトレンドに牽引される世界のフォークリフト市場(外部)
日本市場は2024年の99.3億ドルから2033年に339.2億ドルへ成長予測。年平均成長率14.63%

【編集部後記】

物流現場で働く方々の声を聞くと、「人手不足」という言葉が必ず出てきます。今回のAutoFork初納入は、そうした課題に対する一つの答えかもしれません。

皆さんの職場や身近な現場では、どのような作業が自動化されるべきだと感じていますか?また、自動化によって人間の役割はどう変わっていくと思われますか?

スタートアップの技術が大手企業の力を借りて社会実装されるこのモデルは、日本のものづくりの新しい形を示唆しているように思えます。

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TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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