【#まいにち創作の秋】10月23日:『firefly』— AIは「風流」を理解できるか?格闘の末の奇跡の光

[更新]2025年10月23日21:21

firefly - innovaTopia - (イノベトピア)

さあ、10月23日のお題がやってまいりました。 今日のお題は『firefly(ホタル)』。

…ホタル。 なんとも風流で、日本的なお題じゃありませんか。 これはAIの腕の見せ所か…と思いきや、今日、私たちはAIの「文化の壁」と真正面からぶつかり、そして格闘することになります。

今日の相談役は、いつものチャッピー(ChatGPT)に代わり、私(ヤマタツ)のブログアシスタントであるGemini、通称「ジェミ兄(にぃ)」に務めてもらうことにしました。 このやり取り自体が、今日の創作ドキュメンタリーです!

今日の相棒(AI)は、運命の出会い「Adobe Firefly」

さて、今日のお題は『firefly(ホタル)』。 となれば、使うAIはもう決まっていますよね?

そう、「Adobe Firefly(アドビ ファイアフライ)」です!

お題が『firefly』だから『Firefly』を使う…。 ええ、ええ、わかってます。ダジャレです。でも、こういう「遊び心」こそがクリエイティブの源泉だと思うんですよ!(と、得意げに言ってみる)

とはいえ、このAdobe Firefly、名前負けしないスゴいやつなんです。 あのPhotoshopなどを作るAdobe社が開発した画像生成AIで、最大の特徴は「著作権的にクリーン」なこと。 学習データがAdobe Stockなどが中心なので、商用利用にも強い「優等生AI」と呼ばれています。

さあ、そんな優等生AIは、「ホタル」というお題に対して、どんな絵を見せてくれるんでしょうか?

まさかの初手!「Firefly、お前はホタルを知らないのか?」

期待に胸を膨らませ、今日の相棒「Adobe Firefly」に、シンプルにお題を伝えてみました。 プロンプトは、もちろんこれ。

firefly

ダジャレが通じたのか、それともAIが「任せとけ!」と言ったのか。 そして、優等生AIが叩き出した答えが、これです。

 - innovaTopia - (イノベトピア)
ホタルをあまりアップで見たことないけど、こんなのだっけ?

……。

えーっと。 誰?

私の知ってるホタル(蛍)は、もっとこう、丸っこくて、お尻がぼんやり光る、風流なアイツなはず。 なんだか、やたらと攻撃力の高そうな、オレンジ色の蜂みたいな昆虫が出てきました。 「fire(火)」と「fly(飛ぶもの)」を文字通り解釈しすぎたのか…?

あまりに自信満々に高画質な写真で提示されたので、「え、私たちが知ってるホタルが間違ってる…?」と一瞬不安になりました(笑) おまけに、AIからは「プロンプトが短すぎます」と、まさかのダメ出しまで食らう始末。

 - innovaTopia - (イノベトピア)
プロンプトが短すぎます

AIに「それじゃない」とツッコむ、波乱の幕開けです!

作戦会議:AIに「日本のホタル」を教え込む!

ここで、私とジェミ兄は、ある文化的な違いに思い至りました。

私たち日本人が「ホタル」と聞くと、「はかない命」や「静かな小川」といった「風流」で「静」なイメージがあります。 でも、欧米(特にアメリカ)では、「firefly」は「夏の夜に子どもが瓶で捕まえる、魔法のような光」という、「ノスタルジー」で「動」のイメージが強いようなのです。

なるほど…AIが混乱するわけだ。 ならば!こちらのイメージを具体的に叩き込むまで!

私:「日本的に行きましょうか。季節は?6月だっけ?」 ジェミ兄:「いいですね!季節は『初夏』、場所は『小川』、光り方は『淡く』…この『日本の原風景』をAIに伝えましょう!」

ただ、美しいだけの「風景画」では物足りない。 私は、そこに「物語」が欲しくなりました。

私:「都会の仕事にすっかり疲弊して故郷に帰ってきた女性。ホタルを見ながら少女の頃の思い出を回想する。『田舎なら今からやり直してもまにあうのじゃないか…』みたいな」

このエモーショナルな物語をAIに描かせる! しかし、AIは「心情」を描くのが大の苦手。 「疲れたけど安堵した表情」と指示して生成した画像は…

[ここに「なんか違う」昼間の浴衣の女性の画像を挿入]

明るすぎる! しかも夜じゃない!! AIは「モノ」を描けても、「コト(状況)」や「心情」を描くのは、まだまだ修行が足りないようです。

AIとの格闘の末に生まれた奇跡の光

こうなったら意地です。 難しい表情はあきらめ、あえて「シルエット」に。 そして、「夜」であることをこれでもかと強調する! 私とジェミ兄が導き出した「リベンジ・プロンプト」が、これです。

On a **pitch-black summer night**, countless fireflies are glowing magically, swirling like a river of light over a dark stream. A **silhouette** of a young woman in a yukata stands on a small wooden bridge, **watching them quietly.**

そして、AIが描き出したのは…まさに**「奇跡の光景」**でした!

 - innovaTopia - (イノベトピア)
ホタルなの?

これです…! 漆黒の夜空と、生命の川のよううねるホタルの光。 表情が見えないシルエットだからこそ、彼女の「安堵」と「決意」の物語が、見る人の心に深く響きます。 AIとの「言語」と「文化」の壁を乗り越え、ついにこの一枚にたどり着くことができました。

音楽生成:「婉曲」な歌詞に「ぶわーっ」と広がるサビを

この奇跡の一枚に、命を吹き込む音楽をSuno AIで作ります。 ジェミ兄と議論したのは、歌詞の「さじ加減」。

私:「あまり、ドストレートに境遇を歌詞にするとダサいので、なんとなく伝わるような感じの歌詞がいいなぁ」 ジェミ兄:「わかります!『婉曲』表現ですね!」

そうして生まれたのが、この歌詞『迷子の火 (Firefly)』です。 「早すぎた時計の針(=都会)」「迷子(=見失った自分)」といった比喩だけで、彼女の心情を描写しました。

そして、最大のこだわり。 私:「サビ、コーラスのところで、ホタルがぶわーって広がるみたいに曲も盛り上がってほしい」

この無茶振り(?)に応えるべく、Suno AIへの曲調指示(プロンプト)も魔改造。 ...like fireflies suddenly spreading out. (ホタルがぶわーって広がるみたいに) と、そのまま入れちゃいました(笑)

そして、Suno AIが叩き出した答えが、これです。 ぜひ、あの画像を見ながら聴いてみてください。 静かなAメロから、サビでストリングスと共に「ぶわーっ」と音が広がる瞬間…鳥肌モノです。

『迷子の火 (Firefly)』

まとめ:AIの「ズレ」こそが、創作の種になる

今日は、AIとの「ズレ」に徹底的に向き合った一日でした。 AIが「ホタル」を知らなかったこと。 AIが「夜」を描けなかったこと。 AIが「心情」を表現できなかったこと。

でも、その「ズレ」を修正しようと試行錯誤するプロセス、ジェミ兄と「ああでもない、こうでもない」と作戦を練る時間こそが、最終的に私たちの想像をはるかに超える「奇跡の一枚」と「奇跡の一曲」を生み出してくれました。

AIは道具ですが、時々、最高の「ツッコミ相手」兼「相棒」になってくれるようです。

さて、明日は10月24日。お題は『Shallow(浅い)』。 …浅い? 物理的に?それとも精神的に? またもや、AIとの禅問答が始まりそうな予感がします(笑) 明日もお楽しみに!

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TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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