(アイキャッチ:Getty Imagesより引用 2194436731,recep-bg,GettyImages)
ゲッティイメージズジャパンは3月8日の国際女性デーに合わせ、60歳以上の女性に関する広告ビジュアルの傾向をまとめたニュースレターを6日に公表した。
日本のブランドや企業のビジュアル表現で、60歳以上の女性が登場する割合は5.3%、働く姿として描かれるケースは1.6%にとどまるという。
「シワや体型の変化などの加齢していく姿」「アンチエイジング」「更年期やホルモンが変化する姿」など、シニア世代特有の姿にフォーカスされているビジュアル表現がグローバル平均より多い一方で、「恋愛する姿」「リーダーシップを発揮する姿」「モダン・スタイリッシュな姿」など、社会的な存在感を示すビジュアルはいずれもグローバルの平均を下回る。
リリースは、2015年から2025年にかけてシニア女性の描かれ方が変化し、近年は一人で満ち足りた様子や、働く姿、健康習慣、屋外活動など表現の幅が広がっていると説明する。調査基盤としては、専門家分析や検索・ダウンロード動向、継続的な消費者調査を組み合わせた「VisualGPS」を用いたとしている。
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3⽉8⽇は国際⼥性デー「シニア⼥性」が登場する広告ビジュアルは全体の 5.3% 消費者の共感を得られるビジュアル表現を解説
【編集部解説】
今回のニュースレターは、広告におけるシニア女性の表現が少ないという事実を示すだけでなく、生成AI時代のビジュアル基盤を考える材料にもなっています。Getty Imagesはどのようなビジュアルが市場で流通し、どのような人物像が標準として蓄積されてきたのかも分析し、それらを活用した、商用利用を前提とした生成AIを提供しています。つまり同社は、素材環境を見つめる側であると同時に、AIの出力を支える側にも立っています。
ここで見えてくるのは、バイアスをAI固有の問題として切り分けるだけでは不十分だということです。生成AIの偏りは、モデルの内部だけで生まれるものではありません。誰が多く撮られ、検索され、選ばれ、広告や商用素材として残ってきたのかという上流の積み重ねもまた、AIが描く人物像や社会像に影響します。今回のシニア女性をめぐる調査は、その出発点がすでに素材市場の中にあることを示した例といえます。
Getty Imagesが重視しているのは、単に安全に使える生成AIをつくることだけではなく、信頼できるビジュアル環境をどう築くかという点でもあります。責任あるデータの扱いやVisualGPSによるバイアス把握の姿勢は、今回のニュースレターにも通じています。そう考えると、この話題は単なる社会的な表象論ではなく、未来のAIがどのような現実を参照していくのかという基盤の問題として読むことができます。
【参考リンク】
Getty Images(外部)
世界最大級のフォトストックサービス、Getty Imagesの日本向け公式サイト。
VisualGPS(外部)
VisualGPSの概要ページ。調査やデータに基づくインサイトを、マーケターやクリエイター向けに整理している。
International Women’s Day|ユネスコ公式サイト(外部)
国際女性デーに関するイベントなどの情報をまとめたサイト。
【編集部後記】
AIの出力は学習したデータに大きく依存します。十分な量のデータを学習したAIがバイアスを生むのならば、それはそのまま社会に存在するバイアスとも捉えられます。
そして、バイアスは個人の中にも無意識に存在するものです。「差別している」という意識はなくても、「つい考えがち」なことが、この問題を複雑にします。
しかし、Getty Imagesが示すようなはっきりとしたデータはこういった意識を客観的に可視化し、前提を疑うためのよいきっかけになるかもしれません。
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