K Monkey Gamesが開発するVRゲーム『Among Giants』が、2026年第1四半期にMeta Quest 3および3S向けにリリースされる。
ソロ開発者による本作は、『ワンダと巨像』と『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』からインスピレーションを得たオープンワールドアドベンチャーである。プレイヤーはEryaとなり、25平方キロメートルの広大な世界で古代巨人の記憶を探求し、人類に何が起きたのかを解明する。
ロボットの相棒R-011や召喚可能な馬と共に旅をし、弓矢やリロード不要の武器で10種類以上の敵と戦う。グライダー、グラップリングフック、水泳などの移動手段に加え、動的な天候システムと昼夜サイクルが実装され、大雨や吹雪、砂漠といった環境変化への対応が求められる。Quest Proのサポートも予定されている。
From: 
Among Giants Is A Zelda-Inspired Open World VR Adventure Coming To Quest 3
【編集部解説】
ソロ開発者がQuest 3向けに25平方キロメートルのオープンワールドVRゲームを制作するという点は、技術的に極めて野心的な挑戦です。VR開発は通常のゲーム開発の少なくとも2倍困難とされ、特にQuest 3はモバイルベースのハードウェアであるため、90fpsを維持しながらグラフィックスとCPU使用量を最適化する必要があります。このような制約の中で広大な世界を実現することは、開発者の技術力を示す指標となるでしょう。
本作の特徴的な要素は、プレイヤーが解読可能なエイリアン言語システムです。これは単なる雰囲気演出ではなく、ゲームプレイの中核を成す仕組みであり、ターミナルをハッキングして一文字ずつ言語を理解していくプロセスが組み込まれています。このような深いナラティブ体験は、VR市場において差別化要素となる可能性があります。
VR市場の現状として、コミュニティは高品質なゲームを強く求めている状況にあります。特にPSVR向けには低品質なタイトルが多く、しっかりとしたコンセプトと実行力を持つ作品は、従来のフラットゲームよりも収益化の可能性が高いとされています。Among Giantsはこの需要に応える作品となるかもしれません。
【用語解説】
K Monkey Games
Among Giantsを開発しているソロ開発者のスタジオ名。一人で25平方キロメートルのオープンワールドVRゲームという野心的なプロジェクトに取り組んでいる。
オープンワールド
プレイヤーが自由に探索できる広大なゲーム世界の設計手法。線形のステージ進行ではなく、どの順番で目的地に向かうかをプレイヤーが選択できる。
スタンドアロン型VR
PCやゲーム機に接続せず、ヘッドセット単体で動作するVRシステム。モバイルプロセッサを使用するため、グラフィックスの最適化が重要となる。
フレームレート
1秒間に表示される画像の枚数を示す指標。VRでは酔いを防ぐため90fps以上が推奨され、これを下回ると快適性が著しく低下する。
ナラティブ体験
ゲームにおける物語的な体験の総称。Among Giantsでは解読可能なエイリアン言語システムを通じて、プレイヤー自身が物語を紐解いていく設計となっている。
【参考リンク】
K Monkey Games公式サイト – Among Giants（外部）
開発元の公式ページ。ゲームの概要、トレーラー動画、開発の進捗状況などが掲載されている。
Meta Quest Store – Among Giants（外部）
Meta公式ストアのAmong Giantsページ。予約情報やゲームの詳細、対応プラットフォームなどが掲載されている。
【参考動画】
【参考記事】
Among Giants – K Monkey Games Official（外部）
開発元公式サイトでのゲーム紹介。エイリアン言語の解読システム、25平方キロメートルの広大な世界、ターミナルハッキングなど、ゲームの独自要素についての詳細が掲載されている。
How to build successful VR games as a solo developer – Game Analytics（外部）
ソロ開発者がVRゲームを成功させるための技術的課題と戦略についての分析記事。人間工学的配慮、最適化の重要性、VR市場の特性などが解説されている。
How viable is VR game development for a solo indie dev? – Reddit（外部）
ソロ開発者によるVRゲーム開発の実現可能性についてのコミュニティディスカッション。VR開発は通常のゲーム開発の2倍困難だが、高品質な作品への需要は高いという意見が交わされている。
【編集部後記】
ソロ開発者が25平方キロメートルのオープンワールドVRを実現できる時代になったことに、技術の民主化を感じます。Quest 3のモバイルプロセッサで90fpsを維持しながらこの規模を動かす最適化技術も気になるところです。解読可能なエイリアン言語システムは、VRならではの没入感とどう融合するのでしょうか。一方で、ソロ開発ゆえの人間工学的配慮やアクセシビリティの課題はどう解決されるのか。AAA級の大作とは異なる、個人開発者ならではの独創性がVR市場にどんな影響を与えるか、2026年第1四半期のリリースが楽しみです。
