米国がISIS関連個人に制裁、サイバー活動と資金調達を標的に

Last Updated on 2024-02-02 10:35 by

米国財務省の外国資産管理局（OFAC）は1月30日、イスラム国（ISIS）に関連する3人の個人を制裁リストに追加した。エジプト国籍のムーミン・アル＝マウジ、マフムド・サリム、サラ・ジャマル・ムハンマド・アル＝サイイドは、電子地平線財団（EHF）を設立し、ISISメンバーがオンラインで法執行機関の目を逃れるためのサイバーセキュリティ指導と訓練を提供している。アル＝マウジは、ISIS関連のメディアアウトレットを設立し、プロパガンダの作成と拡散に関与するとともに、ISISのリーダーシップにITサポートを提供し、暗号通貨の使用方法に関するチュートリアルをEHFのウェブサイトに公開した。アル＝サイイドは、EHFの暗号通貨と物流管理の取り組みにアル＝マウジと協力し、ISISメンバーの勧誘やISISプラットフォームのホスティング用ウェブサーバーの調達に関与した。

OFACはまた、トルコのファルク・グゼルをISISの協力者として名指しした。彼はISIS支持者からの送金を受け取り、シリアに拠点を置くメンバーにそれを渡すことで組織を支援したとされる。

これらの制裁は、ISISのオンラインおよび財務活動を妨害することを目的としている。サイバーセキュリティの専門家は、ISISがオンラインで一定の影響力を持っていたものの、その能力は最も洗練されたものではなく、主にプロパガンダ目的でハッキング活動を行っていたと指摘している。しかし、米国を含む複数の政府による以前の介入と同様に、OFACによるこの措置はISISのオンラインでの影響力をさらに減速させることになると見られている。

【ニュース解説】

米国財務省の外国資産管理局（OFAC）が、イスラム国（ISIS）に関連する3人の個人に対して制裁を科したことが発表されました。この措置は、ISISのオンラインおよび財務活動を妨害することを目的としています。制裁対象となったのは、エジプト国籍のムーミン・アル＝マウジ、マフムド・サリム、サラ・ジャマル・ムハンマド・アル＝サイイド、そしてトルコのファルク・グゼルです。彼らは、ISISメンバーが法執行機関の監視を逃れるためのサイバーセキュリティ指導や訓練を提供するプラットフォーム、電子地平線財団（EHF）の設立に関与したり、ISISのプロパガンダ拡散、ITサポート、暗号通貨を用いた資金調達などに貢献していました。

この制裁は、ISISのオンラインでの活動や資金調達能力に対する重要な打撃を意味します。ISISは、インターネットを利用してプロパガンダを拡散し、支持者からの資金を集めるなど、オンライン上で一定の影響力を持っていました。しかし、そのサイバー攻撃能力は最も洗練されたものではなく、主にプロパガンダ目的での活動が中心でした。OFACによる制裁は、これらの活動をさらに困難にし、ISISのオンラインでの影響力を減速させることが期待されます。

このような制裁措置は、国際社会がテロ組織の資金源を断つために取り組んでいる一環です。暗号通貨を含む新しい技術がテロ資金調達の手段として利用されることが増えている中、国際的な協力と監視の強化が求められています。制裁は、ISISだけでなく、他のテロ組織に対しても抑止効果を持つ可能性がありますが、同時に彼らが新たな資金調達手段や通信手段を模索する可能性も指摘されています。

長期的には、このような制裁措置がテロ組織の活動を抑制する上で重要な役割を果たすことが期待されますが、テロ組織が新たな技術を駆使して対抗策を講じる可能性もあります。そのため、国際社会は常に新しい脅威に対応するための情報共有や技術開発に努める必要があります。また、サイバーセキュリティの強化や暗号通貨の取引の透明性向上など、テロ資金調達の手段を遮断するための取り組みも引き続き重要です。

from 3 ISIS Members Slapped With Sanctions From US Treasury.