OperaがAIブラウザ「Neon」を限定公開。月額$19.90で一部ユーザーが利用でき、その他はウェイトリスト登録。5月に発表されたagentic browser(エージェンティック・ブラウザ)で、作業用の「Tasks」、Web閲覧を担う「Do」、指示を保存する「Cards」などを搭載。競合では7月にPerplexityがComet、OpenAIがChatGPT Agentを投入。9月にAtlassianがThe Browser Companyを買収、GoogleはChromeにGemini機能を追加。
From: Opera launches its AI browser, but you’ll have to pay to try it
【編集部解説】
Operaは9月30日にNeonの“出荷”を告知し、招待制の「Neon Founders program」から段階的にアクセスを開放しました。
Neonの中核は、作業単位を束ねる「Tasks」、ブラウザ内で操作を実行する「Neon Do」、再利用可能な指示を付与する「Cards」、生成系を担う「Make」です。Neon Doはブラウザ内で動作し、ログイン状態を維持したままフォーム入力や比較、予約などを実行できます。Makeはvirtual machine(仮想マシン)で継続処理し、成果物をURLとして共有できます。
競合ではPerplexityのComet、OpenAIのChatGPT Agent、GoogleのGemini連携、AtlassianによるThe Browser Company買収などが相次ぎ、Neonは“実行主体”としてのブラウザを前提にした流れの本命の一つと位置づけられます。
技術的論点は「ブラウザ内エージェント」の境界です。Neon DoはDOMに直接アクセスして操作するため、画面認識より堅牢になりやすい一方、サイトごとの差異や権限管理が品質を左右します。Makeの継続実行はクラウド側で行われるため、ローカル実行とクラウド継続のハイブリッド設計と捉えるのが妥当です。
期待できる効果は、反復タスクの短縮と“作る力”の裾野拡大です。リスクは、月額$19.90という価格感、サイト規約やボット対策との整合、誤操作時の責任分界です。企業導入ではログ監査、権限分離、DLPとの連携可否が判断材料になります。
短期はローカル高速実行とクラウド継続生成の併用が主流になり、中期はブラウザがOS的ハブとなる可能性があります。長期的にはComet、ChromeのGemini統合、ChatGPT Agentとの相互運用が鍵になるでしょう。
【用語解説】
Opera Neon:Operaの有料AIブラウザ。Tasks、Neon Do、Cards、Makeを備え招待制で段階提供。
agentic browser(エージェンティック・ブラウザ):意図を解釈し自律的に複数ステップを実行するブラウザ概念。
virtual machine(仮想マシン):クラウド側で生成処理を継続実行するための計算環境のこと。
Neon Founders program:早期アクセスの招待枠。順次招待が拡大される初期提供形態。
Comet:PerplexityのAIブラウザ。エージェント機能で検索や操作を統合する。
ChatGPT Agent:OpenAIのPC操作型エージェント。複数ステップの作業を自律的に遂行。
【参考リンク】
Opera Neon(公式サイト)(外部)
エージェンティックAIブラウザNeonの概要と早期アクセス情報を掲載。
Opera Neon出荷リリースノート(外部)
Founders program、Tasks/Neon Do/Cards/Makeなど機能と提供形態を説明。
Opera Newsroom:Neon発表(外部)
5月発表時の一次情報。Neonの狙いと設計思想を解説。
Perplexity:Comet発表ブログ(外部)
Cometの狙いと機能を整理。競合文脈の一次資料として有用。
Atlassian:The Browser Company買収(外部)
Dia/Arcの開発元買収を正式発表。市場の再編動向を確認。
【参考動画】
【参考記事】
Opera launches its AI browser, but you’ll have to pay to try it(外部)
限定ロールアウトと月額$19.90の報道、Tasks/Do/Cardsなどの構成を確認。
Opera launches Neon AI browser to join agentic web browsing race(外部)
Neon Doのローカル実行やサブスク提供、競合状況を独立ソースで補強。
Opera launches its AI-centric Neon browser(外部)
CardsやMakeの特徴、エージェント機能の位置づけを整理した解説。
Opera releases Neon, its AI-powered browser(外部)
サブスク前提の提供開始と主要機能の要点を簡潔にレビュー。
【編集部後記】
月額$19.90の報道、Founders programでの限定解放、Neon Doの“ブラウザ内実行”。この条件で使うなら、どの作業をまず委ねたいでしょう?フォーム入力や予約、価格比較、あるいはコード生成やレポート作成か。価格と自動化のリスク、プライバシーの安心感、どこで折り合いをつけるか—あなたならどう設計しますか。
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