2025年最後の営業週にGoogleが放った一撃は、Webの風景を大きく変えようとしている。AI生成コンテンツの評価基準が明確化され、59%のサイトがランキング低下―あなたのサイトは無事だったか?
Googleは2025年12月コアアップデートを12月11日に開始し、12月29日に完了した。ロールアウト期間は約18日2時間を要した。これは2025年3回目のコアアップデートであり、前回の6月コアアップデートから5ヶ月後の実施となる。Googleはこのアップデートを「あらゆるタイプのサイトから、検索者にとって関連性が高く満足のいくコンテンツをより良く表示するための定期的なアップデート」と説明している。
初期のロールアウトは12月13日に観測され、12月20日に大きな変動性のスパイクが記録された。Googleは影響を受けたサイト向けに、検索エンジンのランク付けではなく人々のために役立つコンテンツを作成するよう推奨している。2025年のコアアップデートは3月、6月、12月の3回実施された。
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Google December 2025 core update rollout is now complete
【編集部解説】
今回のアップデートが完了したのは12月29日で、2025年最後のコアアップデートとなりました。年末の慌ただしい時期に完了したことで、多くのサイト運営者が休暇中に影響を受けたことになります。
このアップデートで特筆すべきは、AI生成コンテンツへの評価基準が明確化された点です。Googleは「AI生成コンテンツそのものを罰するわけではない」と明言していますが、大量生産された低品質なAIコンテンツには厳しい評価が下されています。これは生成手段ではなく、コンテンツの有用性と信頼性を重視する姿勢の表れといえるでしょう。
注目すべき数値として、影響を受けたサイトの59%がランキングを下げ、平均で17.3%のトラフィック減少が観測されています。特にEコマースサイトやアフィリエイトサイト、薄いコンテンツを大量に抱えるサイトが大きな打撃を受けました。一方で、改善が見られたサイトは23%にとどまり、二極化が進んでいます。
E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)の評価基準が、YMYL(Your Money or Your Life)トピックを超えて、ほぼすべての競合性の高い検索クエリに拡大された点も重要です。これまで医療や金融といった特定分野に限定されていた厳格な評価が、より広範な領域に適用されるようになりました。
変動性の激しさも今回の特徴で、SEMrushセンサーでは9.5/10という高いボラティリティスコアが記録されています。12月13日と20日には特に大きな変動の波が観測されており、段階的なロールアウトの影響が如実に現れています。
回復には4〜12ヶ月かかるとの見解もあり、即効性のある対処法は存在しません。Googleは「次のコアアップデート後に最も大きな変化が起こる」と述べており、長期的な視点でのコンテンツ改善が求められています。
【用語解説】
コアアップデート
Googleが検索アルゴリズム全体に対して行う大規模な更新のこと。年に数回実施され、検索結果の品質向上を目的としている。サイトのランキングに大きな影響を与えることがあり、完了までに通常2〜3週間を要する。
ロールアウト
アップデートやシステム変更を段階的に展開していくプロセスのこと。一度にすべてのユーザーやサーバーに適用するのではなく、徐々に範囲を広げながら実装していく手法を指す。
E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)
Googleが検索品質評価で重視する4つの要素。経験(Experience)、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)の頭文字を取ったもの。コンテンツの信頼性を測る重要な指標となっている。
YMYL(Your Money or Your Life)
人々の健康、経済的安定、安全などに影響を与える可能性のあるトピックのこと。医療、金融、法律などの分野が該当し、Googleはこれらのトピックに対してより厳格な品質基準を適用している。
ボラティリティ
検索結果の変動性や不安定さを示す指標。数値が高いほど、検索順位の変動が激しいことを意味する。コアアップデート時には通常、高いボラティリティが観測される。
AI生成コンテンツ
ChatGPTやその他の生成AIツールを使用して作成されたテキストコンテンツのこと。品質や独自性に差があり、低品質な大量生産コンテンツは検索エンジンから低評価を受ける可能性がある。
【参考リンク】
Google Search Status Dashboard(外部)
Googleが運営する検索システムのステータス情報を提供する公式ダッシュボード。コアアップデートの開始や完了をリアルタイムで確認できる。
Google Search Central – コアアップデートについて(外部)
Googleが提供するコアアップデートに関する公式ドキュメント。アップデートの概要、影響を受けた場合の対処法を詳しく解説している。
SEMrush Sensor(外部)
検索結果のボラティリティを追跡するツール。Googleアルゴリズムの変動を数値化し、コアアップデートの影響度合いを監視できる。
【参考記事】
Google December 2025 Core Update: Complete Guide(外部)
影響を受けたサイトの59%がランキング低下、平均17.3%のトラフィック減少を報告。回復には4〜12ヶ月かかる可能性を詳述。
December 2025 Google Core Update: Impact, Signals & SEO Strategy(外部)
SEMrushセンサーで9.5/10という高いボラティリティを記録。AI生成コンテンツの評価基準明確化とEコマースサイトへの影響を分析。
Google December 2025 Core Update: Is SEO Finally Dead(外部)
AI生成コンテンツそのものが罰せられるわけではなく品質が重視されることを強調。コンテンツの有用性と信頼性の重要性を解説。
Google December 2025 Core Update – Information and Analysis(外部)
12月11日の開始から29日の完了までを詳細に追跡。12月13日と20日に観測された大きな変動の波をデータ分析している。
【編集部後記】
年末のこのタイミングでのアップデート完了は、多くのサイト運営者にとって予想外の展開だったかもしれません。みなさんが運営するサイトや関わるプロジェクトで、検索順位の変動は観測されたでしょうか。
特にAI生成コンテンツを活用している方にとっては、品質基準の明確化が気になるところです。今回の変動を単なる順位変動として捉えるのか、それともコンテンツ戦略を見直す契機とするのか。2026年に向けて、みなさんはどのようなアプローチを取りますか。































