Solanaブロックチェーン上のステーブルコイン時価総額が、火曜日の24時間で9億ドル急増し、153億ドルに達した。この急増は分散型金融プラットフォームJupiterが合成ステーブルコイン発行者Ethenaと共同開発したJupUSDステーブルコインをローンチしたことによるものである。
Solanaのステーブルコインエコシステムの67%以上をCircleのUSDCが占めている。格付け機関ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、ステーブルコインの決済量は2025年に87%増加した。ステーブルコインの総時価総額は3000億ドルに近づいている。複数の伝統的金融機関は、実世界資産トークン化市場が2030年までに30兆ドルに達すると予測している。
2025年7月にドナルド・トランプ米大統領が署名したGENIUS Actは、規制対象の決済ステーブルコインに高品質な流動資産での1対1の裏付けを義務付け、アルゴリズム型ステーブルコインを事実上除外している。
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Solana’s stablecoin market cap surges by $900M in 24 hours
【編集部解説】
今回のSolanaにおけるステーブルコイン急増は、単なる一時的な資金流入ではなく、ブロックチェーンが金融インフラとして成熟する過程を示す重要なシグナルです。JupiterとEthenaが共同開発したJupUSDのローンチは2026年1月5日に行われ、このステーブルコインの特徴はBlackRockのBUILD Fundによって裏付けられたUSDtbを90%保有し、10%のUSDC流動性バッファーを持つ点にあります。
注目すべきは、GENIUS Actという規制フレームワークの存在です。2025年7月にトランプ大統領が署名したこの法律は、米国初の連邦レベルでのデジタル資産規制となりました。この法律により、規制対象のステーブルコインは高品質な流動資産で1対1の裏付けが義務付けられ、アルゴリズム型ステーブルコインは事実上排除されています。
実世界資産(RWA)のトークン化市場は、複数の金融機関が2030年までに30兆ドル規模に達すると予測しており、現在の約30億ドルから飛躍的な成長が見込まれています。2020年の8500万ドルから2025年中期には300億ドルへと急成長しており、わずか5年で350倍以上の拡大を遂げました。
ステーブルコインの決済量が2025年に87%増加したという事実は、これらのデジタル資産が投機的なツールから実用的な決済手段へと進化していることを裏付けます。ムーディーズはステーブルコインを「機関投資家向けデジタルキャッシュ」と位置づけ、2025年には9兆ドルの取引量を処理したと報告しています。
一方で、GENIUS Actがステーブルコイン発行者による顧客への利回り分配を禁止している点は、銀行の役割や収益モデルに関する議論を呼んでいます。この規制は消費者保護を目的としていますが、DeFi本来の革新性を制限する可能性も指摘されています。
【用語解説】
ステーブルコイン
法定通貨や債券などの安定資産に価値が連動するよう設計された暗号資産である。価格変動が激しい一般的な暗号資産とは異なり、1ドル=1トークンのように価値が安定しているため、決済や送金、DeFi取引の基軸通貨として利用される。
アルゴリズム型ステーブルコイン
物理的な資産の裏付けを持たず、プログラムや市場メカニズムによって価値の安定を維持しようとするステーブルコインである。2022年のTerra/LUNAの崩壊以降、リスクが高いとみなされ、GENIUS Actでは規制対象から除外されている。
RWA(Real World Assets:実世界資産)
不動産、債券、商品、アート作品など、物理的または伝統的な金融資産をブロックチェーン上でトークン化したものである。従来は流動性が低かった資産を小口化・取引可能にし、DeFiの担保としても活用できる。
DeFi(分散型金融)
中央管理者を持たず、スマートコントラクトによって自動的に金融サービスを提供するシステムである。貸借、取引、資産運用などの機能を、従来の金融機関を介さずに実行できる。
レイヤー1ブロックチェーン
独自のブロックチェーンネットワークを持つ基盤層のことである。Solana、Ethereum、Bitcoinなどがこれに該当し、その上で様々なアプリケーションやトークンが構築される。
【参考リンク】
Solana公式サイト(外部)
高速かつ低コストな取引を実現するレイヤー1ブロックチェーン。DeFiやNFT分野で急成長している。
Jupiter公式サイト(外部)
Solana上で最大規模を誇る分散型取引所アグリゲーター。2026年1月にJupUSDをローンチした。
Ethena公式サイト(外部)
合成ドルプロトコルを提供するDeFiプラットフォーム。JupiterとJupUSDを共同開発した。
Circle公式サイト(外部)
USDCステーブルコインの発行企業。Solanaエコシステムで67%以上のシェアを占める。
DeFiLlama(外部)
DeFi分野における包括的なデータ分析プラットフォーム。リアルタイムデータを提供する。
BlackRock BUIDL Fund(外部)
世界最大級の資産運用会社が提供するトークン化された米国債ファンド。JupUSDの裏付け資産。
RWA.xyz(外部)
実世界資産のトークン化に関するデータとリサーチを提供する専門プラットフォーム。
【参考記事】
Jupiter Launches JupUSD Stablecoin Built on Ethena Infrastructure(外部)
JupUSDが2026年1月5日にローンチ。BlackRockのBUILD Fund裏付けの構造を解説。
The GENIUS Act of 2025 Stablecoin Legislation Adopted in the US(外部)
2025年7月署名のGENIUS Actの詳細。規制内容と利回り分配禁止規定を分析。
Stablecoins Become Institutional Digital Cash, Says Moody’s(外部)
ムーディーズがステーブルコインを機関投資家向けデジタルキャッシュと位置づけ。
【編集部後記】
ステーブルコインが「投機の道具」から「決済インフラ」へと変わりつつある今、私たちはブロックチェーンが金融の基盤になる瞬間を目撃しているのかもしれません。アートや不動産といった従来は動かしにくかった資産が、トークン化によって誰でも取引できるようになる未来。そこにはどんな可能性とリスクが潜んでいるでしょうか。
規制と革新のバランスをどう取るべきか、みなさんはどう考えますか。2030年に30兆ドル市場が実現したとき、私たちの資産管理や投資のあり方はどう変わっているのか。一緒に想像してみませんか。
































