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Mentra Liveが業界初のアプリストア搭載スマートグラスを発表、オープンソースで開発者エコシステム構築へ

[更新]2026年1月18日

Mentra Liveが業界初のアプリストア搭載スマートグラスを発表、オープンソースで開発者エコシステム構築へ - innovaTopia - (イノベトピア)

スマートフォンがアプリストアによって世界を変えたように、スマートグラスも同じ転換点を迎えようとしています。Mentraが発表したMentra Liveは、業界初のアプリストアとオープンソースOSを搭載し、開発者エコシステムの構築という新たな挑戦を始めました。


2026年1月15日、Mentraはスマートグラス「Mentra Live」の出荷を発表した。同社初の製品で、アプリストアを搭載したスマートグラスとしては唯一のものである。重量は43グラムで、HD 12MPカメラ、ライブストリーミング機能、AI統合、通話・音楽再生機能を備える。

オープンソースOS「MentraOS」とSDKを搭載し、開発者は「MiniApp Store」向けにアプリを構築できる。X、YouTube、Twitch、OnlyFans、Instagramなど全ソーシャルメディアプラットフォームへのライブストリーミングが可能だ。Y Combinator、Rich Miner、Jawed Karim、Amazon、Toyota Venturesなどが支援し、同社は2025年7月に800万ドルのシードラウンドを調達した。価格は299ドルで、Batch 1として1,000台が販売され、2月15日に出荷される。2024年設立で、サンフランシスコに本社を置く。

From: Our First Press Release: Mentra Releases First Smart Glasses With An App Store

スマートフォンがアプリストアによって世界を変えたように、スマートグラスも同じ転換点を迎えようとしています。Mentraが発表したMentra Liveは、業界初のアプリストアとオープンソースOSを搭載し、開発者エコシステムの構築という新たな挑戦を始めました。 - innovaTopia - (イノベトピア)
Menta公式ブログより引用

【編集部解説】

スマートグラス市場が大きな転換点を迎えています。Mentraが発表したMentra Liveは、業界初となるアプリストアを搭載したスマートグラスです。これは単なる新製品の登場ではなく、スマートグラスがスマートフォンと同じような進化の道を歩み始めた象徴的な出来事といえます。

現在、スマートグラス市場はMeta Ray-Banが約60%のシェアを占めていますが、これらはMetaのクローズドエコシステム内でのみ機能します。対照的にMentraは、オープンソースのMentraOSとMiniApp Storeを提供することで、サードパーティの開発者が自由にアプリケーションを開発できる環境を整えました。スマートフォンがアプリエコシステムによって爆発的に成長したように、スマートグラスも同様の道を辿る可能性があります。

技術的な観点から見ると、Mentra Liveの仕様は控えめながら実用的です。43グラムという軽量性、12時間以上のバッテリー駆動時間、そして充電ケースによる50時間以上の追加充電は、日常使いに十分な性能といえます。特筆すべきは、YouTubeを含むあらゆるソーシャルメディアプラットフォームへのライブストリーミングに対応している点です。これはコンテンツクリエイターにとって大きな魅力となるでしょう。

MiniApp Storeには、AI Notes、Poker Probability、Chess Cheaterなど、カメラとAIを活用したユニークなアプリが既に登場しています。Chess Cheaterは、カメラでチェス盤を認識し、AIが次の手を提案するという実用例です。このようなニッチなアプリケーションが開発できることこそ、オープンエコシステムの強みです。

299ドルという価格設定も戦略的です。Meta Ray-Banと同等の価格帯でありながら、オープンプラットフォームという付加価値を提供しています。ただし、初回バッチは1,000台限定で2月15日出荷、第2バッチも限定数で2月28日出荷予定と、供給は非常に限られています。これは製造能力の制約というよりも、市場の反応を慎重に見極めようとする姿勢の表れでしょう。

投資家の顔ぶれも注目に値します。Y Combinator、Android共同創業者のリッチ・マイナー、YouTube共同創業者のジョード・カリム、Amazon、Toyota Venturesなど、テクノロジー業界の重鎮が名を連ねています。これは、Mentraのビジョンが単なるハードウェア販売ではなく、スマートグラスプラットフォームの構築にあることを示唆しています。

一方で、課題も存在します。オープンプラットフォームであるがゆえに、アプリの品質管理やプライバシー保護が重要になります。特に、常時装着するデバイスであるスマートグラスは、カメラとマイクを備えているため、プライバシーに関する懸念は避けられません。MentraOSがプライバシーをどのように保護するのか、詳細な情報が求められます。

また、スマートグラス市場は2026年が重要な年となります。市場調査によれば、スマートグラス市場は2024年の19.3億ドルから2030年には82.6億ドルへと成長すると予測されており、年平均成長率は27.3%に達します。GoogleとWarby Parkerの提携、SamsungとGoogleのAndroid XR、Appleの参入予定など、大手企業が続々と市場に参入する中、Mentraがオープンエコシステムの先駆者としての地位を確立できるかが注目されます。

スマートグラスがスマートフォンに次ぐ主要なコンピューティングプラットフォームになるという見方は、業界で広く共有されています。しかし、その実現には、ハードウェアの成熟だけでなく、豊富なアプリケーションエコシステムが不可欠です。Mentraの挑戦は、まさにそのエコシステム構築の第一歩といえるでしょう。

【用語解説】

オープンソース
ソフトウェアのソースコードを無償で公開し、誰でも自由に利用、改変、再配布できるようにする開発手法。MentraOSはこの方式を採用しており、開発者が自由にアプリケーションを開発できる。

SDK(Software Development Kit)
ソフトウェア開発キットの略称。特定のプラットフォーム向けのアプリケーションを開発するために必要なツール、ライブラリ、ドキュメントなどをまとめたパッケージ。MentraはSDKを提供することで、開発者がスマートグラス用アプリを構築できるようにしている。

クローズドエコシステム
特定の企業が管理・統制するプラットフォームで、外部開発者の参入やカスタマイズが制限されている環境。Meta Ray-Banなどが該当し、オープンエコシステムの対義語として使用される。

サードパーティ
製品やサービスの提供元とは異なる第三者の企業や開発者を指す。Mentraの場合、MentraOS上でアプリを開発する外部の開発者がサードパーティに該当する。

【参考リンク】

Mentra公式サイト(外部)
Mentra Liveスマートグラスの製品情報、MentraOSの詳細、MiniApp Storeへのアクセスを提供する公式サイト。

Y Combinator(外部)
シリコンバレーを代表するスタートアップアクセラレーター。Airbnb、Dropboxなど多数の有名企業を輩出。

Meta Ray-Ban Smart Glasses(外部)
MetaとRay-Banが共同開発したスマートグラスの製品ページ。現在市場シェア約60%を持つ主要製品。

GitHub – MentraOS(外部)
MentraOSのオープンソースリポジトリ。開発者向けのドキュメント、SDK、互換性情報を公開。

【参考記事】

Mentra’s first smart glasses are open-source and come with their own app store(外部)
Mentra Liveの技術仕様とMiniApp Storeの詳細を報じた記事。具体的なスペック情報を提供。

Smart Glasses Market Size, Share & Growth Report, 2030(外部)
スマートグラス市場の成長予測レポート。2024年19.3億ドルから2030年82.6億ドルへの成長を予測。

Your Ray-Ban Meta alternative is open-source, and that changes everything(外部)
Mentra LiveとMeta Ray-Banの比較分析記事。オープンソースアプローチの利点と課題を解説。

These $299 smart glasses best Ray-Ban Meta with YouTube livestreams, app store(外部)
299ドルの価格設定とYouTubeライブストリーミング機能に焦点を当てた記事。技術的特徴を報じている。

Mentra Live Smart Glasses Bank on Open-Source OS & MiniApp Store(外部)
MiniApp Storeのアプリケーション例と、開発者がSDKにアクセスできていた経緯を詳述。

Rokid Launches the World’s First Open AI Ecosystem Smart Glasses(外部)
競合製品であるRokid AI Glasses StyleのCES 2026発表を報じた記事。類似した市場戦略を示している。

6 Smart Glasses Arrivals In 2026 That Upend Wearables(外部)
2026年のスマートグラス市場動向を分析。Metaの市場シェア約60%、消費者向け成長予測を報告。

【編集部後記】

スマートフォンがアプリストアによって私たちの生活を変えたように、スマートグラスも同じ道を歩み始めています。Mentraのような挑戦を見ていると、次のコンピューティングプラットフォームが本格的に動き出していることを実感します。

みなさんは、スマートグラスで使いたいアプリを想像できますか?仕事での活用方法、クリエイティブな表現、あるいは日常生活をちょっと便利にする使い方など、可能性は無限に広がっています。オープンエコシステムだからこそ、ユーザーである私たち自身のアイデアが製品の進化を左右するかもしれません。この技術の未来に、あなたはどんな期待を持ちますか?

投稿者アバター
乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。

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