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Meta Quest 3、Horizon OS v85 PTCで「Surface Keyboard」テスト開始:机が仮想キーボードに

[更新]2026年2月4日

Horizon OS v85 PTC(公開テストチャンネル)で、Quest 3は実験的機能「Surface Keyboard(表面キーボード)」により机など任意の面の上へ仮想キーボードを生成できる。両手を面に置いて高さを較正し、指の圧力推定により高精度な入力が可能だという。

一方、仮想タッチパッドは誤検出(false positive(誤検出))が起きやすい。表示はホーム空間のみで、開発者向けAPIの有無は不明。Quest 3Sはアクションボタンの割り当て変更が可能になる見込みで、Navigatorのデフォルト化とHorizon Feed削除も進行中だ。

From: 文献リンクQuest 3 v85 PTC Can Turn Any Surface Into A Virtual Keyboard

【編集部解説】

今回のポイントは、Horizon OS v85 PTC(Public Test Channel(公開テストチャンネル))で、Quest 3の実験機能「Surface Keyboard(表面キーボード)」が“机やテーブル”に固定される形で出現し、手を置いたまま打てる入力体験を狙っている点です。UploadVRのテストでは精度が高いと評価される一方、併設の仮想タッチパッドは誤検出が多いという課題も示されています。さらに、この機能は現状ホーム空間に限定され、アプリ内で使えるAPIが提供されるかは不明です。

他の英語メディアでも、v85のベータ(PTC)で「机などの平面上に貼り付くタイプの仮想キーボード」がQuest 3に来ている、という説明は概ね一致しています。また現時点でQuest 3Sでは使えない点について、Quest 3にある深度センサーが関係している可能性が示唆されています

加えてMetaは以前から開発者向けに「Virtual Keyboard」を提供しており、アプリ側で一貫した入力体験を実装できるよう整備してきました。ただし、これは“浮遊型”の文脈で語られているため、Surface Keyboardが同じ範囲で開放されるかは現時点で不明です。

平面をキーボード化する際の最大の敵は「現実の机の高さ」と「仮想キーボード面」のわずかなズレです。ズレると、押したつもりが押せない/押していないのに押した扱いになる、という誤入力につながります。

今回の実装では、手を平らに置いて“高さキャリブレーション”を行い、その面にキーボードを生成します。UploadVRは「指の接触だけでなく圧力も予測しているように見える」と述べています。

この入力が効くのは、VRゲームよりもMRでの情報作業です。パススルーで現実の机を見ながら、検索・チャット・メモ・ログイン・短文返信を“手を置いた姿勢”でこなせると、入力の負担が下がります。ただし現状の制限として、Surface KeyboardはHorizon OSのホーム空間でのみ表示され、アプリ内での利用を可能にするAPIは確認できていません。ここが解放されるかどうかで、影響範囲は「OSの入力改善」に留まるのか「アプリUXの標準部品」へ拡張するのかが変わります。

ポジティブ面は明快で、Bluetoothキーボードなしでも「それなりの速度で、手を置いて打てる」ことです。Forbesも、マーカー不要になった点や早期の評判に触れています。一方リスクは、仮想タッチパッドの誤検出による意図しないクリックや入力です。とくに「送信」「購入」などの操作に結びつく導線では、OS/アプリ側の確認や取り消しやすさが重要になります。

また、入力体験のために手指や環境のトラッキングを多用することになります。今回の報道範囲では、どのデータが端末内処理され、どれが送信されるかは述べられていないため断定できませんが、入力に近い行為ほどプライバシー感度が高いのは確かです。

MR/VRは表示品質の競争が目立ちますが、日常利用を決めるのは入力の摩擦です。Metaは開発者向けにVirtual Keyboardを提供しており、入力を“プラットフォーム機能”として整備する方向性を明確にしています。Surface KeyboardがOS内の実験に留まらず、開発者向けに拡張されるなら、ログインや検索、チャットのUXが底上げされる可能性があります。

同時にQuest 3S側では「Action Buttonの割り当て変更」が示唆されています。入力が多様化すると、ハードボタンを状況に応じたショートカットへ割り当てたい需要は増えます。別機能に見えても「入力の再設計」という同じ流れに乗っていると読むのが自然です。

【用語解説】

Horizon OS:Meta Quest向けOS。UIや入力機能の基盤だ

Public Test Channel(公開テストチャンネル):未公開版ソフトを先行配信する参加型プログラム

Surface Keyboard(表面キーボード):机などの面上に仮想キーボードを生成し入力を支援する

仮想タッチパッド:Surface Keyboardに付随する操作面。誤検出が課題とされる

Navigator:Horizon OSの新UI。起動導線を統合しデフォルト化が進む

Horizon Feed:起動時フィード。v85以降で段階的に廃止される予定

depth sensor(深度センサー):奥行きを測るセンサー。Quest 3限定理由の仮説として挙がる

【参考リンク】

Meta Quest 3(公式製品ページ)(外部)
Quest 3の公式紹介ページ。仕様、購入、アクセサリ情報の入口になる

Meta Quest PTC: Early Access Program(外部)
PTC参加方法、注意点、離脱方法を説明する公式ヘルプだ

How to use the action button on Meta Quest 3S(外部)
Action Buttonの位置とパススルー切替という既定動作を説明する

Introducing the Virtual Keyboard | Meta Horizon OS Developers(外部)
開発者向けVirtual Keyboardの狙いと統合方法の入口だ

【参考記事】

Meta Quest 3 Gets A Futuristic New Feature(外部)
v85 PTCの平面に貼り付く仮想キーボードを紹介し限定理由の仮説にも触れる

Quest’s New ‘Navigator’ UI Becoming Default As Horizon Feed To Be Removed(外部)
Navigatorのデフォルト化とHorizon Feed廃止の方針を説明する

Researchers Say They’ve Solved Turning Any Surface Into A Keyboard(外部)
TouchInsight研究を紹介しマーカーなしの面上入力推定に触れる

Meta Research Turns Any Surface Into A Virtual Keyboard(外部)
2023時点の研究デモと入力課題の背景を整理する

Facebook Research: Type Fast In VR By Tapping Fingers On Any Surface(外部)
面上タイピング研究の系譜と予測モデル活用の背景を示す

【編集部後記】

Surface Keyboardがホーム空間だけに留まるのか、それともアプリ内へ広がるのかで、Questの“作業端末”度は一気に変わりそうです。実際に使うなら「誤検出は許容できる?」「机の材質や照明で精度は落ちる?」「入力が増えるほど手や周辺環境のデータは気になる?」──どこに期待・不安を感じますか。

投稿者アバター
乗杉 海
SF小説やゲームカルチャーをきっかけに、エンターテインメントとテクノロジーが交わる領域を探究しているライターです。 SF作品が描く未来社会や、ビデオゲームが生み出すメタフィクション的な世界観に刺激を受けてきました。現在は、AI生成コンテンツやVR/AR、インタラクティブメディアの進化といったテーマを幅広く取り上げています。 デジタルエンターテインメントの未来が、人の認知や感情にどのように働きかけるのかを分析しながら、テクノロジーが切り開く新しい可能性を追いかけています。

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