アイキャッチ画像:株式会社StepAI PRTIMESより引用
AI技術の真価は、導入することではなく成果を生み出すことにある。
株式会社StepAIが開始したAIコールセンターBPOサービスは、従来の「ツール提供」から「運用代行」へとビジネスモデルを転換し、企業が直面する導入と運用の壁を取り除く。技術を売るのではなく、技術による成果を売る——このアプローチは、AI活用の新たな地平を切り拓く可能性を秘めている。
株式会社StepAIは2026年2月4日、音声AIプラットフォーム「Reco」を活用した電話業務のBPOサービスを2月3日より提供開始したと発表した。
従来のAIコールツール導入とは異なり、AI電話の運用を丸ごと代行することで、企業の社内工数を最小化しながら24時間365日稼働で成果を提供する。対象業務は一次督促、初回ヒアリング、各種リマインダー、資料請求後の一次フォローなど電話業務の一次対応を中心とする。
料金体系は従量課金と成果報酬に対応し、最短2日で稼働開始が可能である。従来のAIツール導入では台本設計や例外対応、改善サイクルの運用が課題となっていたが、同社はこれらの運用を含めて一括で引き受ける形でサービスを提供する。
From:
人がいらないコールセンターへ。StepAI、RecoのAIコールBPOを提供開始
【編集部解説】
コールセンター業界が直面する構造的な課題に対し、StepAIは「ツール提供」ではなく「運用代行」という新しいアプローチを打ち出しました。これは単なるAI導入支援ではなく、電話業務そのものをアウトソーシングする形態です。
従来のAIコールシステムは、企業が自社でツールを導入し、台本作成や例外処理の設計、継続的な改善を行う必要がありました。しかし多くの企業にとって、これらの運用体制を構築・維持するコストは決して小さくありません。特に中小企業では、AIツールを導入しても十分に活用できず、投資対効果が得られないケースが少なくありませんでした。
StepAIのサービスは、この「導入と運用の壁」を取り除くことに焦点を当てています。企業は業務要件を伝えるだけで、台本設計から分岐処理、例外対応、さらには継続的な改善まで、すべてをStepAI側が担います。最短2日で稼働開始できるという迅速性も、従来のシステム導入プロジェクトとは一線を画します。
料金体系も注目に値します。従量課金と成果報酬の組み合わせにより、企業は初期投資を抑えながら小規模な検証から始められます。成果が出た分だけコストが発生する仕組みは、AIへの投資に慎重な企業にとって心理的なハードルを大きく下げるでしょう。
24時間365日稼働という点も重要です。人的リソースでは実現困難な夜間・休日対応をAIが担うことで、顧客接点の機会損失を防ぎます。一次督促やリマインダー、資料請求後のフォローといった、定型的でありながら人手不足で後回しにされがちな業務を、確実に実行できる体制が整います。
ただし、AIによる電話対応には限界もあります。複雑な問い合わせや感情的な配慮が必要な場面では、依然として人間のオペレーターが必要です。StepAIのサービスは「一次対応」に焦点を絞ることで、AIの得意領域を活かしながら現実的な価値を提供する戦略と言えます。
この動きは、AI活用における新たなビジネスモデルの可能性を示唆しています。技術そのものを売るのではなく、技術を使った「成果」を売る。このアプローチは、今後さまざまな業務分野でAI活用を加速させる鍵となるかもしれません。
【用語解説】
BPO(Business Process Outsourcing)
企業の業務プロセスを外部の専門業者に委託すること。コールセンター業務、経理、人事など、非中核業務を外部化することでコスト削減や効率化を図る手法である。
音声AIプラットフォーム
音声認識、自然言語処理、音声合成などのAI技術を統合し、人間との音声対話を自動化するシステム基盤。電話応対、音声アシスタント、コールセンター業務などに活用される。
従量課金
サービスの利用量に応じて料金が発生する課金方式。架電件数や通話時間など、実際に使用した分だけを支払う仕組みで、固定費を抑えられる利点がある。
成果報酬
サービスの成果に応じて料金が発生する課金方式。アポイント獲得数や契約成立数など、具体的な成果が出た場合にのみ費用を支払う仕組みである。
【参考リンク】
株式会社StepAI公式サイト(外部)
AIを活用した音声・電話業務自動化サービスを提供する企業。音声AIプラットフォーム「Reco」を用いたBPOサービスを展開している。
StepAI プレスリリース(外部)
2026年2月4日発表の公式プレスリリース。AIコールBPOサービスの詳細や料金体系、利用ステップについて説明されている。
【編集部後記】
AI活用の本質は「技術を導入すること」ではなく「成果を生み出すこと」にあります。StepAIの取り組みは、その実現方法を根本から問い直すものです。
みなさんの組織でも、導入したツールが十分に活用されず眠っている、あるいは運用負担が大きくて新技術に踏み出せない、といった経験はないでしょうか。今回のような「運用込み」のサービスモデルは、AI活用の新しい選択肢として、多くの企業にとって現実的な一歩になるかもしれません。






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