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Mighty Hornet IV攻撃ドローン、KratosとNCSISTが統合試験に成功

[更新]2026年2月8日

Mighty Hornet IV攻撃ドローン、KratosとNCSISTが統合試験に成功

Kratos Defense & Security Solutionsと台湾のNational Chung-Shan Institute of Science and Technology(NCSIST)は、2026年2月5日に統合型Mighty Hornet IV攻撃UAVの試験に成功した。

これはKratosのMQM-178 Firejet標的ドローンを変革したもので、NCSISTが提供するペイロードとミッションシステムを機体に統合し検証した。数か月にわたる計画、設計、サブシステム試験を経て、今後の飛行試験の基準を確立した。

MQM-178 Firejetドローンはマッハ0.8の速度、高G機動性、35,000フィートの運用高度上限を備える。今年後半に本格的な飛行試験に進む予定で、NCSISTの技術チームは今週Kratosのオクラホマシティ施設を訪れ、飛行試験段階の要件セットと設計を最終決定した。

From: 文献リンクKratos and NCSIST Successfully Test Mighty Hornet IV Attack Drone

アイキャッチはKratos 公式プレスリリースより引用

【編集部解説】

今回の試験成功は、訓練用の標的ドローンを実戦用の攻撃UAVへと転用するという、ユニークなアプローチを採用した点で注目に値します。

MQM-178 Firejetは元々、対空ミサイルや対空砲の訓練で「撃たれる側」として設計された小型の標的ドローンです。全長わずか3.3メートル、翼幅1.9メートルという小型の機体を、台湾NCSISTが開発したペイロードと統合することで、攻撃能力を持つシステムへと生まれ変わらせています。

重要なのは、このプロジェクトが「affordable mass」(低コストで大量生産可能)というコンセプトを中核に据えている点です。台湾では「剣峰IV」という名称で呼ばれるこのシステムは、成熟した既存技術を活用することで、コンセプトから機能するシステムへの開発期間を大幅に短縮しています。公式発表によれば、数か月の計画・設計・サブシステム試験を経て、設計変更なしにペイロード統合の検証に成功したとのことです。

この開発スピードは、新規設計から始める従来のアプローチと比較して圧倒的に速く、緊急性の高い防衛ニーズに迅速に対応できる利点があります。標的ドローンとして既に量産体制が確立されているMQM-178を基盤とすることで、生産コストの削減と納期の短縮が同時に実現可能となります。

性能面では、改造されたMQM-178がマッハ0.8の速度(元の標的ドローン仕様より向上)、35,000フィート以上の運用高度、高G機動性を実現しています。これにより、従来の標的ドローンの用途を超え、スタンドオフ型の攻撃任務への適用が検討される性能水準に達していることが示唆されます。

台湾にとって、このような低コストで大量配備可能な攻撃UAVは、非対称戦略の重要な要素となります。限られた防衛予算の中で、多数の機体を同時に運用することを想定したシステムとして位置づけられているからです。

地政学的な文脈では、この米台協力は両国の防衛パートナーシップの深化を象徴しています。最終目標として想定されているのは、台湾に大量のMighty Hornet IVシステムを配備することで、抑止力としても実戦配備の即応性としても機能させることです。2026年後半に予定されている本格的な飛行試験の成功により、量産体制への移行が加速する可能性があります。

アジア太平洋地域の安全保障環境が緊張を増す中、このような実用的な防衛システムの迅速な配備は、地域の軍事バランスに影響を与える要素となるでしょう。

【用語解説】

UAV(Unmanned Aerial Vehicle)
無人航空機のこと。操縦者が搭乗せず、遠隔操作または自律飛行によって運用される航空機を指す。ドローンとも呼ばれる。軍事用途では偵察、攻撃、標的訓練など多様な任務に使用される。

スタンドオフ攻撃
敵の防空圏外から長距離ミサイルや無人機を用いて攻撃を行う戦術。攻撃側の損害リスクを最小化できる利点がある。

非対称戦略
軍事力で劣る側が、相手の弱点を突く戦術や、低コストで大量配備可能な兵器を活用することで優位に立とうとする戦略。台湾のような小国が大国に対抗する際に重要な概念となる。

【参考リンク】

Kratos Defense & Security Solutions(外部)
米国の防衛・国家安全保障企業。無人航空システム、衛星通信などを開発。

Kratos Firejet製品ページ(外部)
MQM-178 Firejetの公式ページ。標的ドローンの仕様と性能を掲載。

National Chung-Shan Institute of Science and Technology(外部)
台湾の国家中山科学研究院。台湾の国防研究開発を担う政府機関。

【参考記事】

Kratos, NCSIST Team Successfully Test Integrated Mighty Hornet IV System(外部)
Kratos公式プレスリリース。低コスト大量生産による台湾配備が最終目標と明記。

Kratos, NCSIST Team Successfully Test Integrated Mighty Hornet IV System(外部)
設計変更なしでペイロード統合に成功。オクラホマシティ施設で最終決定と報告。

Taiwan Kratos Mighty Hornet IV Attack Drone Test Strengthens Defense Against China(外部)
台湾防衛戦略における位置づけを解説。台湾名「剣峰IV」の詳細を報告。

Taiwan, Kratos integrate system payload into Mighty Hornet IV UAV(外部)
Jane’sによる分析。数か月の試験を経て2026年後半に飛行試験と説明。

【編集部後記】

無人航空機技術の進化は、軍事だけでなく民生分野にも大きな影響を与えています。訓練用ドローンを攻撃システムに転用するというアプローチは、既存技術の創造的な再利用という点で興味深いですね。

皆さんは、こうした「低コスト大量生産」というコンセプトが、今後の防衛戦略や技術開発にどのような変化をもたらすと思われますか?また、民生用ドローン技術との相互影響についても、考えてみる価値がありそうです。無人システムが担う役割の拡大は、私たちの社会にどんな未来をもたらすのでしょうか。

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TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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