Canva Craftを日本語チラシで試した|文字は正確、頼まない提供時間も追加

[最終更新]

Googleで優先するソースとして追加するボタン

DesignArenaの画像部門で4位に入ったCanvaの画像生成モデル「Canva Craft」で、日本語のチラシを作ってみました。指定した日本語は4枚とも正確でした。ところが、頼んでもいない提供時間や産地まで、もっともらしく書き込まれていました。

発表の翌日、日本語のチラシで試しました

2026年10月22日(米国時間)に発表されたCanvaの画像生成モデル「Canva Craft」を、実際に使ってみました。発表を伝えた記事で、私は「日本語の組版がどこまで整うかは、実際に試して確かめたい」と書きました。その答え合わせです。

題材には、カフェの秋の新メニューを知らせるチラシを選びました。指定する日本語は「秋の新メニュー」と「10月25日スタート」の2つです。試したのは2026年10月23日で、画面や機能はこの時点のものです。

Dream Labでは、モデルはCraftに固定されていました

Canva Craftは、Canvaのホーム画面の左メニューにある「ドリームラボ」(Dream Lab)から使います。開くと入力欄の下に「スタイル」「縦横比」「モデル」の3つの設定が並びます。

ドリームラボの入力画面
ドリームラボの入力画面(筆者撮影)

モデルの欄には「Canva Craft-1 2K」と表示され、押しても選択肢は出ませんでした。少なくとも今回使った環境では、Craft以外のモデルを選べませんでした。発表で予告された高速版のCraft-fastとCraft-ultrafastは、この時点では見当たりませんでした。

スタイルは「調整なし」を含めて20種類あり、シネマティック、イラスト、3Dレンダリング、ポップアート、ベクターなどが並びます。見本がすべて同じアヒルのおもちゃなので、違いを見比べやすい一覧です。

スタイルの一覧
スタイルの一覧(筆者撮影)

縦横比は16:9、9:16、1:1、4:3、3:4、2:1の6種類でした。Canvaは発表で「30種類以上のアスペクト比に対応」としていますが、ドリームラボのメニューで選べるのは6種類です。モデルの対応範囲と、画面で選べる範囲には差があるようです。

縦横比の一覧
縦横比の一覧(筆者撮影)

指示を入力すると、品質の設定も現れます。「標準」「高品質」「最高品質」の3段階で、最初は「高品質」が選ばれています。画面の説明によると、品質によってAIの利用枠の消費量が変わりますが、1回あたりの消費量は表示されていませんでした。

AIの品質の設定
AIの品質の設定(筆者撮影)

指定した日本語は、4枚とも正確でした

スタイルは「調整なし」、縦横比は3:4、品質は「高品質」で、次の指示を送りました。

カフェの秋の新メニューを知らせるチラシ。中央にかぼちゃのパンケーキの写真、上に大きく「秋の新メニュー」、下に「10月25日スタート」と入れる

体感では約45秒で4枚の案が出ました。「秋の新メニュー」「10月25日スタート」は、4枚とも誤字も崩れもありませんでした。見出しの帯、商品名の丸いバッジ、秋の葉の飾りまで入り、店頭に貼るチラシに近い構成です。

生成された4枚のチラシ
生成された4枚のチラシ(筆者撮影)

小さな文字も、拡大すると読める形で描かれていました。人が作ったテンプレートを学習データに含めたという発表のとおり、チラシらしい情報の置き方を身につけている印象を受けます。

頼んでいない提供時間まで、書き込まれていました

ただし、仕上がりを細かく見ると、指示していない文字がたくさん入っていました。

  • 英字の飾り:「AUTUMN SPECIAL」「AUTUMN LIMITED」
  • 商品名:「濃厚かぼちゃのモンブランパンケーキ」など
  • 時間:3枚は「11:00〜18:00」、1枚は「11:00-17:00」
  • 条件と産地:「数量限定・イートインのみ」「北海道産えびすかぼちゃ使用」

どれも、もっともらしい文章です。しかし、AIが補ったもので、実在のお店について確かめた情報ではありません。実際のお店でそのまま印刷すれば、提供時間や産地が事実と違うチラシになるおそれがあります。生成した画像は、文字を一つずつ確かめてから使う必要があります。

「指定した2つ以外の文字は入れない」で、文字は絞れました

そこで、同じ指示の最後に一文だけ足して、もう一度生成しました。

指定した2つ以外の文字は入れない

結果は、4枚とも「秋の新メニュー」と「10月25日スタート」の2つだけになりました。英字の飾りも、商品名も、時間も入っていません。

文字を絞って生成した4枚
文字を絞って生成した4枚(筆者撮影)

そのぶん商品名のバッジなどがなくなり、すっきりした構成になりました。今回のように入れる文字が決まっているなら、最初から絞って頼むのがよさそうです。この一度の比較では、文字を絞る指示が余計な情報を減らすのに役立ちました。にぎやかさがほしいときは何も足さず、余計な情報を避けたいときは絞る、という使い分けが考えられます。

マジックレイヤーで、画像の文字を書き換えられました

最初の4枚から1枚を選び、「エディターで開く」で編集画面に移しました。大きさは1760×2336ピクセルです。この時点では1枚の画像として置かれ、文字をクリックしても画像全体が選ばれます。

編集画面に移したチラシ
編集画面に移したチラシ(筆者撮影)

画像を選んで「編集」を押し、「画像を編集」パネルの「マジックレイヤー」(Magic Layers)を実行しました。体感では約20秒で、見出し、写真、帯、飾りの葉などが、別々の部品に分かれました。

部品に分かれたチラシ
部品に分かれたチラシ(筆者撮影)

カフェタイムの時間は、文字として選べるようになっていました。試しに「11:30〜17:00」に書き換えると、その部分だけを直せました。生成した1枚が、直せるデザインの素材に変わった瞬間です。

カフェタイムの時間を書き換えた画面
カフェタイムの時間を書き換えた画面(筆者撮影)

一方で、変換後の文字は、似た書体の文字に置き換わります。今回は見出しの字の間隔が広がって飾りの葉と重なり、商品名もバッジの枠からはみ出し気味になりました。元の雰囲気に戻すには、文字の大きさや位置を少し整える一手間がいります。

生成と編集が、ひと続きになりました

試してみて最も印象に残ったのは、生成から修正までがCanvaの中で途切れずにつながることです。

文字入りの画像を作れる生成AIは、ほかにもあります。Canvaによると、マジックレイヤーはChatGPTやGeminiで作った画像にも使えます。それでもCraftなら、生成した画像をそのままマジックレイヤーで部品に分け、いつもの編集画面で仕上げるところまで、Canvaの中で完結します。前回の記事で、Craftは「デザインとして使える絵」を目指していると書きました。その意味は、この流れの中で初めて実感できました。

日本語の文字は、少なくとも今回の題材では正確でした。残る課題は、AIが気を利かせて書き足す情報との付き合い方です。絞って頼むか、生成後に直すか。その選び方を知っていれば、Craftはチラシづくりの頼もしい下書き役になりそうです。

次回は、ChatGPTやGeminiの画像生成にも同じ指示を出し、Craftと並べて比べてみます。題材には、文字と配置の多いインフォグラフィックも加える予定です。

【関連記事】

Canva、自社開発の画像生成モデル「Canva Craft」を公開 DesignArena画像部門で4位
Canva Craftの発表を伝えた記事。テンプレートを含む学習データ、2段階の生成方式、DesignArenaの順位の読み方を解説した。

Canva、AI画像生成ハブ「Dream Lab」始動 – Leonardo.aiの技術統合で高解像度デザインが実現
2024年10月、Leonardo.aiの技術を統合したAI画像生成ハブ「Dream Lab」の始動を伝えた記事。Craftの提供先だ。

【編集部後記】

Craftが書き足した時間は、3枚が11時から18時、1枚が11時から17時でした。頼んでもいないのにカフェタイムや提供時間の欄を用意したのは、チラシにはこうした情報が載るものだと学んでいるからではないか、と私は想像しています。

テンプレートで学んだ強みは、そのまま「埋めたくなる欄」の多さでもあるのでしょう。空欄を見ると埋めたくなるAIに、どこまでを任せ、どこから先を自分で書くのか。その線引きこそ、これからのデザインの腕の見せどころになるのかもしれません。

【用語解説】

ドリームラボ(Dream Lab)
Canvaに組み込まれたAI画像生成の機能。2024年に提供が始まり、2026年10月からはCanva Craftもここから利用できる。

マジックレイヤー(Magic Layers)
Canvaの機能。1枚の画像から文字や写真、飾りなどを読み取り、個別に動かしたり書き換えたりできる部品に分けて組み立て直す。

縦横比(アスペクト比)
画像の横と縦の長さの比。3:4は縦長で、チラシなどの印刷物に近い形になる。

【参考リンク】

Canva(キャンバ)(外部)
オーストラリア発のオンラインデザインツール。テンプレートを使い、SNS画像やプレゼン資料、チラシなどをブラウザ上で作成できる。

Introducing Canva Craft(外部)
Canva Craftの公式発表。2段階の生成方式、学習データ、DesignArenaでの順位、提供方法と今後の予定をまとめている。

DesignArena 画像リーダーボード(外部)
AI生成デザインのクラウドソース型ベンチマーク。同じプロンプトの画像を匿名で比べ、利用者の投票で各モデルを順位付けしている。

Googleで優先するソースとして追加するボタン
投稿者アバター
山本 達也 代表社員
合同会社デジタルの窓口 代表。ウェブ解析士。生成AI・サイバーセキュリティ・ 宇宙開発領域を中心に執筆。

おすすめ記事