IBMのAIへの取り組み、Watsonxの実力と他のAIとの比較分析。個人での使用は?

[更新]2025年7月16日18:54

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IBMのAI研究の歴史

IBMは長年にわたりAI分野の研究開発を行ってきました。1997年に日本で開発されたテキストマイニング技術「TAKMI」がWatsonの基礎となり、2011年にはクイズ番組でWatsonが人間のチャンピオンに勝利するなど、AIの先駆者的存在でした。そして2023年5月、年次イベント「Think 2023」で企業向けAI・データプラットフォーム「IBM watsonx」を発表しました。

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watsonxの特徴

  1. 統合されたAI開発環境:AIの開発、デプロイ、管理を支援するツールやサービスを統合した環境を提供しています。企業はAIを自社のビジネスに迅速かつ簡単に導入可能です。
  2. マルチ基盤モデルアプローチ:IBM独自の基盤モデル、サードパーティーのモデル、オープンソースのモデルなど、複数の基盤モデルを1つのプラットフォーム上で扱えます。
  3. 企業独自データでのカスタマイズ・拡張:企業独自のデータを用いてAIをカスタマイズ・拡張できる点が大きな強みです。
  4. Red Hat OpenShift上に構築:クラウドだけでなくオンプレミスやエッジ環境でも利用可能です。
  5. 責任あるAIワークフローの構築:AIガバナンスツールキットにより、透明性や説明可能性を備えたAIを実現します。
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watsonxの機能

  • watsonx.ai:AIモデルの開発・トレーニング・デプロイを行うAI開発プラットフォームです。
  • watsonx.data:オープンなレイクハウスアーキテクチャに基づくデータストアです。
  • watsonx.governance:責任あるAIワークフローの構築を支援するAIガバナンスツールキットです。

具体的な使用例

  1. 人事管理やIT運用の自動化:watsonxを活用し、業務を大幅に効率化します。
  2. ゴルフのマスターズ・トーナメントでのAI分析・予測提供:watsonxを活用し、ファンに詳細な分析や予測を提供しています。
  3. イタリアの通信会社Wind TreやESPNのファンタジーフットボールアプリでの活用事例があります。
  4. 第66回グラミー賞での候補者に関する編集コンテンツ生成にも利用されました。
  5. レガシーシステムのモダナイゼーション:COBOLアプリケーションのJavaへの変換などに利用可能です。
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他社AIプラットフォームとの比較

watsonxは、AWS、Google、Microsoft、OpenAIなどが提供する同様のサービスと比較すると、以下のような特徴があります。

  • エンドツーエンドのAIワークフローの実現や、クラウドだけでなくオンプレミス・エッジ環境への対応などが差別化ポイントです。
  • 言語モデルだけでなくエンタープライズのAIニーズ全般に対応しようとしている点がOpenAIとの違いです。
  • 他社は部分的な機能に注力しているのに対し、watsonxは包括的なプラットフォームを目指しています。
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個人での利用は?

watsonx.aiは基本的に企業向けのサービスですが、一部の機能については個人でも無料で利用可能です。具体的には、Watson Machine Learningの無料枠を利用することで、月に25,000トークンまでは無料でwatsonx.aiを利用できます。

ただし、これはあくまでも試用的な利用を想定したものであり、本格的な個人利用には向いておりません。watsonx.aiは企業のAI開発・運用を支援するための機能を豊富に備えており、個人の利用ニーズに合わない可能性が高いです。

また、無料枠を超えると料金が発生するため、個人で継続的に利用するのは現実的ではないでしょう。

watsonx.aiを個人で利用する場合は、以下の点に注意が必要です。

  1. 利用可能な機能が限定的であること
  2. 無料枠を超えると料金が発生すること
  3. 企業向けの機能が多いため、個人の利用ニーズに合わない可能性があること

したがって、個人でAIを利用したい場合は、OpenAIのAPIなど、個人利用に適したサービスを検討するのが賢明だと言えます。watsonx.aiは、あくまでも企業のAI活用を支援するためのプラットフォームであることを理解しておく必要があります。

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まとめ

IBMは長年のAI研究の蓄積をベースに、企業のAI活用を包括的に支援するプラットフォームとしてwatsonxの提供を開始しました。統合されたAI開発環境、マルチ基盤モデルアプローチ、企業独自データでのカスタマイズ性、クラウドからエッジまでの対応、AIガバナンス機能など、他社との差別化を図っています。

人事管理やIT運用の自動化、スポーツ分野での分析・予測提供、レガシーシステムのモダナイゼーションなど、幅広い分野での活用が期待されます。OpenAIとは異なり、言語モデルだけでなくエンタープライズのAIニーズ全般に対応しようとしている点も特徴です。

個人での利用は一部の機能に限定され、試用的な位置づけとなります。本格的な個人利用には向いておらず、企業のDXを加速する強力なツールとして位置づけられます。

今後のwatsonxの動向から目が離せません。IBMのエンタープライズ向けの技術力とサービス基盤を生かしつつ、最新の生成AIにも対応した総合的なAIプラットフォームとして、企業のAI活用の選択肢を広げていくことでしょう。

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【参考サイト】
IBM® watsonx™
IBM watsonx.aiを使ってみた

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TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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