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IBMのAIへの取り組み、Watsonxの実力と他のAIとの比較分析。個人での使用は?

IBMのAIへの取り組み、Watsonxの実力と他のAIとの比較分析。個人での使用は? - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2024-04-22 14:24 by admin

IBMのAI研究の歴史

IBMは長年にわたりAI分野の研究開発を行ってきました。1997年に日本で開発されたテキストマイニング技術「TAKMI」がWatsonの基礎となり、2011年にはクイズ番組でWatsonが人間のチャンピオンに勝利するなど、AIの先駆者的存在でした。そして2023年5月、年次イベント「Think 2023」で企業向けAI・データプラットフォーム「IBM watsonx」を発表しました。

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DALLE 2024 04 10 100125 Revise the quiz show scene to feature only two Japanese human contestants both displaying expressions of surprise and admiration towards a victorious

watsonxの特徴

  1. 統合されたAI開発環境:AIの開発、デプロイ、管理を支援するツールやサービスを統合した環境を提供しています。企業はAIを自社のビジネスに迅速かつ簡単に導入可能です。
  2. マルチ基盤モデルアプローチ:IBM独自の基盤モデル、サードパーティーのモデル、オープンソースのモデルなど、複数の基盤モデルを1つのプラットフォーム上で扱えます。
  3. 企業独自データでのカスタマイズ・拡張:企業独自のデータを用いてAIをカスタマイズ・拡張できる点が大きな強みです。
  4. Red Hat OpenShift上に構築:クラウドだけでなくオンプレミスやエッジ環境でも利用可能です。
  5. 責任あるAIワークフローの構築:AIガバナンスツールキットにより、透明性や説明可能性を備えたAIを実現します。
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DALLE 2024 04 10 095653 Illustrate a futuristic platform representing IBM Watsonx showcasing multiple AI models data management and governance tools This platform is in t

watsonxの機能

  • watsonx.ai:AIモデルの開発・トレーニング・デプロイを行うAI開発プラットフォームです。
  • watsonx.data:オープンなレイクハウスアーキテクチャに基づくデータストアです。
  • watsonx.governance:責任あるAIワークフローの構築を支援するAIガバナンスツールキットです。

具体的な使用例

  1. 人事管理やIT運用の自動化:watsonxを活用し、業務を大幅に効率化します。
  2. ゴルフのマスターズ・トーナメントでのAI分析・予測提供:watsonxを活用し、ファンに詳細な分析や予測を提供しています。
  3. イタリアの通信会社Wind TreやESPNのファンタジーフットボールアプリでの活用事例があります。
  4. 第66回グラミー賞での候補者に関する編集コンテンツ生成にも利用されました。
  5. レガシーシステムのモダナイゼーション:COBOLアプリケーションのJavaへの変換などに利用可能です。
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DALLE 2024 04 10 082835 Visualize a scene where the gallery of spectators is participating in a futuristic golf competition through an online virtual environment People are

他社AIプラットフォームとの比較

watsonxは、AWS、Google、Microsoft、OpenAIなどが提供する同様のサービスと比較すると、以下のような特徴があります。

  • エンドツーエンドのAIワークフローの実現や、クラウドだけでなくオンプレミス・エッジ環境への対応などが差別化ポイントです。
  • 言語モデルだけでなくエンタープライズのAIニーズ全般に対応しようとしている点がOpenAIとの違いです。
  • 他社は部分的な機能に注力しているのに対し、watsonxは包括的なプラットフォームを目指しています。
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DALLE 2024 04 10 095523 Create a comparison chart featuring the logos of IBM watsonx AWS Google Microsoft and OpenAI Beside each logo include icons and brief text highl

個人での利用は?

watsonx.aiは基本的に企業向けのサービスですが、一部の機能については個人でも無料で利用可能です。具体的には、Watson Machine Learningの無料枠を利用することで、月に25,000トークンまでは無料でwatsonx.aiを利用できます。

ただし、これはあくまでも試用的な利用を想定したものであり、本格的な個人利用には向いておりません。watsonx.aiは企業のAI開発・運用を支援するための機能を豊富に備えており、個人の利用ニーズに合わない可能性が高いです。

また、無料枠を超えると料金が発生するため、個人で継続的に利用するのは現実的ではないでしょう。

watsonx.aiを個人で利用する場合は、以下の点に注意が必要です。

  1. 利用可能な機能が限定的であること
  2. 無料枠を超えると料金が発生すること
  3. 企業向けの機能が多いため、個人の利用ニーズに合わない可能性があること

したがって、個人でAIを利用したい場合は、OpenAIのAPIなど、個人利用に適したサービスを検討するのが賢明だと言えます。watsonx.aiは、あくまでも企業のAI活用を支援するためのプラットフォームであることを理解しておく必要があります。

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DALLE 2024 04 10 095458 Create a split screen image On one side depict a corporate office filled with professionals using advanced technology symbolizing the enterprise fo

まとめ

IBMは長年のAI研究の蓄積をベースに、企業のAI活用を包括的に支援するプラットフォームとしてwatsonxの提供を開始しました。統合されたAI開発環境、マルチ基盤モデルアプローチ、企業独自データでのカスタマイズ性、クラウドからエッジまでの対応、AIガバナンス機能など、他社との差別化を図っています。

人事管理やIT運用の自動化、スポーツ分野での分析・予測提供、レガシーシステムのモダナイゼーションなど、幅広い分野での活用が期待されます。OpenAIとは異なり、言語モデルだけでなくエンタープライズのAIニーズ全般に対応しようとしている点も特徴です。

個人での利用は一部の機能に限定され、試用的な位置づけとなります。本格的な個人利用には向いておらず、企業のDXを加速する強力なツールとして位置づけられます。

今後のwatsonxの動向から目が離せません。IBMのエンタープライズ向けの技術力とサービス基盤を生かしつつ、最新の生成AIにも対応した総合的なAIプラットフォームとして、企業のAI活用の選択肢を広げていくことでしょう。

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【参考サイト】
IBM® watsonx™
IBM watsonx.aiを使ってみた

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TaTsu
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