Last Updated on 2024-05-16 10:21 by admin
Palo Alto NetworksとIBMはAIパワードのセキュリティソリューションを提供するためのパートナーシップを発表した。このパートナーシップは、デジタルトランスフォーメーションとAIの成長に伴うセキュリティ課題に対応することを目的としている。両社はAIを基盤としたセキュリティプラットフォームを提供し、セキュリティオペレーションの効率化、脅威の迅速な停止、インシデント対応の加速を図る。このパートナーシップにより、Palo Alto NetworksはIBMのQRadar SaaSアセットを取得し、顧客の移行を支援する。
IBMはPalo Alto Networksのセキュリティプラットフォームを採用し、自社のセキュリティオペレーションを強化する。IBMの専門家は、watsonx、ITオートメーション、脅威インテリジェンスを活用して、このプラットフォームの採用を促進し、自社のコンサルティングサービスプラットフォームに統合する予定である。
さらに、IBMとPalo Alto Networksは共同のセキュリティオペレーションセンターを設立し、マネージドSOCやサイバーレンジなどのサービスを提供する。IBMはこのセンターを通じて、マネージドセキュリティサービスプロバイダ(MSSP)として顧客にサービスを提供し、watsonxやITオートメーション、脅威インテリジェンスを活用したアドバイザリーサービスを強化する。
【ニュース解説】
Palo Alto NetworksとIBMがAIを駆使したセキュリティソリューションの提供に向けてパートナーシップを結ぶことを発表しました。この提携は、デジタルトランスフォーメーションとAI技術の進展に伴い、企業が直面する複雑で高度なセキュリティ課題に対応するためのものです。具体的には、Palo Alto NetworksがIBMのQRadar SaaSアセットを取得し、IBMはPalo Alto Networksのセキュリティプラットフォームを自社で採用することで、双方の技術とサービスを組み合わせたセキュリティ対策を強化します。
このパートナーシップにより、AIを基盤としたセキュリティプラットフォームが提供されることになります。これにより、セキュリティオペレーションの効率化、脅威の迅速な検出と停止、インシデント対応の加速が可能になります。また、IBMとPalo Alto Networksは共同でセキュリティオペレーションセンターを設立し、マネージドSOCサービスやサイバーレンジを通じて、顧客がセキュリティ製品の価値を深く理解できるよう支援します。
この提携は、セキュリティ業界におけるAIの活用を加速させることが期待されます。AI技術を活用することで、従来の手法では対応が難しかった高度な脅威に迅速に対処できるようになり、セキュリティオペレーションの自動化と効率化が進みます。これにより、企業はセキュリティリスクをより効果的に管理し、ビジネスのデジタル化を安全に進めることができるようになります。
しかし、AIを活用したセキュリティソリューションには、AI技術の進化に伴う新たなリスクや課題も存在します。例えば、AIモデルが誤った判断をする可能性や、AIシステム自体が攻撃の対象となる可能性があります。そのため、AI技術をセキュリティに活用する際には、これらのリスクを適切に管理し、AIシステムの透明性と説明責任を確保することが重要です。
また、このような提携は、セキュリティ業界における規制や基準にも影響を与える可能性があります。AI技術の活用が進むにつれて、AIに関する規制やガイドラインの整備が求められるようになるでしょう。これにより、セキュリティソリューションの提供者だけでなく、利用する企業にも、新たなコンプライアンス要件が課される可能性があります。
長期的には、このパートナーシップが示すようなAIを活用したセキュリティソリューションの普及は、企業が直面するセキュリティ課題に対するアプローチを根本的に変える可能性があります。AI技術の進化により、より高度で効果的なセキュリティ対策が可能になる一方で、新たな技術的、倫理的、規制上の課題に対応する必要があります。このため、技術革新とリスク管理のバランスを取りながら、セキュリティ業界の発展を促進することが重要です。
from Palo Alto Networks and IBM to Jointly Provide AI-Powered Security Offerings.