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病理学向けAI「PathChat」が診断支援で画期的成果、他モデルを圧倒

病理学向けAI「PathChat」が診断支援で画期的成果、他モデルを圧倒 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2024-06-21 15:43 by 荒木 啓介

PathChatは、病理学に特化した大規模言語モデル(LLM)で、Brigham and Women’s HospitalのMahmood Labで開発された。このモデルは、病理学者が腫瘍や他の重篤な状態を同定、評価、診断するサポートを提供することができる。

性能評価では、PathChatは画像のみのプロンプトで78%、画像にコンテキストが追加された場合は89.5%の正確さを示した。ChatGPT-4V、LLaVA、LLaVA-Medとの比較では、どちらの評価設定でも優れたパフォーマンスを発揮し、特に画像のみのプロンプトではLLaVAよりも52%以上、LLaVA-Medよりも63%以上優れた結果を示した。

PathChatは、病理学的な知識を活用して病変の特徴を特定し、病理学の研究において画像の特徴を要約し、形態学的マーカーの数量化と解釈をサポートすることができる。

改善と将来展望に関しては、幻覚の問題が存在するものの、人間のフィードバックからの強化学習(RLHF)やretrieval augmented generation(RAG)を用いたトレーニングによって改善される可能性がある。PathChatは、デジタルスライドビューアや電子健康記録との統合、さらには他の医療画像の専門分野やゲノミクス、プロテオミクスなどのデータモダリティへの機能拡張が期待されている。研究者は、モデルの振る舞いを人間の意図とより一致させるために大量のフィードバックデータを収集し、専門の病理学者と協力してPathChatの能力と有用性を包括的に評価する予定である。

【ニュース解説】

Brigham and Women’s HospitalのMahmood Labで開発されたPathChatは、病理学に特化した大規模言語モデル(LLM)であり、病理学者が腫瘍や他の重篤な状態を同定、評価、診断する際のサポートを提供することができる技術です。このモデルは、画像のみのプロンプトで78%、画像にコンテキストが追加された場合は89.5%の正確さを示し、既存のモデルと比較しても優れたパフォーマンスを発揮しました。

PathChatは、病理学的な知識を活用して病変の特徴を特定し、病理学の研究において画像の特徴を要約し、形態学的マーカーの数量化と解釈をサポートすることができます。これにより、病理学者はより迅速かつ正確に診断を下すことが可能になり、特に複雑なケースやリソースが限られている環境での医療提供に大きな影響を与えることが期待されます。

しかし、PathChatの開発にはまだ課題があります。特に、モデルが不正確な情報を生成する「幻覚」と呼ばれる問題が存在します。これは、人間のフィードバックからの強化学習(RLHF)や、最新の知識を取り入れた継続的なトレーニングによって改善される可能性があります。

将来的には、PathChatの機能をデジタルスライドビューアや電子健康記録と統合すること、さらには他の医療画像の専門分野やゲノミクス、プロテオミクスなどのデータモダリティへの機能拡張が期待されています。これにより、PathChatは病理学だけでなく、広範な医療分野においても重要な役割を果たすことになるでしょう。

研究者たちは、モデルの振る舞いを人間の意図とより一致させるために大量のフィードバックデータを収集し、専門の病理学者と協力してPathChatの能力と有用性を包括的に評価する予定です。これにより、PathChatはさらに精度を高め、より広範な病理学的状態に対応できるようになることが期待されます。このような進化は、将来の医療分野におけるAIの役割を大きく変える可能性を秘めています。

from New medical LLM, PathChat 2, can talk to pathologists about tumors, offer diagnoses.


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