Last Updated on 2024-09-07 04:06 by admin
2024年9月6日、オンラインゲームプラットフォームRobloxは、3D環境を瞬時に構築する生成AIツールを発表した。このツールは、Roblox Studioで利用可能な2つの新機能として提供される。
- Avatar Auto Setup:3Dモデルを自動的にアバターとしてセットアップする機能。従来数日かかっていた作業を数分で完了させる。
- Texture Generator:テキストプロンプトに基づいて3Dオブジェクトのテクスチャを生成する機能。約30秒で処理が完了する。
これらのツールは、Robloxの500万人以上の開発者とクリエイターが利用可能となる。Robloxの創造エンジニアリング担当副社長であるNick Tornow氏は、これらの技術が「誰でも、どこでも、何でも作れる」というビジョンを支援すると述べている。
Robloxは2006年に設立され、2024年6月時点で7950万人の日間アクティブユーザーを抱えている。同社は、将来的に10億人の日間アクティブユーザーを目指している。
from:Roblox is launching a generative AI that builds 3D environments in a snap
【編集部解説】
Robloxが発表した新しい生成AI機能は、ゲーム開発の世界に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。特に注目すべきは、Avatar Auto SetupとTexture Generatorという2つの機能です。
Avatar Auto Setupは、3Dモデルを自動的にアバターとしてセットアップする機能です。従来、この作業には数日かかっていましたが、新機能によって数分で完了できるようになりました。これは、開発者の作業効率を大幅に向上させる画期的な進歩と言えるでしょう。
一方、Texture Generatorは、テキストプロンプトに基づいて3Dオブジェクトのテクスチャを生成する機能です。約30秒で処理が完了するという速さも注目に値します。
これらの機能が持つ意義は、単に開発時間の短縮だけではありません。Robloxの500万人以上の開発者とクリエイターに、より高度な創造性を発揮する機会を提供することにあります。
しかし、この技術には潜在的なリスクも存在します。例えば、AIが生成したコンテンツの著作権問題や、品質の一貫性の確保などが挙げられます。また、AIが人間のクリエイターの仕事を奪うのではないかという懸念もあります。
長期的な視点で見ると、この技術は、ゲーム開発の民主化をさらに推し進める可能性があります。技術的なスキルが高くなくても、アイデアを形にしやすくなるからです。
一方で、規制の面では新たな課題も生じるでしょう。AIが生成したコンテンツの管理や、未成年者の保護など、プラットフォーム運営者の責任はより複雑になっていくと予想されます。
Robloxの創造エンジニアリング担当副社長であるNick Tornow氏が述べているように、この技術は「誰でも、どこでも、何でも作れる」というビジョンを支援するものです。しかし、そのビジョンを実現するためには、技術の進歩だけでなく、倫理的・法的な枠組みの整備も同時に進めていく必要があるでしょう。