GitHub Copilot、3大AIモデルに対応へ ─ Anthropic、Google、OpenAIのモデルを自由に選択可能に。新ツール「GitHub Spark」も発表

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2024-10-30 20:34 by admin

GitHubは2024年10月29日(米国時間)、サンフランシスコで開催された年次開発者カンファレンス「GitHub Universe 2024」において、以下の発表を行った。

主な発表内容:

1. GitHub Copilotのマルチモデル対応

– AnthropicのClaude 3.5 Sonnet(即日利用可能)
– GoogleのGemini 1.5 Pro(数週間以内に利用可能)
– OpenAIのGPT-4o、o1-preview、o1-mini(即日利用可能)

2. 新規アプリ開発ツール「GitHub Spark」の発表

自然言語のみでウェブアプリケーションを開発可能
– OpenAIとAnthropicのAIモデルを活用

管理された実行環境
Sparkの作成・修正後は自動的にデプロイされ、デスクトップやモバイルにインストール不要で実行可能。GitHubによって提供される管理された実行環境により、以下の機能が利用できる:- データストレージ機能の組み込み
– テーマエディタによるデザインカスタマイズ
– PWA(Progressive Web App)としての動作
– クラウドリソースの管理が不要

・インタラクティブな開発プロセス
ユーザーは自然言語で入力したアイデアを即座にプレビューできる。具体的には
– リアルタイムのプレビュー表示
– 複数のバリエーション提案
– 修正履歴の自動保存
– 一クリックで元に戻せる機能

・特筆すべき利点
この環境により、開発者は以下のメリットを得られる
– コードのデプロイや複雑な設定が不要
– 即座にアプリケーションを利用開始可能
– デバイスを問わない利用環境
– 直感的なデザイン調整が可能

これらの機能により、GitHub Sparkは「アイデアから実装まで」のプロセスを大幅に簡略化し、開発者の生産性向上に貢献。

3. GitHub Copilotの新機能

– VS Codeでのマルチファイル編集機能(2024年11月1日提供開始)
– GitHub Copilot Extensions(2025年初頭に一般提供予定)
– Xcode向けコード補完機能(パブリックプレビュー開始)
– 30秒でフィードバックを返すコードレビュー機能
検索AIであるPerplexityとの提携により、IDEを離れずにコーディング中に迅速な検索が可能に

4. セキュリティ機能の強化

– Copilot Autofixによる脆弱性対応
– 最大1000件のアラートを一括処理可能
– ESLint、JFrog SAST、Black Duck’sとの統合

これらの発表について、GitHub CEOのトーマス・ドームケ氏は「単一モデルの時代は終わった」と述べている。

from  GitHub Copilot will support models from Anthropic, Google, and OpenAI

編集部解説

GitHub Universeで発表された一連の新機能は、AIによるソフトウェア開発の新時代の幕開けを告げるものと言えます。

特に注目すべきは、GitHub CopilotがAnthropic、Google、OpenAIという3大AIプロバイダーのモデルを選択できるようになったことです。これは「単一モデルの時代の終わり」を象徴する出来事です。各モデルには得意分野があり、開発者は目的に応じて最適なモデルを選択できるようになります。

また、新しく発表されたGitHub Sparkは、コーディングスキルを持たない人々にもアプリケーション開発の門戸を開く画期的なツールとなる可能性を秘めています。自然言語でアプリを作れるという特徴は、「ノーコード」の概念を超えた「AIコード」時代の到来を予感させます。

特に興味深いのは、GitHubがセキュリティ面での機能強化を同時に発表していることです。Copilot Autofixによる脆弱性対応や、最大1000件のアラートの一括処理機能は、AIによる開発支援がセキュリティ面でも重要な役割を果たすことを示しています。

長期的な視点では、このような技術の進化は開発者の役割を大きく変えていく可能性があります。開発者は単なるコーディング作業から解放され、より創造的な問題解決やアーキテクチャ設計に注力できるようになるでしょう。

そして、マルチモーダルAIだけでなく、検索AIであるPerplexityとの提携も注目です。

この提携の最も重要な特徴は、開発者がコーディング作業中に開発環境を離れることなく、リアルタイムでウェブ検索が可能になったことです。Copilotのチャットウィンドウで「@perplexityai」とタグ付けするだけで、最新のライブラリ情報やAPIドキュメントにその場でアクセスできます。

日本の開発者にとって、この提携は特に重要な意味を持ちます。英語の技術文書や最新情報へのアクセスが容易になることで、グローバルな開発トレンドへのキャッチアップがよりスムーズになることが期待されます。

これらの変革は、ソフトウェア開発の民主化を促進すると同時に、プロフェッショナルな開発者の役割をより高度なものへと進化させていく転換点となるかもしれません。

各社CEOの反応

Perplexity:CEOの反応

Github:CEOの反応

Microsoft:CEOの反応

参考情報

【用語解説】

  1. GitHub(外部)
    マイクロソフト傘下の世界最大のソフトウェア開発プラットフォーム。開発者の共同作業の場として定評
  2. Anthropic(外部)
    Claude AIの開発元。倫理的なAI開発を重視する新興企業として注目を集めている
  3. Google Cloud(外部)
    Geminiモデルを提供するGoogleのクラウドサービス。企業向けAIソリューションを展開

【関連動画】

GitHub Universe 2024 公式登壇動画

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