Meta傘下のInstagramは、2025年に新しいAI動画編集機能を導入する計画を発表した。この発表は、InstagramのトップであるAdam Mosseri氏が2024年12月19日に行った。
主な要点:
- 使用技術:MetaのMovie Gen AIモデル(2023年10月発表)
- 機能:テキストプロンプトを使用して動画のほぼすべての要素を変更可能
- 変更可能な要素:人物の服装、背景環境、外見など
- 特徴:人物の個性と動きを保持したまま編集が可能
この発表は、競合他社の類似サービス登場後に行われた:
- OpenAI:Soraモデル(2024年2月発表)
- Adobe:Firefly Videoモデル(既にPremiere Pro内でベータ版として提供中)
Instagramは、MetaのMovie Gen AIモデルを実装する最初のプラットフォームとなる。具体的な導入時期は2025年としか発表されていないが、一般ユーザーが利用できる形で提供される予定。
from:Instagram teases AI editing tools that will completely reimagine your videos
【編集部解説】
MetaのMovie Gen AIモデルについて、重要な技術的詳細が明らかになっています。このAIモデルは300億のパラメーターを持つトランスフォーマーモデルで、16fpsで最大16秒間の高品質なHD動画(1080p)を生成できる能力を備えています。
注目すべきは、このツールがInstagramに実装される際の特徴です。テキストプロンプトによる直感的な操作で、動画内の人物の服装や背景、さらには人物の外見まで変更できる機能は、クリエイターの表現の幅を大きく広げる可能性を秘めています。
特筆すべき点として、MetaはMovie Genが「人物の個性と動きを保持する」という特徴を強調しています。これは、OpenAIのSoraやAdobeのFirefly Videoモデルとの差別化ポイントとなっています。
しかし、この技術には課題も存在します。2025年にInstagramのフィルター機能のサポートが終了することが発表されており、AIによる編集機能がその代替となることが示唆されています。これは、コンテンツの真正性や信頼性に関する新たな課題を提起する可能性があります。
技術面では、Movie Genは画像生成と動画生成の両方に最適化された統合モデルアーキテクチャを採用しています。物体の動き、被写体と物体の相互作用、カメラの動きなどを理解し、より自然な動きを再現できる高度な機能を備えています。
このツールは、プロフェッショナルなビデオ編集スキルを持たないクリエイターにとって、高品質なコンテンツ制作を可能にする画期的な機能となる可能性があります。しかし、同時にAIによって生成・編集されたコンテンツの透明性や、著作権に関する新たな課題も予想されます。
MetaはすでにAIアシスタントで月間約6億人のユーザーを獲得しており、InstagramへのMovie Gen実装は、AIツールの一般化をさらに加速させる可能性があります。