忙しい日常の中、電話での予約が手間に感じたことはありませんか?Googleの新機能『Ask for Me』が、AIを活用してその課題を解決します。
Googleは2025年1月31日、AIが店舗への電話を代行する新機能「Ask for Me」のテストを開始しました。この機能は、ネイルサロンと自動車整備店を対象に、予約や料金の問い合わせをAIが行います。
Google Search Labsで実験機能として提供され、ユーザーは希望するサービス内容、予約希望日時、連絡先情報を入力するだけで、AIが自動で店舗に電話をかけて必要な情報を収集します。
技術的な背景と仕組み
この技術は、2018年に発表されたGoogle Duplexの進化形として位置づけられ、より自然な会話を実現しています。AIは通話開始時に自己紹介を行い、自動システムであることを明確にします。
店舗側には、Googleビジネスプロフィールの設定から自動通話の受信を拒否する選択肢が用意されており、プライバシーと透明性への配慮がなされています。
from:Google’s ‘Ask for Me’ uses AI to call local businesses for you
【編集部解説】
GoogleのAIアシスタント「Duplex」は2018年のI/Oカンファレンスで発表された技術で、すでに100万件以上の予約をこなしているという実績があります。この数字は、AIによる電話対応の実用性と信頼性を示す重要な指標といえます。
今回の「Ask for Me」はその進化形として位置づけられます。音声合成と自然言語処理を組み合わせることで、より自然な会話を実現しています。
特筆すべきは、この技術が単なる自動応答システムではなく、状況に応じて「うーん」や「あー」といったフィラー(つなぎ言葉)を入れられる点です。これにより、より自然な会話体験を実現しています。
プライバシーと倫理的考慮
Googleは、AIが電話をかける際に必ず自己紹介をし、自動システムであることを明かすようプログラムされています。これは倫理的な配慮であり、透明性を確保する重要な取り組みです。
また、店舗側にはAI通話を拒否する選択肢が用意されており、Google Business Profileの設定から簡単にオプトアウトできるようになっています。
今後の展望
現状の「Ask for Me」は予約をするユーザー側の機能として提供されています。
今は実現できていませんが、ユーザーが望むことは:
「金曜の19時にオフィスの近くで施術してくれるネイルサロンないかな?」
「この予算内で車を整備してくれる工場に依頼したい」
など、複数の候補から条件に一致した相手を見つけて予約を完了する機能です。
決済までやってくれたら、さらに便利ですね。
そして、予約の効率を上げていくという意味では、店舗側もAIで応対していく必要があります。AI同士が話してビジネスが進んでいく世界が数年以内に到来しそうです。
現在は自動車整備店とネイルサロンに限定されていますが、将来的には他の業種への展開も計画されています。特に予約や問い合わせが頻繁に発生するサービス業への展開が期待されます。
また、この技術は単なる予約システムを超えて、ビジネスコミュニケーションの在り方を変える可能性を秘めています。特に、多言語対応や24時間対応といった機能が追加されれば、グローバルなビジネス展開にも大きく貢献する可能性があります。
日本市場への影響
日本では、対面や電話でのコミュニケーションを重視する文化があるため、この技術の受け入れには独自の課題があるかもしれません。しかし、人手不足や働き方改革の観点から、このような自動化技術へのニーズは確実に存在すると考えられます。
【編集部追記】
会食のセッティングって、けっこう手間かかりますよね。3人で会食するとして、
Aさんはオフィスが新橋で鳥料理が好き、Bさんは魚が苦手で新宿から来る、Cさんはなんでも食べるタイプで笹塚から。金曜の20時あたりで最適なお店は?
けっこう悩むわけなんです。それぞれの移動時間や食事の好み、予算などなど。
みんなの都合を汲みつつ、食べログで検索して電話かけて満席で、また電話して(^^;
これを一手に引き受けてくれるAIエージェントがいたら、助かるなぁと思います。