Last Updated on 2025-04-18 14:22 by admin
2025年4月16日、GoogleはAIアシスタント「Gemini」アプリの新機能「Gemini Live」を、Android 10以降かつ2GB以上のRAMを搭載した全てのAndroidユーザー向けに無料で提供開始した。
この機能は、スマートフォンのカメラや画面をGeminiに見せ、その内容についてリアルタイムでAIと会話できる。これまでPixel 9やSamsung Galaxy S25など一部端末や有料サブスクリプション「Gemini Advanced」契約者のみに限定されていたが、今後は対象要件を満たす全Android端末で利用可能となる。
機能のロールアウトは2025年4月16日から数週間かけて順次行われる。また、同日Microsoftも同様のAI機能「Copilot Vision」をEdgeブラウザの全ユーザー向けに米国から段階的に無料提供開始した。
from:Gemini Live’s screensharing feature is now free for Android users
【編集部解説】
Googleが提供するGemini Liveの無料化は、AIアシスタントの活用シーンを大きく広げる出来事です。Gemini Liveは、スマートフォンのカメラや画面をAIに“見せる”ことで、リアルタイムに質問や相談ができる機能です。
例えば、外出先で目の前のオブジェクトや資料、Webページを映しながら「これは何?」「この内容を要約して」といった問いかけにAIが即座に応答します。従来のテキストや音声入力に加え、視覚情報を活用したインタラクションが可能になることで、AIアシスタントの利用シーンが飛躍的に広がります。
今回の無料化は、Android 10以降・2GB RAM以上の端末という条件があるものの、世界中のAndroidユーザーが対象となります。これにより、ビジネス現場での資料要約や翻訳、ショッピングや観光時のリアルタイム情報取得、ITリテラシーが高くない層でも直感的に使える点が大きなメリットです。
一方で、カメラや画面共有を通じて個人情報や機密データがAIに送信されるリスクも存在します。Googleは「共有中はステータスバーに通知」「いつでも共有停止可能」など一定の配慮を示していますが、ユーザーの同意や情報管理の透明性が今後ますます重要です。
加えて、MicrosoftのCopilot Visionも同時期にEdgeブラウザ向けに無料化され、AIアシスタントの競争が一層激化しています。Copilot Visionは現時点でEdgeユーザー限定・米国から段階展開中であり、今後のグローバル展開が注目されます。
長期的には、AIが現実世界の状況や人間の意図をより深く理解し、パーソナライズされたサポートを提供する“パーソナルエージェント”への進化が期待されます。今回の無料化は、その未来への大きな一歩です。
【用語解説】
AIアシスタント:
人工知能によるサポート機能。ユーザーの質問や依頼に対して、自然言語で応答や提案を行う。
画面共有:
スマートフォンやPCの画面をAIや他者とリアルタイムで共有し、内容を一緒に確認できる機能。
マルチモーダル:
テキスト、音声、画像、動画など複数の情報形式を統合して処理・理解するAIの特性。
【参考リンク】
Google公式(外部)
Googleの企業概要、製品情報、AI技術の最新動向を紹介している。
Gemini公式(外部)
Googleが提供するAIアシスタントGeminiの公式サイト。機能や活用方法を解説。