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Adobe Firefly Image Model 4/4 Ultraが正式リリース  – 商用利用と高精度制御を両立する最新AI画像生成

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Last Updated on 2025-04-25 17:58 by admin

米Adobeは2025年4月24日、英ロンドンで開催されたクリエイティブカンファレンス「Adobe MAX London 2025」において、最新の画像生成AIモデル「Firefly Image Model 4」および上位版の「Firefly Image Model 4 Ultra」を発表した。両モデルは同日よりFireflyのWeb版で一般提供が開始されている。

Firefly Image Model 4は、従来モデルと比較して写実性や構図の自由度、生成速度が大幅に向上し、最大2K解像度での画像生成に対応する。さらに、出力画像の構図やスタイル、カメラアングル、ズームなどを詳細にコントロールできるほか、複雑なシーンや集合体、人物のレンダリング精度も強化されている。

新たにAIモデルの切り替え機能が追加され、Adobe独自モデルだけでなく、GoogleやOpenAIなど他社の画像生成AIも利用可能となった。生成された画像や動画には自動でコンテンツクレデンシャル(出自情報)が付与され、どのモデルで作成されたかが明示される。

Fireflyシリーズは2023年の正式提供開始から2年足らずで220億以上のアセット生成に利用されており、今回のアップデートで包括的なクリエイティブAIプラットフォームとしての地位をさらに強化している。

from:Adobe adds more image generators to its growing AI family

【編集部解説】

Adobeが発表したFirefly Image Model 4およびFirefly Image Model 4 Ultraは、生成AIの商用利用における新たな基準を提示しています。最大2K解像度や構図・スタイル・カメラアングル・ズームなどの細やかな制御が可能となり、従来のAI画像生成モデルと比べて写実性や自由度が大きく向上しました。

これにより、広告や出版、ウェブデザイン、ECプラットフォームなど、さまざまな業界でより高度なビジュアルコンテンツ制作が容易になります。

特筆すべきは、AIモデルの切り替え機能の実装です。これにより、Adobe独自のFireflyモデルだけでなく、GoogleやOpenAIなど他社の画像生成AIも同一プラットフォーム上で利用できるようになりました。ユーザーは用途や目的に応じて最適なモデルを選択できるため、クリエイティブワークの幅が一層広がります。

また、生成された画像や動画には自動的にコンテンツクレデンシャルが付与され、どのモデルで生成されたかが明示されます。これにより、著作権や出自の透明性が担保され、商用利用時の法的リスクが大幅に低減されます。クリエイターや企業にとっても大きな安心材料となるでしょう。

一方で、AIによる画像生成の進化は、クリエイターに新たなスキルや役割の変化をもたらします。プロンプト設計やAI出力の品質管理など、従来とは異なる専門性が求められる場面も増えています。今後は、AIと人間の協働によるクリエイティブプロセスの最適化が重要なテーマとなるでしょう。

さらに、EUのAI規制やディープフェイク対策の観点からも、コンテンツクレデンシャルの標準装備は時代の要請に応えるものです。今後、動画生成やさらなる高解像度対応など、Fireflyシリーズの進化が業界全体のワークフローや表現手法にどのような変化をもたらすのか、引き続き注目されます。

【用語解説】

Firefly Image Model 4 / Firefly Image Model 4 Ultra
2025年4月に発表されたAdobeの最新AI画像生成モデル。従来モデルよりも写実性、構図やスタイルの自由度、生成速度が大きく向上し、最大2K解像度での画像生成が可能。Ultraはさらに高精度な描写や複雑なシーンの再現に強みを持つ。

コンテンツクレデンシャル(Content Credentials)
生成された画像や動画などのデジタルコンテンツに、作成者や生成方法、使用AIモデルなどの情報を埋め込むメタデータ。著作権や出自の証明、透明性の担保に役立つ。

プロンプト
生成AIに対して画像やテキストを生成させるために入力する指示文。プロンプトの工夫によって出力結果が大きく変化する。

【参考リンク】

Adobe公式サイト(外部)
アメリカ・カリフォルニア州に本社を置く、世界最大級のクリエイティブソフトウェア企業。PhotoshopやIllustrator、Premiere Proなど多くのデジタル制作ツールを展開している。

Adobe Firefly公式ページ(外部)
Adobeが開発・提供する生成AIプラットフォーム。画像やテキストエフェクト、ベクターグラフィックなど多様な生成AIモデルを搭載し、商用利用にも対応している。

Adobe Content Credentials公式解説(外部)
コンテンツクレデンシャルの仕組みや業界標準化の取り組みについて解説している公式サイト。

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りょうとく
主に生成AIやその権利問題について勉強中。
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