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NotebookLMがGemini 3にアップグレード、データテーブル機能で情報整理を自動化

[更新]2025年12月20日

NotebookLMがGemini 3にアップグレード、データテーブル機能で情報整理を自動化 - innovaTopia - (イノベトピア)

Googleは12月19日、NotebookLMがGemini 3で構築されたことを発表した。これによりNotebookLMの推論能力とマルチモーダル理解が改善される。具体的なモデルは明記されていないが、NotebookLMは歴史的にFlashバリアントを使用してきた。

水曜日のロールアウト後、Geminiアプリに直接ノートブックをアップロードできる機能も正式発表された。ウェブ版で利用可能で、来年モバイル版にも対応予定である。NotebookLMには新しいStudio出力「データテーブル」が追加され、Audio Overview、Video Overview、Mind Map、Reports、Flashcards、Quiz、Infographic、Slide Deckに加わった。

ソースを構造化されたテーブルに合成し、Google Sheetsにエクスポートできる。データテーブルは現在Google AI ProおよびUltraサブスクライバー向けに利用可能で、今後数週間で無料ユーザーにも提供される予定である。

From: 文献リンクNotebookLM now uses Gemini 3, adds new ‘Data Tables’ output

【編集部解説】

GoogleのNotebookLMがGemini 3への移行を果たしたことは、AIアシスタントツールの実用性が新たなフェーズに入ったことを示しています。Gemini 3 Flashは、Googleが「高速性と効率性を重視したモデル」と位置付けており、実際に応答速度の向上やリソース消費の削減が報告されています。
日本語の公式ブログや一部メディアでは「3倍高速」といった表現も用いられていますが、これは特定条件下での評価である可能性が高く、あくまで性能向上の方向性を示す目安として受け取るのが妥当でしょう。

このことは単なる性能向上ではなく、より多くのユーザーが高品質なAI機能を日常的に利用できる環境が整ったことを意味します。

今回追加されたデータテーブル機能は、NotebookLMの使い方を根本的に変える可能性を秘めています。これまで複数の資料から情報を抽出し、手作業で表にまとめていた作業が自動化されるからです。会議の議事録から担当者別のアクションアイテムを抽出したり、複数の論文から臨床試験データを統合したりといった構造化作業は、研究者やビジネスパーソンにとって時間のかかるタスクでした。

特に注目すべきは、GeminiアプリとNotebookLMの統合です。従来は両者を行き来しながら情報をコピー&ペーストする必要がありましたが、現在はNotebookLMで整理した情報をGeminiに直接渡して、さらに画像生成やアプリ開発などのクリエイティブな作業へと発展させられます。これは「情報収集→分析→アウトプット」という一連のワークフローが、Google のエコシステム内でシームレスにつながったことを意味します。

データテーブル機能が当面有料プラン(Google AI ProとUltra)限定である点は、Googleの戦略を物語っています。高度な機能を段階的に展開することで、計算リソースの消費を管理しつつ、有料ユーザーへの付加価値を高める狙いがあると考えられます。今後数週間で無料ユーザーにも開放される予定ですが、利用制限がどの程度設けられるかが焦点となるでしょう。

長期的な視点では、このアップデートは知識労働の在り方に影響を与えます。情報の整理や構造化といった作業が自動化されることで、人間はより高次の思考や創造的な判断に集中できるようになります。一方で、AIが生成した表やレポートを鵜呑みにせず、元の資料に立ち返って検証する姿勢はこれまで以上に重要になるでしょう。技術の進化は便利さをもたらしますが、情報の真偽を見極める人間の役割はむしろ増していくはずです。

【用語解説】

Gemini 3 Flash
Googleが2025年12月にリリースした最新の大規模言語モデル。前世代のGemini 2.5 Proを上回る性能を持ちながら、処理速度が3倍向上し、トークン消費量も平均30%削減されている。速度と性能のバランスに優れ、実用的なアプリケーションに適した設計となっている。

マルチモーダル理解
テキストだけでなく、画像、音声、動画など複数の形式のデータを統合的に処理・理解する能力。NotebookLMがPDFの図表や画像付き資料を正確に解釈できるのは、このマルチモーダル機能によるものである。

Studio出力
NotebookLMが提供する様々な形式のアウトプット機能。Audio Overview(音声要約)、Video Overview(動画要約)、Mind Map(マインドマップ)、Reports(レポート)、Flashcards(フラッシュカード)、Quiz(クイズ)、Infographic(インフォグラフィック)、Slide Deck(スライド)など、用途に応じた出力形式を選択できる。

Google AI Pro / Ultra
Googleが提供する有料のAIサブスクリプションプラン。より高度な機能や優先的なアクセス、使用量の制限緩和などが含まれる。データテーブル機能は当面これらのプラン加入者向けに提供される。

【参考リンク】

NotebookLM(公式サイト)(外部)
GoogleのAI駆動型リサーチアシスタント。アップロードした資料を基に要約、質問応答、様々な形式でのアウトプット生成を行う。

Gemini(公式サイト)(外部)
Googleの対話型AIアシスタント。2025年12月からNotebookLMとの統合が強化され、ノートブックを直接読み込める。

Google AI Studio(外部)
Googleが提供する開発者向けのAI実験プラットフォーム。Geminiモデルを使ったプロトタイピングやテストが可能。

Google Sheets(外部)
Googleのクラウド型スプレッドシートサービス。NotebookLMで生成したデータテーブルを直接エクスポート可能。

【参考動画】

【参考記事】

「Gemini 3 Flash」リリース、2.5 Pro超えの性能で3倍高速 – ケータイ Watch(外部)
Gemini 3 Flashの性能向上に関する日本語の報道記事。前世代モデルとの比較データを含めて報じている。

NotebookLM just gained a big feature – Android Authority(外部)
データテーブル機能の追加に焦点を当てた記事。研究や学習における具体的な活用方法について解説している。

Google’s Gemini now integrates with NotebookLM – Android Central(外部)
GeminiアプリとNotebookLMの統合について詳述した記事。複数のノートブックを組み合わせる新しいワークフローを説明。

What’s new in Gemini app in December – Google Blog(外部)
Googleの公式ブログによる2025年12月のGeminiアップデート情報。NotebookLM統合の詳細が記載されている。

【編集部後記】

NotebookLMのアップデートを見ていて、ふと考えてしまいました。私たちは情報を「集める」ことには慣れていますが、それを「構造化する」作業にどれだけの時間を費やしているでしょうか。会議のメモを整理したり、複数の資料から必要なデータだけを抽出してまとめたり。そうした地道な作業が自動化される未来は、もうすぐそこまで来ています。

みなさんは普段、どんな情報整理に時間を取られていますか。もしその作業が数秒で終わるとしたら、浮いた時間で何をしたいですか。ぜひ、SNSで教えてください。

投稿者アバター
TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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