AgodaがAI統合の常識を覆す「ゼロエフォート」ツールをオープンソース化しました。数百の内部サービスを自然言語だけで操作できる画期的なアプローチは、開発者の働き方を根本から変える可能性を秘めています。
デジタル旅行プラットフォームAgodaは2026年1月27日、API Agentをオープンソースとしてリリースした。API Agentは、開発者がMCPクライアントをGraphQLおよびRESTサービスに自然言語を使って接続できるユニバーサルなModel Context Protocol (MCP)サーバーである。
各サービスごとに個別の統合を構築する必要がなく、対象サービスを設定し自然言語で質問すると構造化された結果を受け取れる。スキーマを自動的に検査し、必要なクエリを生成・実行する。DuckDBを使用したSQLベースの後処理機能により、基礎サービスがネイティブにサポートしていない場合でもソート、集約、結合が可能である。
Agodaの最高技術責任者イダン・ザルズバーグは、この種のものとしては初めてのゼロエフォートアプローチだと述べた。API Agentはgithub.com/agoda-com/api-agentで公開されている。
From:
Agoda Launches Open-Source API Agent to Simplify MCP Server Integrations

【編集部解説】
Model Context Protocol(MCP)は、AnthropicがClaudeなどの大規模言語モデルを外部システムやデータソースに接続するために開発したオープンソースのプロトコルです。AIエージェントがデータベースやAPIなど外部ツールにアクセスする際の標準化された方法を提供します。
従来、企業が複数の内部サービスをAIに接続しようとすると、それぞれのサービスごとに個別のMCPサーバーを構築する必要がありました。Agodaのような大規模プラットフォームでは数百の内部サービスが存在し、各サービスが独自のスキーマとインターフェースを持っているため、この作業は膨大な開発工数を必要としていました。
今回リリースされたAPI Agentは、この課題を「ゼロエフォート」で解決する画期的なアプローチを取っています。開発者は対象サービスを設定するだけで、後は自然言語で質問すれば自動的にスキーマを検査し、必要なクエリを生成・実行してくれます。カスタムコードや手動マッピングは一切不要です。
特筆すべきは、DuckDBを使用したSQL後処理機能の搭載です。これにより、元のサービスがソートや集約、結合機能を持っていなくても、API Agent側でこれらの高度な操作を実行できます。
このツールのオープンソース化は、開発者コミュニティ全体に大きな恩恵をもたらす可能性があります。AgodaのCTOイダン・ザルズバーグが述べたように、多くのチームがAI統合を望んでいる中で、この種の「ユニバーサルMCPサーバー」は初めての試みとされています。
AIエージェント時代において、既存システムとの統合の容易さは競争優位性を左右します。API Agentのようなツールが普及すれば、企業のAI導入が加速し、開発者はより創造的な業務に時間を割けるようになるでしょう。
【用語解説】
Model Context Protocol (MCP)
Anthropicが2024年11月に発表したオープンソースのプロトコルである。大規模言語モデル(LLM)を外部システムやデータソースに接続するための標準化された方法を提供し、従来の個別カスタム統合による「N×M問題」を解決する。
GraphQL
APIのためのクエリ言語およびランタイムである。クライアントが必要なデータを正確に指定してリクエストでき、RESTと比較して柔軟性が高い。
REST
Representational State Transferの略で、Webサービス設計における標準的なアーキテクチャスタイルである。HTTPプロトコルを使用してリソースにアクセスする。
DuckDB
アプリケーション内に組み込んで動作する分析処理用データベースである。サーバーを必要とせず、SQL標準に準拠し、ベクトル化されたクエリエンジンにより高速な並列処理が可能である。
スキーマ
データベースやAPIにおけるデータ構造の定義である。テーブル、フィールド、データ型、関係性などを規定し、データの整合性を保つための設計図となる。
【参考リンク】
Agoda公式サイト(外部)
シンガポール本社のデジタル旅行プラットフォーム。600万以上の宿泊施設とフライトを提供し、Booking Holdings傘下で運営
Agoda API Agent GitHubリポジトリ(外部)
オープンソース化されたAPI Agentのソースコードと技術ドキュメント。開発者が自由にダウンロード・利用・カスタマイズ可能
Anthropic公式サイト(外部)
Claude AIを開発した企業でModel Context Protocolの開発元。AI安全性研究とLLM開発における先駆的企業
DuckDB公式サイト(外部)
API Agentの後処理機能に採用されている組み込み型分析データベース。技術ドキュメントと使用例を提供
【参考記事】
Agoda Launches Open-Source API Agent to Simplify MCP Server Integrations(外部)
共同通信PRワイヤーによる報道。数百の内部サービスをMCPサーバーなしで管理できるようにした点を詳述
Agoda Launches Universal MCP API Agent(外部)
Open Source For Youによる記事。ユニバーサルMCPサーバーとして初めての試みであることを強調
What Is the Model Context Protocol (MCP) and How It Works(外部)
Descopeによる解説記事。MCPの技術的仕組み、認証、データフォーマット、メッセージング標準化を詳述
Model Context Protocol – Wikipedia(外部)
MCPの背景と技術概要。Anthropicが2024年11月に発表後、主要AI企業に採用された経緯を記載
【編集部後記】
AI統合における「ゼロエフォート」という言葉に、未来の開発現場の姿が見えてきませんか。Agodaのような大企業が自社で使っているツールをオープンソース化する流れは、技術の民主化を加速させています。あなたの会社や身の回りでも、AIとの連携に苦労している場面があるかもしれません。
このようなツールが普及すれば、開発者はもっと創造的な仕事に集中できるようになるでしょう。皆さんの現場では、どんな内部ツールがAI化されたら業務が変わると思いますか。ぜひSNSで教えてください。






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