2014年の誕生から11年、日本の街角で愛され続けてきたPepperが、世界初の量産型ヒューマノイドとしてギネス世界記録に認定されました。そして今、最新AI技術を搭載したPepper+が登場し、プロの実演販売士の技術を再現する「AI接客エージェント」として、小売業の現場に革新をもたらそうとしています。
ソフトバンクロボティクス株式会社は2026年2月2日、人型ロボット「Pepper」が世界初の量産型ヒューマノイドとしてギネス世界記録に正式認定されたと発表した。
2014年6月5日の誕生から11年間進化を続けてきたPepperに、最新のAIと映像分析技術を搭載した「Pepper+(ペッパープラス)」の提供を同日開始した。小売業界向けに株式会社KODEKAと協力し、プロの実演販売士のコミュニケーション術をAIで再現した「AI接客エージェント」を展開する。
その他、コクヨ株式会社と株式会社TIGEREYEが共同開発した顔認証技術を活用した「オフィス向け入退出管理ソリューション」、「即興カメラマン」「あなたの話deミュージカル」「Pepperゲームセンター」などのアプリを提供する。東急プラザ渋谷5階の「Pepper PARLOR」で先行活用されている。
From:
Pepper世界初の量産型ヒューマノイドとしてギネス世界記録認定!〜誕生から11年、進化を続けて小売現場などで即戦力として活躍〜
アイキャッチはソフトバンクロボティクス株式会社 公式プレスリリースより引用
【編集部解説】
今回のギネス世界記録認定は、単なる記念碑的な出来事ではなく、ヒューマノイドロボット産業全体の転換点を象徴しています。Pepperは2014年6月5日の誕生から11年間、ショッピングモール、教育機関、高齢者施設など多様な現場で活用されてきました。身長121cmという人間に威圧感を与えないサイズ設計と、感情を読み取る対話能力が特徴です。
注目すべきは、Pepper+が登場するタイミングです。ヒューマノイドロボット市場は2025年から2026年にかけて劇的な転換期を迎えており、中国では2025年の最初の9ヶ月だけで610件の投資案件、総額50億元(約7億ドル)が記録されています。これは前年比250%増という驚異的な伸びです。
生産規模も拡大しています。Teslaは2025年に5,000台のOptimusを製造し、2026年には100,000台への拡大を計画しています。中国のBYDは2025年に1,500台、2026年には20,000台を目指しています。こうした大量生産体制への移行により、価格も10,000ドル以下のモデルが登場し始めており、研究段階から商用化への移行が加速しています。
Pepper+が搭載する「AI接客エージェント」は、プロの実演販売士のコミュニケーション術をAIで再現している点が興味深い要素です。単なる情報提供ではなく、顧客の服装や会話内容に応じた提案を行う「販売力」を持つロボットへと進化しています。これは小売業の人手不足という課題への実践的な解決策となる可能性があります。
一方で、ロボットによる接客が人間の雇用機会にどう影響するかという課題も見逃せません。また、顔認証技術を活用したオフィス管理ソリューションは利便性を高める反面、プライバシーやデータ管理に関する慎重な運用が求められるでしょう。
11年間という長期にわたり量産され続けてきたPepperの歴史は、技術の持続的な改良と市場適応の重要性を示しています。今後、観光、医療、介護など幅広い分野での展開が予定されており、日本発のヒューマノイドロボットがグローバル市場でどのような役割を果たすのか、注視していく必要があります。
【用語解説】
ヒューマノイドロボット
人間の姿や動作を模倣した二足歩行型のロボット。頭部、胴体、両腕、両脚を持ち、人間との自然なコミュニケーションを目的として設計される。サービス業、製造業、介護など幅広い分野での活用が進んでいる。
実演笑売士®
株式会社KODEKAが認定するプロの実演販売士の資格名称。お笑い思考と購買心理学を組み合わせた独自のコミュニケーション術を習得し、店頭での商品実演販売を通じて高い販売実績を上げる専門職である。
AI接客エージェント
最新のAI技術を活用し、顧客認識から声かけ、商品提案、販売促進までを一貫して行う自律型の接客システム。カメラによる人物認識と対話AIを組み合わせ、個々の顧客に最適化された接客体験を提供する。
【参考リンク】
ソフトバンクロボティクス株式会社(外部)
Pepperをはじめとする各種ロボット製品を開発・提供。AI技術とロボティクス技術を融合し多様な分野向けソリューションを展開している。
Pepper+(ペッパープラス)公式サイト(外部)
最新AIと映像分析技術を搭載したPepperの進化版。AIエージェント機能と刷新されたタブレットを特徴とする。
Pepper PARLOR(外部)
東急プラザ渋谷5階にあるカジュアルダイニング。Pepper+の先行活用事例としてAI接客エージェントを体験できる。
コクヨ株式会社(外部)
文具・オフィス家具メーカー。未来の働き方を実践する拠点でPepper+を活用した顔認証入退室管理ソリューションを展示。
株式会社TIGEREYE(外部)
顔認証技術を中心としたAIソリューションを提供。コクヨと共同でPepper+連携のオフィス管理システムを開発。
【参考記事】
SoftBank robot Pepper recognized by Guinness as 1st mass-produced humanoid(外部)
Pepperのギネス記録認定を報じる英語記事。2014年6月5日の誕生から11年間の歩みと最新Pepper+について伝える。
Humanoid Robots Global Market Report 2026-2040(外部)
TeslaのOptimusが2026年に100,000台生産計画や価格が10,000ドル以下のモデル登場など市場動向を詳述。
The Global Humanoid Robots Market 2026-2036(外部)
中国市場で2025年に610件・50億元の投資、前年比250%増など急成長を報告。BYDの生産計画も記載。
【編集部後記】
Pepperが11年間も進化を続けてきたという事実に、私は改めて技術の「持続力」の重要性を感じています。華々しいデビューだけでなく、地道に現場での課題に向き合い続けた結果が、今回のギネス記録認定とPepper+という新たな形につながったのではないでしょうか。
皆さんは、街中やお店でロボットに接客されることに、どのような期待や不安を感じますか?AIが実演販売士の技術を再現するという試みは、人とロボットの協働という未来の一端を見せてくれているように思います。ぜひ皆さんのご意見もお聞かせください。






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