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Pony.aiとToyota、bZ4X Robotaxi量産開始。2026年に1,000台展開へ

Pony.aiとToyota、bZ4X Robotaxi量産開始。2026年に1,000台展開へ

Pony.aiは2026年2月9日、Toyotaと共同開発した量産型bZ4X Robotaxiが生産ラインからロールオフしたと発表した。同車両はPony.ai、Toyota Motor China、GAC Toyotaによって共同開発され、Pony.aiとGAC Toyotaが生産を担当する。両社は2026年に1,000台以上を生産し、中国の主要都市で段階的に商用サービスに導入する計画だ。

Pony.aiは年末までにRobotaxi総保有台数を3,000台以上に拡大することを目指している。車両には第7世代自動運転システムが搭載され、部品表コストは前世代比70%削減された。Pony.aiは2025年4月にGen-7 Robotaxiラインアップを発表しており、他の2モデルは同年11月に商用サービスを開始した。両社の協力関係は2019年に始まった。

From: 文献リンクPony.ai and Toyota Advance Robotaxi Commercialization with Mass-Produced bZ4X Robotaxis

【編集部解説】

今回のニュースは、自動運転技術が試験段階から量産・商用化段階へと本格的に移行する転換点を示すものです。Pony.aiとToyotaの協力関係は2019年に始まりましたが、7年越しでようやく量産体制が整った形となります。

注目すべきは、第7世代システムにおけるコスト削減の実現です。部品表コストを前世代比70%削減したことで、ロボタクシー事業の経済的実現可能性が大きく前進しました。これは自動運転コンピュータで80%、LiDARで68%のコスト削減を達成した結果です。車両には合計34個のセンサー(LiDAR 9個、カメラ14個、ミリ波レーダー4個など)が搭載され、最大650メートルの検知範囲と360度死角なしの検出を実現しています。

興味深いのは、Toyotaの戦略的位置づけです。Toyotaは2020年にPony.aiへ4億ドルを投資していますが、Level 4自動運転技術はロボタクシーなどの商用車にのみ適用し、一般消費者向けの量産車には導入しない方針を明確にしています。代わりに、自社開発のAreneOSを活用した運転支援機能の強化に注力する姿勢を示しており、完全自動運転と運転支援という二つの異なるアプローチを使い分けています。

ロボタクシー市場は2026年が「大規模商用化元年」と位置付けられており、各社が一斉に攻勢をかけています。中国市場だけでBaidu Apollo Goが週25万回以上の無人運行を実施し、武漢では車両単位で黒字化を達成しました。一方、米国ではWaymoが2,500台以上を展開し、Teslaもオースティンで試験運用を開始しています。

中国企業の強みは圧倒的なコスト競争力にあります。部品コストが米国企業より大幅に低く、Baiduは第三者メーカーに依存せず50%安い車両を生産しています。Pony.aiの70%コスト削減も、この文脈で理解すべき成果と言えるでしょう。

今回の量産開始により、Pony.aiは2026年末までに総保有台数3,000台以上という目標に向けて大きく前進します。中国の主要都市での段階的展開に加え、中東やヨーロッパへの国際展開も計画されており、ロボタクシーサービスのグローバル化が加速する局面に入っています。

ただし、課題も残されています。安全性の継続的な実証、規制環境への適応、人間ドライバーとの共存問題など、大規模展開には多くのハードルがあります。特に、雇用への影響については中国でも一時的に認可が停止された経緯があり、技術的実現と社会的受容の両立が今後の鍵となるでしょう。

【用語解説】

ロボタクシー(Robotaxi)
自動運転技術により、人間のドライバーなしで乗客を目的地まで運ぶタクシーサービス。Level 4の自動運転技術を用い、特定のエリア内で完全無人運行が可能。配車アプリで呼び出し、料金を支払う仕組みは従来のタクシーやライドシェアと同様だが、人件費削減により低価格化が期待されている。

Level 4自動運転(L4)
SAE(米国自動車技術者協会)が定義する自動運転レベルの一つ。特定の条件下(例:決められたエリア、天候条件)で、システムがすべての運転操作を行い、人間の介入を必要としない。Level 5は完全自動運転(あらゆる条件下で自律運転)を指すのに対し、Level 4は限定的な環境での完全自動運転となる。

LiDAR(ライダー)
Light Detection and Rangingの略。レーザー光を照射し、反射光から対象物までの距離や形状を高精度に測定するセンサー技術。自動運転車では周囲の環境を3次元的に把握するために使用され、カメラやレーダーと組み合わせて360度の検知を実現する。

部品表(BOM)コスト
Bill of Materials(部品表)に基づく製造コスト。製品を構成するすべての部品やコンポーネントの合計費用を指す。自動運転システムでは、センサー、コンピュータ、ソフトウェアなどの総コストが該当し、量産化と技術進化によりコスト削減が進んでいる。

トヨタ生産方式(TPS)
Toyota Production Systemの略。トヨタが開発した生産管理システムで、「ジャスト・イン・タイム」と「自働化」を二本柱とする。無駄を徹底的に排除し、高品質・高効率な生産を実現する手法として世界的に知られ、製造業全般に影響を与えている。

中国の一級都市(Tier 1 cities)
中国における都市分類で最上位に位置する大都市。一般的に北京、上海、広州、深センの4都市を指す。経済規模、インフラ、人口密度が最も高く、新技術やサービスの導入が先行して行われる傾向がある。

【参考リンク】

Pony.ai公式サイト(外部)
中国・広州と米国・フリーモントに拠点を置く自動運転技術企業。Level 4自動運転技術の大規模商用化を目指す。

Toyota bZ4X製品ページ(外部)
トヨタ初の量産型バッテリー電気自動車SUV。2022年発売、2025年に技術アップデート実施。

Baidu Apollo Go(外部)
Baiduが運営する中国最大のロボタクシーサービス。武漢では車両単位での黒字化を達成。

Waymo公式サイト(外部)
Alphabet傘下の自動運転技術企業。米国で2,500台以上のロボタクシーを運行する世界最大級の事業者。

Hesai Technology(外部)
自動車向けLiDAR技術の世界的リーダー。Pony.aiの第7世代ロボタクシー全モデルにAT128を供給。

GAC Toyota(広汽トヨタ)(外部)
トヨタと広州汽車集団の合弁会社。bZ4X Robotaxiの生産を担当するグローバル・モデル工場。

【参考記事】

Toyota and Pony.ai launch production of bZ4X robotaxi(外部)
bZ4X Robotaxiの技術仕様を詳報。34個のセンサー構成と650メートル検知範囲を解説。

‘Robotaxi has reached a tipping point’: Baidu, Nvidia leaders see momentum(外部)
Baiduが武漢で車両単位黒字化達成。中国のロボタクシー台数が2026年に数万台規模へ急増の見込み。

Pony.ai–GAC Toyota robotaxi enters mass production(外部)
車両台数が2024年200台から2025年末1,000台、2026年末3,000台へ拡大する計画を報告。

Four AT128 Lidar Sensors from Hesai Selected for Pony.ai Robotaxis(外部)
第7世代システムの部品表コスト70%削減、自動運転コンピュータ80%削減の詳細を発表。

Tesla Robotaxis Face Fierce Competition from China(外部)
中国企業のコスト優位性を分析。Baiduが50%安い車両を生産、部品コストで米国企業を大きくリード。

Chinese Robotaxis Race Waymo to Take Driverless Cars Global(外部)
Pony.ai、WeRide、Apollo Goが中東・欧州へグローバル展開加速。Uberや現地当局と提携契約。

Global and China L3/L4 Autonomous Driving Research Report 2025(外部)
2026年をロボタクシー大規模商用化元年と位置付け。各社が数千台規模の量産計画を発表。

【編集部後記】

自動運転技術の進化は、単なる技術的達成を超えて、人類の移動の自由と都市のあり方そのものを再定義する試みです。Pony.aiとToyotaの今回の量産開始は、7年間の協力関係が結実した象徴的な瞬間であり、ロボタクシーが実験段階から実用段階へと移行する歴史的転換点と言えるでしょう。

特に注目すべきは、部品表コスト70%削減という経済的実現可能性の向上です。技術的には可能でも経済的に成立しなければ、社会実装は進みません。コスト削減により、ロボタクシーは都市交通の選択肢として現実的なものとなりつつあります。

一方で、技術の進化が必ずしも社会的受容を意味しないことも、私たちは認識すべきです。人間のドライバーの雇用、安全性への懸念、倫理的判断の責任所在など、解決すべき課題は山積しています。中国で一時的に認可が停止されたことは、技術と社会のバランスを取ることの難しさを物語っています。

innovaTopiaは、技術を「人類進化のための道具」として捉え、その歴史的意義と社会的影響を読者の皆さんと共に考えていきます。ロボタクシーが創り出す未来が、より多くの人々に移動の自由と豊かさをもたらすものであることを願いつつ、今後も自動運転技術の展開を注視してまいります。

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Ami
テクノロジーは、もっと私たちの感性に寄り添えるはず。デザイナーとしての経験を活かし、テクノロジーが「美」と「暮らし」をどう豊かにデザインしていくのか、未来のシナリオを描きます。 2児の母として、家族の時間を豊かにするスマートホーム技術に注目する傍ら、実家の美容室のDXを考えるのが密かな楽しみ。読者の皆さんの毎日が、お気に入りのガジェットやサービスで、もっと心ときめくものになるような情報を届けたいです。もちろんMac派!

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