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Meta、Threads に「Dear Algo」機能を導入。自然言語でアルゴリズムを制御

[更新]2026年2月13日

Meta、Threads に「Dear Algo」機能を導入。自然言語でアルゴリズムを制御

Metaは2026年2月11日、Threadsに「Dear Algo」と呼ばれるAI機能を導入した。

ユーザーは「Dear Algo」で始まる公開投稿を作成し、見たいコンテンツの種類を説明することでフィードをパーソナライズできる。OpenAIのChatGPTと同様のプロンプト方式を採用している。リクエスト後、フィードは3日間調整され、他のユーザーのリクエストをリポストして自分のフィードに適用することも可能だ。

Metaは先月、2026年のAI関連設備投資として1150億ドルから135 billionドルを計画していると投資家に伝えた。これは昨年の約2倍である。

Threadsは2023年7月にローンチされ、先月時点で月間アクティブユーザーは4億人に達している。Dear Algoは米国、英国、オーストラリア、ニュージーランドでテストが開始される。

From: 文献リンクMeta launches AI algorithm personalization feature for Threads

【編集部解説】

今回Metaが導入した「Dear Algo」は、単なる新機能の追加ではなく、ソーシャルメディアのアルゴリズム制御における重要な転換点を示しています。

この機能の背景には興味深い経緯があります。Threadsのユーザーたちは、もともと「Dear Algo」というフレーズで始まる投稿を自発的に行い、アルゴリズムに対して希望を伝えようとしていました。Metaはこのユーザー主導のトレンドを観察し、それを正式な機能として実装したのです。いわば、ユーザーの創意工夫を公式化した形となります。

注目すべきは、この機能が「3日間限定」という設計になっている点です。これは永続的なフィード設定ではなく、スポーツの試合やテレビ番組の放送、あるいは突発的なニュースなど、短期的な関心事に対応するための仕組みといえます。従来の「いいね」や「フォロー」といった行動ベースの学習とは異なり、言語による直接的な意思表示を可能にしたことで、リアルタイム性の高いコンテンツ調整が実現されました。

ただし、この機能には重要な制約があります。リクエストは必ず「公開投稿」として行う必要があり、他のユーザーもその内容を見ることができます。プライバシーの観点からは懸念材料となる一方、Metaはこれを「発見のためのツール」と位置づけています。他のユーザーのリクエストをリポストして適用できる仕組みは、フィードのパーソナライゼーションをコミュニティ体験へと変換する試みといえるでしょう。

この動きは孤立したものではありません。Metaは2025年12月、Instagram向けに「Your Algorithm」という類似機能を導入しています。こちらはReelsの推薦トピックを可視化し、ユーザーが各トピックの表示量を調整できるものです。ThreadsとInstagramの両プラットフォームで同時期にアルゴリズム制御機能を展開している点は、Metaの戦略的な方向性を示唆しています。

より広い文脈で見れば、これはソーシャルメディア業界全体の潮流です。TikTokは2024年に「Manage Topics」機能を導入し、Blueskyは当初からアルゴリズムの選択制を謳っています。長らく「ブラックボックス」として批判されてきたレコメンデーションアルゴリズムに対し、ユーザーが一定の制御権を持つべきだという考え方が主流になりつつあるのです。

Metaが2026年にAI関連設備投資として1,150億ドルから1,350億ドル(前年比約2倍)を計画していることも見逃せません。Dear Algoのような機能は、この大規模投資によって構築される高度な自然言語処理能力があって初めて実現可能となります。ユーザーの曖昧な要求を解釈し、適切にフィードを調整するには、洗練されたAIモデルが不可欠だからです。

長期的には、この種の機能が標準化されることで、コンテンツクリエイターやメディア企業の戦略にも影響を与える可能性があります。ユーザーが能動的にトピックを選択・排除できるようになれば、従来のように「バズらせる」ことを目指すのではなく、特定の関心層に深く刺さるコンテンツ制作が重要になるかもしれません。

参考:
– Meta AI投資額(2026年): 1,150億〜1,350億ドル
– Meta AI投資額(2025年): 約722億ドル
– Threads月間アクティブユーザー: 4億人(2026年1月時点)

【用語解説】

レコメンデーションアルゴリズム
ユーザーの行動履歴や嗜好を分析し、興味を持ちそうなコンテンツを自動的に推薦する仕組み。ソーシャルメディアでは、ユーザーがどの投稿を「いいね」したか、どのアカウントをフォローしているか、どのコンテンツを長く視聴したかなどのデータを基に、フィードに表示する投稿を決定する。

【参考リンク】

Meta(外部)
Facebook、Instagram、Threads、WhatsAppを運営。旧Facebook社。

Threads(外部)
Metaが2023年7月にローンチしたテキストベースのSNS。月間4億人利用。

OpenAI(外部)
ChatGPTを開発したAI研究企業。2015年設立。AI技術の民主化を目指す。

ChatGPT(外部)
OpenAI開発の対話型AI。自然言語で質問すると人間のように応答する。

Instagram(外部)
Metaの写真・動画共有SNS。2010年ローンチ。30億人以上が利用。

TikTok(外部)
ByteDance社の短尺動画SNS。独自のAIアルゴリズムで爆発的に普及。

Bluesky(外部)
分散型SNS。元Twitter CEOが支援。ユーザーがアルゴリズムを制御可能。

【参考記事】

Meta stock climbs on Q4 earnings beat, plans to spend as much as $135 billion on AI build-out in 2026(外部)
Metaの2026年AI投資計画。前年比約2倍の最大1,350億ドルに。

Threads’ new ‘Dear Algo’ AI feature lets you personalize your feed | TechCrunch(外部)
Dear Algo機能の詳細解説。公開投稿の仕様とプライバシーの課題を指摘。

Instagram’s new ‘Your Algorithm’ tool gives you more control over the Reels you see | TechCrunch(外部)
Instagram「Your Algorithm」機能。Reelsの推薦トピックを可視化・調整可能。

Meta turned Threads algorithm complaints into an official feature | Engadget(外部)
ユーザー主導のトレンドを公式機能化した経緯。2025年後半のテストから本格展開。

Meta introduces “Dear Algo”, AI to personalize the Threads feed | MarketScreener(外部)
Dear Algo機能とMetaのAI戦略の全体像。Threadsの成長とグローバル展開。

【編集部後記】

みなさんは、SNSのフィードが「なぜこれを表示するのか」と疑問に思ったことはありませんか。あるいは、見たくないコンテンツが延々と流れてくる経験をされたことは。今回のDear Algo機能は、そんな私たちの小さなフラストレーションに対する一つの答えかもしれません。

ただ、3日間限定という設計や、リクエストが公開されるという仕様には賛否両論ありそうです。もし同様の機能が日本のSNSにも実装されたら、みなさんはどのように使ってみたいでしょうか。アルゴリズムの透明化がどこまで進むのか、引き続き注視していきたいと思います。

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omote
デザイン、ライティング、Web制作を行っています。AI分野と、ワクワクするような進化を遂げるロボティクス分野について関心を持っています。AIについては私自身子を持つ親として、技術や芸術、または精神面におけるAIと人との共存について、読者の皆さんと共に学び、考えていけたらと思っています。

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