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Claude Codeがスマホ対応—Remote Controlでどこからでもローカルセッションを操作可能に

[更新]2026年2月26日

AnthropicはClaude Codeのプロダクトマネージャー・ノア・ズウェーベン(Noah Zweben)氏が2026年2月24日(米国時間)、新機能「リモートコントロール」を発表した。この機能は、ユーザーのマシン上で動作するClaude Codeのセッションを、claude.ai/codeまたはiOS・Android向けClaudeアプリから接続・操作できるものだ。セッションはローカルで実行され続け、ファイルシステム・MCPサーバー・ツール・プロジェクト設定はクラウドに移行されない。

接続はAnthropic APIを経由したTLS通信のみで行われ、マシン上でインバウンドポートは開かない。ネットワーク切断やスリープ後も自動再接続に対応する。ただし、ネットワーク障害が約10分以上続いた場合はセッションがタイムアウトする。

本機能はProおよびMaxプランのリサーチプレビューとして提供されており、TeamおよびEnterpriseプランでは利用できない。

From: 文献リンクContinue local sessions from any device with Remote Control – Claude Code Docs

【編集部解説】

AnthropicがClaude Codeに追加した「Remote Control」は、一言で言えば「AIコーディング作業の解放」です。これまで開発者は、Claude Codeを使った作業をターミナルの前に座っている時間に縛られていました。この機能によって、デスクで走らせたセッションをそのままスマートフォンや別のブラウザから継続できるようになります。

重要なのは、「リモート=クラウド移行」ではないという点です。セッションはあくまでローカルマシン上で動き続けます。ファイルシステム、MCPサーバー、ツール、プロジェクト設定—これらは一切クラウドに移行しません。AnthropicのAPIを経由するのはあくまで「操作の指示とその応答」だけであり、コードそのものはローカルに留まります。セキュリティ面では、マシン上でインバウンドポートは開かれず、アウトバウンドのHTTPS通信のみで完結する設計です。

注目すべき数字があります。Claude Codeは現在、年換算で25億ドルの収益ラン・レートに達しており、2026年初頭からわずかな期間で倍増したことが報じられています。さらに、VS Code拡張機能の1日あたりのインストール数は2,900万件に達し、Anthropicにとっての「ChatGPT moment」と評されるほどの急成長を遂げています。Remote Controlのような開発者体験への投資は、この勢いを維持するための重要な戦略と位置づけられます。

この機能が与える影響は、個人開発者にとどまりません。「長時間かかるビルドやテストを走らせておき、外出先から進捗を確認する」「移動中にスマートフォンで指示を送る」といったワークフローが現実的になります。AIエージェントを「止まらない存在」として扱い始める時代の入口とも言えます。

一方で、潜在的なリスクも見逃せません。セッションURLをパスワードと同様に扱うべきことは公式ドキュメントが明示しており、URLが流出すれば第三者がセッションに接続できる可能性があります。また、現時点では1セッションにつき1リモート接続のみという制限があり、個別のProおよびMaxユーザーの一部で「Contact your administrator」というエラーが発生する既知の不具合も報告されています。TeamおよびEnterpriseプランでは利用不可という制約も、企業導入を検討する際のハードルになるでしょう。

将来的な視点では、この機能はAIコーディングエージェントの「常駐化」という大きなトレンドの一部として捉えるべきです。GitHub CopilotやCursorなど競合ツールとの差別化において、Anthropicは「ローカル環境の維持」と「マルチデバイスアクセス」の両立という独自ポジションを打ち出しています。本機能はClaude Code version 2.1.51 にてリサーチプレビューとして導入され、現在はMaxプランで先行提供中、Proプランへの展開は近日予定です。今後、並行セッション対応やハイブリッドクラウド型の運用モデルなどが検討される可能性もありますが、現時点で公式な発表はありません。

【用語解説】

MCPサーバー(Model Context Protocol サーバー)
AIモデルが外部ツールやデータソースと連携するための標準プロトコル「MCP」を実装したサーバー。Claude Codeではこのサーバーを通じて、ファイル操作やAPIアクセスなど多様な機能を拡張できる。

リサーチプレビュー
正式リリース前の試験提供フェーズ。機能の安定性や使い勝手を検証するために限定的なユーザーに公開される段階であり、仕様変更や提供終了の可能性がある。

TLS(Transport Layer Security)
インターネット上のデータ通信を暗号化するプロトコル。Remote ControlセッションはすべてTLS経由でAnthropic APIを通じて処理され、通信の盗聴や改ざんを防ぐ。

インバウンドポート/アウトバウンド通信
インバウンドポートとは外部からの接続を受け付ける通信口のこと。Remote Controlはインバウンドポートを一切開かず、マシンからAnthropicへのアウトバウンド(外向き)HTTPS通信のみで動作するため、ファイアウォール設定の変更が不要となる。

売上ラン・レート(Run Rate)
現在の収益ペースを年換算した推計値。実際の年間確定売上ではなく、直近の収益トレンドを12ヶ月に換算した指標である。

【参考リンク】

Anthropic 公式サイト(外部)
Claudeシリーズを開発するAI安全性研究企業。安全性と有用性の両立を目指し、Claude Codeなど開発者向けツールも提供している。

Claude Code 公式ドキュメント(Remote Control)(外部)
Remote Control機能の公式ドキュメント。動作要件・セキュリティ仕様・コマンドリファレンスなど技術的な詳細が網羅されている。

claude.ai/code(外部)
Claude CodeのWebインターフェース。Remote Controlセッションへのブラウザ接続先としても機能するAnthropicの公式サービス。

【参考動画】

【参考記事】

Anthropic Launches Remote Control Feature for Claude Code, Enabling Terminal Operations from Mobile Devices(外部)
年換算$2.5 billionの収益ラン・レートや1日2,900万件のVS Codeインストール数など具体的な数値を報じた記事。

Anthropic launches remote control feature for coding AI ‘Claude Code’ — GIGAZINE(外部)
Claude CodeのRemote Control機能リリースを報じた英語版GIGAZINE。機能概要と使用条件を簡潔にまとめている。

Claude Code just got Remote Control — Reddit(r/ClaudeCode)(外部)
開発者コミュニティによるリアルタイム議論スレッド。既知の不具合報告や実際のユーザー体験が集まっている。

【編集部後記】

「AIに作業を任せている間、自分はその場を離れられない」—そんな感覚、覚えがありませんか?

Remote Controlは、その前提をそっと崩してくれる機能かもしれません。ローカル環境を手放さずに、場所の制約だけを取り除く。この小さな変化が、開発者の働き方をどう変えていくのか、私自身もとても興味があります。みなさんはどんな場面で使ってみたいと思いますか?

投稿者アバター
TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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