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Perplexity Computer登場—リサーチからデプロイまで、AIがプロジェクトを丸ごと完結させる時代へ

[更新]2026年2月28日

Perplexity AIは、2026年2月26日、新製品「Perplexity Computer」を発表した。

Perplexity Computerは、現在存在するあらゆるAI機能をひとつのシステムに統合するプラットフォームである。リサーチ、デザイン、コーディング、デプロイ、プロジェクト管理をエンドツーエンドで実行する能力を持つ。複数のAIモデルとエージェントを統合し、単一のシステム上でプロジェクトの開始から完了までを一貫して処理することを目的としている。

From: 文献リンクIntroducing Perplexity Computer. / X (@perplexity_ai)

【編集部解説】

Perplexity AIが発表した「Perplexity Computer」は、同社がこれまで強みとしてきたAI検索の枠を大きく超えた、プロジェクト管理プラットフォームへの本格参入を意味します。リサーチ・デザイン・コーディング・デプロイ・継続管理という、これまで別々のツールに分散していたワークフローを、ひとつのシステムに統合する試みです。

これまでの「AIコーディングエージェント」との最大の違いは、「Research-First(リサーチ優先)」のアーキテクチャにあります。既存ツールの多くは学習データに基づいてコードを生成しますが、Perplexity Computerはコードを書く前に最新ドキュメントをリアルタイムで参照します。これにより、いわゆる「ハルシネーション」問題—存在しないAPIを生成してしまう現象—を軽減できる可能性があります。

注目すべき点は、Samsung Electronicsとの連携です。2026年2月25日にサンフランシスコで開催されたGalaxy Unpackedイベントで発表されたGalaxy S26シリーズ(販売開始:2026年3月11日)には、Perplexity AIエージェントが組み込まれます。「Hey, Plex」というウェイクワードや端末側面ボタンの長押しからアクセスでき、Samsung Notes・Clock・Gallery・Reminder・Calendarなどのネイティブアプリとの統合も予定されています。

Samsung側は「Galaxy AIは複数のAIエージェントをひとつの自然でまとまりあるエクスペリエンスへ束ねるオーケストレーターとして機能する」としており、この提携によって「Hey, Plex」のユーザー基盤は数億規模に達する可能性があります。

ポジティブな側面として、ノーコード・ローコードの民主化がさらに加速する点が挙げられます。アイデアを言語で説明するだけで、動くアプリケーションとライブURLが得られるとすれば、技術的バックグラウンドを持たない起業家や個人開発者にとっても、ソフトウェア開発のハードルは大幅に下がります。

一方でリスクも見逃せません。AIが「デプロイ」まで実行するとなれば、ハルシネーションはチャット画面の誤字では済まず、本番環境の障害に直結する可能性があります。また、単一プラットフォームへの依存度が高まることで、セキュリティ上の攻撃対象が集中するリスクや、ベンダーロックインの問題も浮上します。

規制の観点では、AIエージェントが自律的にコードをデプロイするという行為は、EU AI法などの規制議論において新たな論点となり得ます。「誰がその動作に責任を持つのか」という問いは、AIエージェントが実行主体になるほど複雑化していきます。

長期的な視点で見ると、Perplexity AIはこれまで「検索」という入口を押さえていたことが強みでした。今回のPerplexity Computerは、その入口から「実行」まで一気通貫でカバーすることで、ユーザーが他のツールへ離れる動機そのものを消しにいく戦略です。検索→設計→開発→運用という全工程を自社プラットフォームで完結させる動きは、SaaS市場全体の競争構造を変える可能性を秘めています。

【用語解説】

エンドツーエンド(End-to-End)
プロジェクトの開始から完了まで、中間工程を省かず一貫して処理することを指す。今回の文脈では、アイデア出しからデプロイ(公開・運用)まで単一システムで完結させることを意味する。

ハルシネーション(Hallucination)
AIが事実ではない情報を、あたかも正確であるかのように生成してしまう現象。コーディング分野では、存在しない関数やAPIを生成するケースが問題となっている。

ベンダーロックイン(Vendor Lock-in)
特定企業のプラットフォームへの依存度が高くなりすぎ、他のサービスへの乗り換えが困難になる状態を指す。

EU AI法
欧州連合が策定したAI規制法。AIシステムをリスクレベルに応じて分類し、高リスクなAIには厳格な要件を課す。自律的にコードをデプロイするAIエージェントは今後この規制の射程に入る可能性がある。

ウェイクワード(Wake Word)
音声AIを起動するためのトリガーとなる特定のフレーズ。Perplexity AIの場合は「Hey, Plex」がこれに該当する。

Galaxy Unpacked
Samsung Electronicsが新製品発表のために開催する公式イベント。2026年2月25日にサンフランシスコで開催され、Galaxy S26シリーズが発表された。

【参考リンク】

Perplexity AI 公式サイト(外部)
AI検索エンジンから発展した総合AIプラットフォーム。Free・Pro(月額20ドル)・Max(月額200ドル)のプランを提供している。

Samsung Electronics 公式サイト(外部)
韓国発の世界最大級の電機メーカー。Galaxy S26シリーズへのPerplexity AI統合を発表。販売開始は2026年3月11日。

【参考記事】

Perplexity Computer: The End of “Just Researching” – Gems of AI(外部)
Research-Firstアーキテクチャによるハルシネーション軽減の仕組みと、ノーコード民主化への影響を詳述した解説記事。

Perplexity Launches Computer Platform for Unified AI Project Management – mlq.ai(外部)
Perplexity Computerの全機能統合型プラットフォームとしての特性と、SaaS市場への影響を報告した記事。

Perplexity AI lands on Samsung’s next Galaxy lineup – Help Net Security(外部)
Galaxy S26へのPerplexity AI統合を詳報。「Hey, Plex」やネイティブアプリ連携など具体的な実装内容を解説している。

Samsung Galaxy Unpacked 2026 Live Updates: All the S26 News as It Happens – PCMag(外部)
2026年2月25日サンフランシスコ開催のGalaxy Unpackedを詳報。Galaxy S26の発表内容と3月11日の販売開始日を確認できる。

Perplexity launches a $200 monthly subscription plan – TechCrunch(外部)
Perplexity AIの月額$200 Maxプラン発表をTechCrunchが報告。Free・Pro(20ドル)・Max(200ドル)のプラン体系を詳述している。 

【編集部後記】

「アイデアを言葉で伝えれば、動くアプリが手に入る」——そんな世界が現実になりつつあります。Perplexity Computerの登場で、私たちの「働き方」や「作る」という行為そのものが変わるかもしれません。

Samsung Galaxy S26への搭載で数億人の手に届く可能性があるこのツール、あなたはまず何を作ってみたいですか?ぜひ一緒に考えていけたら嬉しいです。

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TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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