暗号資産を説明できますか?|家族との会話で伝えたい、2024年相場の本質と未来像

 - innovaTopia - (イノベトピア)

Last Updated on 2024-12-05 12:09 by admin

クリスマスシーズンが近づき、久しぶりに家族が集まる機会が増えてきました。

2024年、暗号資産市場は大きな転換期を迎え、ビットコイン価格は10万ドルに迫る勢いを見せています。このような状況下で、暗号資産に詳しい方々は、家族から投資や技術についての質問を受けることも多いのではないでしょうか。

日本の暗号資産市場は大きな転換期を迎えています。ビットフライヤーの預かり資産が業界初の1兆円を突破し、業界全体の預かり資産も2.6兆円を超える中、制度面での整備も進みつつあります。

注目すべきは、国内大手企業の参入です。ソニーグループは「Soneium(ソニューム)」を発表し、NTT、トヨタ自動車、三菱UFJなども様々なブロックチェーン関連の取り組みを進めています。

innovaTopiaではCoinMarketCapのJonathan Isaacの寄稿から暗号資産を家族に説明するためのヒントについて解説いたします。

from:How to Talk About Crypto With Your Family This Thanksgiving

2024年、暗号資産を取り巻く環境の変化

今年の暗号資産市場は、制度面での整備が大きく進展しました。1月のビットコインETF承認を皮切りに、BlackRockなど伝統的な金融機関の参入が相次ぎ、市場の性質が大きく変化しています。

特筆すべきは、機関投資家の運用資産(AUM)が約2,000億ドル規模まで成長し、市場全体の時価総額が3.4兆ドルを突破したことです。この数字は、多くの伝統的な金融商品の規模に匹敵するものとなっています。

よくある疑問と効果的な説明方法

「暗号資産は投機的すぎる」という指摘への対応

確かに、ミームコインの急騰など投機的な側面は存在します。しかし、市場の成熟度を示す重要な指標として、ビットコインのボラティリティが従来の株式市場に近い水準まで低下していることが挙げられます。

また、エルサルバドルやブータン王国など、国家レベルでの採用も進んでいます。エルサルバドルの事例では、2021年の採用以降、120%を超えるROIを達成し、経済発展の新たなモデルケースとなっています。

日本では金融庁による厳格な規制のもと、登録された取引所のみが営業を許可されており、投資家保護の体制が整っています。

実際に、日本の暗号資産取引所は厳格な管理体制を求められており、顧客資産の保護が徹底されています。

「実体がない」という不安への説明

暗号資産の価値の裏付けについて、よく質問を受けます。この点について、以下のような観点から説明すると理解が深まりやすいでしょう:

  • ビットコインの発行上限(2,100万枚)による希少性
  • 世界中に分散された採掘ネットワークによる安全性
  • 国際送金における利便性と低コスト
  • インフレヘッジとしての機能

「税制が不利」という課題への説明

現在、日本では暗号資産取引の最大税率は55%となっていますが、金融庁は税制改正の検討を進めており、株式投資と同様の20%への引き下げが議論されています。

大手企業の参入と技術革新

ソニーグループの取り組み

2024年8月、ソニーグループはイーサリアムのレイヤー2ソリューション「Soneium(ソニューム)」を発表しました。このプラットフォームは、音楽・映画のNFT化やブロックチェーンゲームの展開を視野に入れており、エンターテインメント分野でのブロックチェーン活用を加速させています。

トヨタのブロックチェーン戦略

トヨタは「モビリティ3.0」構想の一環として、自動車のデジタルアカウント化を推進。イーサリアムブロックチェーン上で車両を管理し、自動運転や公共インフラとの連携を目指しています[。

NTTのWeb3プロジェクト

NTT Digitalは「web3 Jam」プロジェクトを立ち上げ、14社の大手企業と共同でブロックチェーン技術を活用した企業間連携の実現を目指しています。

DeFiがもたらす新しい可能性

注目したいのが、DeFi(分散型金融)の発展です。現在、全世界で約14億人が従来の金融サービスにアクセスできていない状況にあります。DeFiは、このような金融包摂の課題に対する有力な解決策となる可能性を秘めています。

実際の数字を見ても、DeFiプロトコルの総ロック値(TVL)は890億ドルに達し、月間アクティブユーザーは450万人を超えています。これは、テクノロジーによる金融革新が、着実に実用段階に入っていることを示しています。

未来を見据えた投資と技術への関わり方

暗号資産への関わり方は、純粋な投資に限りません。以下のような観点から、自分に合った関わり方を見つけることができます:

  • ETFを通じた間接的な投資
  • DeFiサービスの利用による新しい金融体験
  • ブロックチェーン技術の学習とキャリア構築
  • コミュニティへの参加とネットワーク構築

まとめ

2025年1月の通常国会では資金決済法改正案の提出が予定されており、日本の暗号資産市場は新たな段階に入ろうとしています。また、米国でのビットコインETF承認を受け、日本でも同様の商品の可能性が検討されています。

2024年のクリスマス。家族との団らんの中で、暗号資産について語り合うとき。それは単なる投資の話題に留まらず、テクノロジーが切り拓く新しい未来についての対話となるはずです。

私たちは、技術の進化とともに、より良い社会を作っていく過程の只中にいます。この機会に、ご家族とともに、暗号資産やブロックチェーン技術がもたらす可能性について、じっくりと語り合ってみてはいかがでしょうか。

【用語解説】

  • DeFi(分散型金融)
    ブロックチェーン技術を活用し、仲介者なしで金融サービスを提供するシステム。貸借、取引、資産運用などが可能。
  • TVL(Total Value Locked)
    DeFiプロトコルにロックされている資産の総額。市場規模を示す重要指標として注目されている。

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