Thomson Computing、世界初のWeb3ラップトップを発表 〜独自OS搭載で暗号資産の自己管理を実現

Thomson Computing、世界初のWeb3ラップトップを発表 〜独自OS搭載で暗号資産の自己管理を実現 - innovaTopia - (イノベトピア)

フランスの電機大手Metavisioの子会社Thomson Computingが、2024年12月4日、世界初のWeb3ラップトップコンピュータを発表した。

主な特徴

– io.finnetと提携し、トラストレスMPC技術を採用したセキュリティシステムを実装
– 独自開発のWeb3オペレーティングシステムを搭載
– 統合型コールドストレージウォレットを内蔵
– プライベート衛星インターネット接続機能を搭載
– リソース共有によるトークン報酬システムを実装
– 価格帯は499〜2000ユーロ(約8万円〜32万円)
– 発売時期は2025年第1四半期を予定

開発背景

– 2024年10月にAmerican AI and Hardware Investments LTDから5000万ユーロの資金調達を実施
– 2022年に38億ドル、2023年に17億ドルの暗号資産が中央集権型取引所から流出した事態を受け、セキュリティ強化を重視

from:Thomson Computing unveils 1st Web3 laptop

【編集部解説】

従来のラップトップとは異なり、このデバイスは暗号資産の自己管理を重視した設計となっています。統合型コールドストレージウォレットの搭載は、2022年から2023年にかけて発生した大規模な暗号資産流出事件への具体的な対策といえます。

セキュリティ面での特筆すべき点は、io.finnetのトラストレスマルチパーティ計算(tMPC)技術の採用です。これにより、単一の障害点が存在しない分散型のセキュリティ構造を実現しています。

Web3時代のコンピューティング

このラップトップは単なるウォレット機能の追加ではなく、Web3ネイティブなコンピューティング体験を提供することを目指しています。独自開発のオペレーティングシステムにより、従来のPC作業とWeb3アプリケーションの利用をシームレスに統合しています。

市場へのインパクト

Web3市場は2024年に57億ドル規模とされ、2025年から2030年にかけて年率13.1%で成長すると予測されています。特にデジタル資産カストディ市場は2032年までに3.7兆ドルまで成長する見込みで、このタイミングでの参入は戦略的といえます。

潜在的な課題

ただし、いくつかの課題も存在します。独自OSの採用は既存のソフトウェアエコシステムとの互換性の問題を引き起こす可能性があります。また、2025年第1四半期の発売予定とされていますが、ハードウェアの具体的な仕様はまだ確定していない点にも注意が必要です。

将来への展望

このデバイスの登場は、Web3技術の日常生活への統合という観点で重要な一歩といえます。特に、リソース共有による報酬システムの導入は、コンピューティングリソースの新しい活用方法を示唆しています。

【用語解説】

  • Web3
    従来のインターネットと異なり、ブロックチェーン技術を基盤とした分散型のウェブエコシステム。ユーザーが自身のデータを管理・所有できる新しいインターネットの形態。
  • トラストレスMPC(tMPC)
    複数の参加者で秘密鍵を分散管理する技術。従来の金庫に例えると、一つの鍵ではなく、複数人が持つ鍵の組み合わせが必要になるようなセキュリティシステム。

【参考リンク】

  1. Metavisio公式サイト(外部)
    フランスのテクノロジー企業Metavisioの公式サイト。Time-To-Market戦略による製品開発を特徴とする

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