イーサリアム2025年予測：21SharesとSteno Researchが示す8000ドル到達シナリオ

2025年1月1日8:28

Last Updated on 2025-01-06 16:16 by admin

スイスの資産運用会社21Sharesが2024年12月31日に発表した2025年の暗号資産市場予測によると、イーサリアムは技術進化の新たな段階を迎えようとしています。

2025年第1四半期に予定されているPectraアップグレードは、イーサリアムの技術基盤を大きく進化させます。このアップグレードは2段階で実施され、第1フェーズでは8つのEIP（イーサリアム改善提案）が実装されます。

ウォレット体験の改善、ステーキング報酬の増加、スマートコントラクトの高速化など、ユーザビリティとセキュリティの両面で大きな進化が期待されています。

【編集部解説】

2024年から2025年にかけての仮想通貨市場は、大きな転換期を迎えることが予想されています。特に注目すべきは、機関投資家の本格参入による市場の成熟化です。

21Sharesの予測では、仮想通貨ETPの運用資産総額について当初2,500億ドルとしていましたが、より保守的な予測では1,500億ドル程度とされています。これは現在の約1,000億ドルから50%以上の成長を意味します。

2025年1月のトランプ政権移行に伴い、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長が退任し、暗号資産に好意的なポール・アトキンス氏が就任する見通しです。これにより、規制環境が大きく改善される可能性があります。

さらに、「暗号資産担当特使」の設置も検討されており、リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOが候補として挙がっています。

一方で、以下のようなリスク要因にも注意が必要です：

イーサリアムについては、2024年3月の「Dencun」アップグレードの効果が2025年に本格的に現れると予想されています。特にレイヤー2との統合強化により、収益性の回復が期待されています。

ステーブルコインは、特に新興国での送金市場において大きな変革をもたらしています。例えばフィリピンでは340億ドルものコスト削減効果が報告されており、実用的な暗号資産のユースケースとして注目を集めています。

2025年は暗号資産市場が「制度化」から「主流化」へと移行する重要な年になると考えられます。ただし、この成長過程では、従来型金融システムとの統合や規制対応など、さまざまな課題も浮上してくることが予想されます。

21Shares
スイスを拠点とする暗号資産運用会社。創業者のOphelia Snyderを中心に、機関投資家向けの暗号資産商品を提供しています。
ETP (Exchange Traded Product)
取引所で売買できる投資商品の総称。ETFもETPの一種です。株式と同じように取引所で売買できる金融商品という点で、一般の投資信託とは異なります。
Dencun（デンクン）アップグレード
2024年3月に実施されたイーサリアムの大規模アップデート。「Deneb」と「Cancun」を組み合わせた名称です。ガス代の削減と処理速度の向上が主な目的です。