PlaysOut、WeChat完全連携のWeb3ミニゲームプラットフォームを正式ローンチ ― スーパーアプリ時代の新基盤

2025年5月1日17:35

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Last Updated on 2025-05-01 17:35 by admin

PlaysOutは2025年4月30日、WeChatのミニゲーム公開フレームワークと完全統合したWeb3対応ミニゲームプラットフォームおよびSDKツールキットを正式ローンチした。PlaysOutはUAE（アラブ首長国連邦）を拠点とするスタートアップで、共同創業者はJassem OsseiranとAlex W。2025年3月に700万ドル（約10億5,000万円）のシード資金を調達し、評価額は7,000万ドル（約105億円）に達した。主要投資家にはOKX Ventures、KBW Ventures、Pacific Century Groupなどが参加している。

このプラットフォームは、WeChat、Telegram、Discord、YouTube、Netflixなどのスーパーアプリや主要プラットフォームにミニゲームを組み込むことができる。SDKにより開発者は一度の開発で複数プラットフォームへ展開可能で、NFTやオンチェーンロイヤリティ、ステーブルコイン決済などWeb3機能も標準搭載されている。PlaysOutは今後、アメリカ、中東・北アフリカ、アジアなどへの展開と、ゲームエコシステムの拡大、戦略的パートナーシップの構築に注力する計画だ。

from PlaysOut launches Web3 mini-game platform for superapps

【編集部解説】

PlaysOutのWeb3ミニゲームプラットフォームは、WeChatなどのスーパーアプリと完全統合されている点が最大の特徴です。SDKを活用することで、開発者は一度の開発で複数の大規模プラットフォームに自作のミニゲームを展開でき、言語や文化へのローカライズも自動化されています。

Web2とWeb3の橋渡しを目指すPlaysOutは、NFTやオンチェーン報酬、ステーブルコイン決済などのWeb3機能を標準搭載しつつ、Web2開発者にも使いやすい設計となっています。ゲーム内アイテムをNFTとして資産化し、他のミニゲーム間でも利用・取引が可能な仕組みは、開発者やIPホルダーに新たな収益化の道を開き、ユーザーにとっても資産所有や取引の自由度を高めます。

Telegramとの連携では、TON Playの協力によりTelegram内で数千本規模のWeb3ミニゲームを展開予定です。これは中国WeChatの成功モデルをグローバルに拡張する試みであり、Telegramの9億人超のユーザー基盤を活用してWeb3ゲームの普及を加速させる狙いがあります。

ポジティブな側面としては、開発者がグローバル市場へ容易にアクセスできること、ユーザーがゲーム資産を所有・取引できること、スーパーアプリ側がエンゲージメントやマネタイズを強化できる点が挙げられます。一方で、NFTや暗号資産の取り扱いは各国で規制が異なり、ユーザー保護や法的整備の観点で課題も残ります。PlaysOutはUXの簡素化やサインイン不要設計で障壁を下げていますが、今後の普及には規制動向やユーザー教育も重要です。

長期的には、PlaysOutのようなインフラが普及することで、Web2とWeb3の境界が曖昧になり、アプリのエコシステム全体が「ゲーム化」されていく可能性があります。これは単なる娯楽にとどまらず、デジタル資産の流通や新たな経済圏の形成にもつながる動きです。

【用語解説】

PlaysOut：
Web2/3対応のミニゲームプラットフォーム。WeChatやTelegramなどのスーパーアプリ内に、軽量なミニゲームを組み込めるSDKを提供。NFTやトークン報酬も搭載。

スーパーアプリ：複数のサービス（チャット、決済、ゲーム等）を1つのアプリで完結できる多機能アプリ。WeChatやLINEが代表例。

ミニゲーム：
スーパーアプリやSNS内で動作するインストール不要の小規模ゲーム。WeChatのミニゲーム市場は30億ドル規模。

Web3：
ブロックチェーン技術を活用した「分散型インターネット」。NFTや暗号資産、スマートコントラクトなどが活用される。

NFT：
ブロックチェーン上で唯一性を持つデジタル資産。ゲーム内アイテムやアートなどの所有証明・取引に使われる。

ステーブルコイン：
法定通貨に価値を連動させた暗号資産。価格変動が小さく、グローバル決済やゲーム内課金に適している。

stc play：
中東最大級のゲーミングプラットフォーム。eスポーツ大会やコミュニティイベント、ゲーム配信などを提供。