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Binance TradFi無期限契約が登場 | USDT決済で金・銀を24時間365日取引可能に

Binance TradFi無期限契約が登場 USDT決済で金・銀を24時間365日取引可能に - innovaTopia - (イノベトピア)

金や銀といった実物資産が、暗号資産の世界で24時間365日取引できる時代が始まりました。世界最大の取引所BinanceがアブダビのFSRA規制下で開始したTradFi無期限契約は、ステーブルコインを決済手段とする新たな金融インフラの誕生を告げています。


Binanceは2026年1月8日、アブダビにおいてTradFi無期限契約の提供開始を発表した。これはUSDT決済による伝統的資産の無期限契約で、最初の取引ペアとして金に連動するXAUUSDTと銀に連動するXAGUSDTを提供する。BinanceはADGM(アブダビ・グローバル・マーケット)の枠組みで包括的ライセンスを取得した初のグローバルデジタル資産取引プラットフォームであり、本サービスはFSRA(金融サービス規制庁)の規制下にあるNest Exchange Limitedが提供する。

プロダクト担当副社長のJeff Li氏は、伝統的金融と暗号資産を橋渡しする重要な一歩だと述べた。本契約は24時間365日取引可能で満期日がなく、レバレッジの利用も可能である。価格指数は市場時間中に毎秒更新され、マーク価格と価格指数の乖離はXAUUSDTで±3%に制限される。

Binanceは100カ国以上で3億人以上のユーザーから信頼されている。

From: 文献リンクBinance Launches First Regulated TradFi Perpetual Contracts Settled in Stablecoin, Starting with Gold and Silver

【編集部解説】

このニュースは、暗号資産取引所が伝統的金融商品を本格的に取り扱う転換点として注目に値します。Binanceが2026年1月5日に金、1月7日に銀の取引を開始し、1月8日に正式発表した背景には、ADGMという明確な規制枠組みの存在があります。

従来、暗号資産取引所は「規制の不確実性」という課題を抱えていました。しかし今回BinanceはADGMのFSRAから包括的ライセンスを取得し、Nest Exchange Limitedという規制対象の事業体を通じて運営しています。これは暗号資産業界が単なる投機的市場から、伝統的金融機関と同等の信頼性を持つインフラへと進化しつつあることを示唆しています。

技術的に興味深いのは、USDT(テザー)というステーブルコインで決済される点です。金や銀という実物資産の価格変動を追跡しながら、決済手段は米ドルに連動した暗号資産を用いる。この仕組みにより、暗号資産ユーザーは法定通貨への換金なしに伝統的資産へアクセスでき、逆に伝統的投資家は暗号資産の決済インフラを体験できます。

24時間365日取引可能という特性も見逃せません。金や銀の現物市場には取引時間の制限がありますが、Binanceは市場時間外でも価格指数を固定し、指数加重移動平均で平滑化したマーク価格を適用することで、急激な価格変動を抑制しています。ただし、これは営業時間外の流動性低下というリスクと表裏一体であり、±3%の乖離制約を設けているのはそのためです。

潜在的なリスクとしては、レバレッジ取引による証拠金不足や急激な清算の可能性が挙げられます。特に市場時間外の価格変動は予測が難しく、投資家は自己責任での判断が求められます。

長期的には、この動きがステーブルコインを伝統的資産の決済インフラとして位置づける流れを加速させる可能性があります。2025年にはRWA(実物資産)トークン化市場が240億ドルに達し、過去3年間で308%成長したという報告もあり、金融のデジタル化は着実に進行しています。今回の商品は、その象徴的な一歩と言えるでしょう。

【用語解説】

TradFi無期限契約
TradFi(Traditional Finance:伝統的金融)の資産を原資産とする無期限先物契約である。通常の先物契約と異なり満期日が設定されておらず、契約のロールオーバー(乗り換え)が不要な点が特徴だ。価格は原資産に連動し、レバレッジを活用した取引が可能である。

ステーブルコイン
法定通貨や金などの安定した資産に価格が連動するよう設計された暗号資産である。USDTは米ドルに1対1で価値が固定されており、暗号資産市場における決済手段や価値保存の役割を果たす。価格変動が激しいビットコインなどとは異なり、安定性を重視している。

レバレッジ
自己資金以上の取引を可能にする仕組みである。例えば10倍のレバレッジでは、100ドルの証拠金で1000ドル分の取引ができる。利益を増幅できる反面、損失も同様に拡大するため、証拠金不足により強制清算されるリスクがある。

マーク価格
清算や未実現損益の計算に用いられる公正価格である。市場価格の急激な変動による不当な清算を防ぐため、取引所が独自の計算方法で算出する。Binanceでは市場時間外に指数加重移動平均を適用し、価格の平滑化を図っている。

指数加重移動平均(EWMA)
直近のデータに大きな重みを置く移動平均の計算手法である。古いデータの影響を指数関数的に減衰させることで、最新の市場動向をより敏感に反映する。価格の急変動を抑制しつつ、トレンドを捉えるために用いられる。

RWA(実物資産)トークン化
Real World Assetの略で、不動産、金、債券などの現実世界の資産をブロックチェーン上でデジタルトークンとして表現する技術である。2025年には市場規模が240億ドルに達し、3年間で308%成長した。所有権の分割や24時間取引が可能になる。

【参考リンク】

Binance(バイナンス)公式サイト(外部)
取引量・ユーザー数で世界最大の暗号資産取引所。100カ国以上で3億人以上が利用している。

ADGM(アブダビ・グローバル・マーケット)公式サイト(外部)
アブダビの国際金融センター。2015年から運営され、英国コモンローに基づく規制枠組みを持つ。

Tether(テザー)公式サイト(外部)
世界最大のステーブルコインUSDTを発行。時価総額は1600億ドルを超える。

FSRA(金融サービス規制庁)(外部)
ADGMの金融規制当局。市場の健全性と投資家保護を目的とした規制枠組みを提供している。

【参考記事】

Binance Futures Launches TradFi Perpetual Contracts(外部)
Binance公式によるTradFi無期限契約の正式開始発表。金と銀の取引ペアを詳述。

Binance Taps 120% Silver Rally with Round-the-Clock TradFi Perpetual Contracts(外部)
銀価格120%上昇の市場環境でBinanceがTradFi契約を投入した戦略的タイミングを分析。

Asset Tokenization Statistics 2026: Uncover Growth Trends(外部)
2025年のRWAトークン化市場が240億ドルに達し、3年間で308%成長したことを報告。

Tokenized Assets Statistics By Market Size and Facts (2025)(外部)
トークン化資産市場の統計データを包括的に提供。年平均成長率60%超の急成長を示す。

Binance introduces regulated TradFi perpetual contracts(外部)
ADGMの規制下でBinanceがTradFi商品を提供する意義と融合について分析。

Binance Launches TradFi Perpetual Contracts Settled in USDT(外部)
USDT決済という決済手段の革新性と伝統的資産へのアクセス手段としての位置づけを強調。

【編集部後記】

暗号資産と伝統的金融の境界線が、また一つ曖昧になりました。金や銀といった何千年も価値を保存してきた資産が、24時間365日、ステーブルコインで取引できる時代です。規制当局の承認を得たこの動きは、単なる新商品の発表ではなく、金融インフラそのものの再定義かもしれません。

みなさんは、こうした融合が進む先に、どんな未来を想像しますか?リスクと可能性が隣り合わせのこの領域で、私たちはどう向き合っていくべきでしょうか。一緒に考えていきたいと思います。

投稿者アバター
TaTsu
『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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